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【No.14:スイートピー】


花の名前

「スイートピー」・・・イギリス名(英語)
「ジャコウレンリソウ(麝香連理草)」・・・日本名

誕生花日付

01/14
04/21
(サイトによって異なるため確実ではない)

花言葉

「ほのかな喜び」「門出」「優しい思い出」「永遠の喜び」

赤・・・「門出」
ピンク・・・「繊細」「優美」
白・・・「デリケートな喜び」
黄・・・「分別」「判断力」
紫・・・「永遠の喜び」

ことば

高校1年生の文化祭で、なぜか松田聖子さんの赤いスイートピーと中島みゆきさんの糸をクラスのみんなで歌った。
高校1年生の合唱にしてはクセが強すぎて、鮮明に覚えている。
ちなみに周りのクラスはダンスだったり、教室で出し物をしていた。
放課後、クラスでCDプレイヤーを使って歌の練習をしている時、
歌いながら友達とめちゃくちゃ泣いたのを思い出した。
当時の私たちは、
みんなそれぞれいろんなことに対していっぱいいっぱいだった。
勉強も部活も友達関係も恋愛関係も。
私立高だったから、月曜日から土曜日まで授業があって、
それに加えて0時間目と7時間目があった。
授業後は20時まで部活をして、帰って小テストの勉強をして
朝7時50分から授業を受ける。
そんな生活を送っていて、
周りの高校生、他クラスの友達、思い描いていた高校生活とのギャップが大きくて、苦しくて、辛かったんだと思う。
私はこの時、ピアノの伴奏もしなきゃいけなくて
でも練習する時間がなくて追い込まれていたし、焦っていた。
そんな私たちに、この2曲が心にぐさって刺さって
気づけばぼろぼろ泣いていた。
リミッターが外れた私たちを見てもらい泣きしている女子たち。
カオスな状況だったな~となんだか懐かしい気持ちになった。

「優しい思い出」「ほのかな喜び」
これまで14種類の花に触れてきたけれど、
その中で1番好きな花言葉かもしれない。
私にとって「優しい思い出」ってなんだろうと思って
instagramのストーリーアーカイブを遡っていた。
そして思い出したのが、高校の部活の副顧問だった。

高校生の時、硬式テニス部に所属していた。
先輩が引退してから、同級生4人、後輩2人の合計6人という少ないメンバーで部活をしていた。
部活には顧問、副顧問の先生がそれぞれいたけれど、
副顧問の先生は滅多に顔を出さない。
それが当たり前だと思っていたけれど、覆してくれた先生が1人いた。
その先生はテニスの知識が全くなかったけれど、それでもたまーに
スーツ姿のままコートに練習の様子を覗きにきてくれた。
何もわからないからって言って、ニコニコしながらボール拾いをただ手伝ってくれていた先生が私は大好きだった。
秋季大会団体戦があった、ある冬の休日。
その先生は休みなのに試合を見に来てくれた。
シングルス→ダブルス→シングルス
の順に試合をし、2勝した方が上に進むことができる団体戦(Bグループの場合)。
当時、私たちは順調に勝ち進んでいて、大阪ベスト8がかかったタイミングだった。
私は3試合目にあるシングルスに備えてアップをとっていた。
1試合目、2試合目で2-0で勝つか、0-2で負けて回ってくると
3番手は肩の力を抜いて気楽に試合ができる。
だけど、1-1で回ってくると、3番手の1試合ですべてが決まってしまう
意外と重要なポジション。
2つしかないコートで同時に行われる試合を横目に見ていると
どうやら1-1で回ってきそうで、すごく緊張していた。
秋季大会とはいうものの、それなりに試合数が進み、もうすっかり冬になっていた。
コート横で、寒さと緊張に震えていた私に、副顧問の先生が話しかけてくれた。
ずっとソワソワして落ち着かない私
「緊張と寒さでやばい、どうしよう」
そんな私を見て先生も一緒にソワソワ、だけど
「大丈夫、自分を信じて」
たしかそんなことを言われた気がする。
私がコートに入るまで、先生は私のそばで緊張を和らげてくれていた。
寒いのに、休みなのに、副顧問なのに、テニスのこと分からないのに、
私たちの試合にかけつけて応援してくれた先生。
たまらなく嬉しかった。
ネット越しに見える仲間と副顧問(顧問はコートの中のベンチでドスンと座っていた)。
その存在がどれだけ心強かったか。
何対何だったかは忘れたけれど、勝った。
私が勝つことができたのは、それまで繋いでくれたメンバーと、応援して信じ続けてくれたメンバー、的確なアドバイスをくれた顧問、そして、緊張でガクガクブルブルしていた私に大丈夫って言ってくれた副顧問がいたから。
その後の試合には敗れ、ベスト4に入ることはできなかった。
だけど、たった6人のチームで大阪ベスト8まで進むことができた。
それから、私は副顧問にゾッコンだった。笑
バレンタインの日、綺麗にできたマカロンを包んだ袋を持って職員室まで行ったけれど、
なかなか勇気が出せなくて。
何回も扉の隙間を覗いて様子を伺い、よし、と気合を入れて
先生を呼んだ。渡せた。すごく喜んでくれた。
ホワイトデーの日、先生はお返しをくれた。
手紙付きだった。おいしかったって書いてあった。
たぶん、手紙をもらったのは私だけだった。
嬉しくてぴょんぴょん飛び跳ねていた。
でも、その先生は次の年に別の学校へ異動してしまった。
これは、高校2年生の秋から春になるまでの、私の短くて優しい思い出。
大好きだったあの先生にスイートピーを。


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