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「備忘録、或いは置土産」アメス様軸門宝枝プリコネについて

1.はじめに

筆者は「アニメ プリンセスコネクト!Re:Dive」を使用し、WGP2022、BCF2023、WGP2023に出場した。いずれも「アメス様軸」と呼称する独自のアーキタイプであり、WGP2022では初版を、BCF2023では第12版を、WGP2023では第39版及び第41版をそれぞれ使用した。アメス様軸は第30版までは宝枝というCX構成だったが、第31版からは宝門枝、第40版から門宝枝というCX構成の変遷を辿った。アメス様軸プリコネを一年以上調整し続けた結果、プレイヤー自身とデッキの両方に一定の強度を実感する事ができた。しかし独自の構築であること、デッキの出力が筆者の経験則に大きく依存していることを反省し、未来の自分自身へ向けて備忘録を残す。尚、これは第41版時点での記録である。


2.構築について

現時点での最新版である第41版は以下のとおりである。


キャラ:38枚
イベント:4枚
クライマックス:8枚
Lv.0:18枚
Lv.1:7枚
Lv.2:7枚
Lv.3:10枚
青:20枚
緑:16枚
黄:14枚
門:4枚
宝:3枚
枝:1枚
ドラ付き:17枚
名前に「コッコロ」を含むキャラ:9枚
山札を削ることができるカード:集中、サレン&スズメ、1連動、託した願い、Xルック

3.基本戦略及び理念

1)基本戦略

本デッキは0連動とアドが得られる0アタッカーを多く採用し、更にデッキの約1/3をドラ付きのカードで構成することでレベル0帯から相手とのダメージレースで先行する事を可能とした、所謂アグロデッキである。ヴァイスシュヴァルツというゲームでアグロという表現が適切かどうかについては諸説あるが、今回は割愛する。中終盤はこのデッキ特有のコスパよく高パワー・高ソウルを出せるギミックを絡めつつクライマックスを常に貼り続け、序盤で作ったリードを維持する。終盤は相手の山を破壊しながらの刻みバーンに必要に応じて光景を絡め、相手の山がどれだけ強かろうと関係なく確実に詰め切る。

2)先攻よりも後攻を重要視

筆者は後攻で負けない事が重要であると考えており、普段は後攻を前提として1人回しをしている。その思考が強く反映されているのが、後攻でアドが得られる中学生4枚+両断2枚採用だろう。このゲームでは前提としてそもそも先攻が有利であるが、後攻を取ったから負けたという言い訳はつまらないし、成長が無い。では後攻が先攻に勝る点は何かと考えると、1ターン目のアタック数が挙げられる。昨今の環境は高速化しており、2ターン目にはレベル1に上がっている事が珍しくない。そのような環境では2ターン目に使う事ができるストック数が多いということは有利に働く。具体的には集中などで山を削ったり1連動を手札に揃えたり等の自由度が上がる。これは後攻に特有の強みと言える。つまり後攻は可能な限り1ターン目から3回アタックすべきだ。であれば、後攻でアドが稼げる上記の6枚を採用することは妥当であると言える。枚数について、筆者の経験上5枚では不足と感じたため6枚としている。中学生は特殊相殺や領域移動に、両断は移動に弱いという特性を持つため過信は禁物であるが、中学生は一度に二枚以上出すことでその弱点を克服できる。そのため中学生を最大枚数である4枚採用している(1帯での緑発生を達成しやすくするという目的もあるが)。一方で両断は複数枚同時に引いても移動の前には無力であるため、2枚採用に留めている。
追記:WGP2023熊本会場では7試合中6回先攻を取るという豪運を発揮したが、先攻の練習が不足していたために適切なプレイができなかったように思う。今後の課題は先攻クロックフェイズにおけるリスク許容ラインの見極めとする。

3)クライマックス構成

本デッキがダメージレースで有利であるのは、そのクライマックス構成が大きく関わっている。門宝という構成はクライマックスを供給しやすく、毎ターン1000/1を貼ってアタックする事が現実的に可能である。ここで、宝門枝と門宝枝の違いが明確に表れる。即ち、クライマックスを貼る事がアドになるか否かである。そもそも宝門枝とはどのようなデッキか。門宝枝とどのように異なるのか。端的に言えば、門連動が0連動か3連動かが違う。以下に宝門枝の内容を示す。この構築でも1000/1を貼り続けることは可能ではあるが、相手のキャンセルが強い時に相手にダメージを与えられずこちらのリソースは減るという最悪な事態がどうしても起こり得る。そのような場合における敗因の多くは詰めパーツが集まりきらずロングシュートの一発逆転チャンスすら無いという事であると分かったので、3連動を一本に絞り、代わりに質の高い手札を揃えられる0連動を採用するに至ったのである。

4)宝連動と門連動のどちらが強いのか?

上に挙げた門宝枝と宝門枝のクライマックス比率を見比べると、門<宝から宝<門に変化している点に気づくだろう。これは、筆者が門連動の方をよく使うという事を表している。正確に言うと、「宝連動は門連動より一回で得られるアドが多いが、強いタイミングが限定されるのでゲーム中に一回しか使いたくない」のである。そもそも宝連動と門連動は求める役割がそれぞれ異なる。宝連動に求める役割は①一周目の山を削る、②雑に手札枚数を増やす、③(1帯までに限り)相手のキャラを踏む、の3つであり、手札の質が安定しない代わりに枚数を増やすことができる。そのため一周目で必ず複数面立てたい連動であるが、二周目以降ではその能力は大きく制限される。基本的に二周目以降の山は圧縮が効いており無闇に削りたくないため、ルックを1枚で止める事が多い。そうなると3ルックの強みを十分に引き出せないため、宝連動である必要が無い。この、特定のタイミングでしか使いたくないが特定のタイミングでは確実に使いたいというバランスがこの連動の難しいところだ。だからこそ宝<門という枚数配分なのである。宝の枚数を減らしてはいるが、控えに宝が一枚でもあれば門と宝のどちらをトリガーしても宝が手札に加わるため1連動の再現性は非常に高い。
門連動に求める役割は①山札から特定のカード、特に詰めパーツを揃える、②山札を削らない、③手札を減らさない、の3つである。連動が山サーチなので山札が多いほど選択肢が多く、且つ徒に山札を傷つけないのでレベル0とリフレッシュ直後で使うのが最も強い。以上を踏まえると、宝連動はリフレッシュ直前、門連動はそれ以外のタイミングで使うべきという結論に落ち着く。

5)光景と美智瑠バーンの相性

相手の山札が堅いからと思って美智瑠バーンで詰めると、本打点が止められて結局詰め切れなかったという経験に覚えは無いだろうか。筆者は長いことペコリーヌ連動を使っているが、もう数え切れないほどにこの負け方をしている。刻みバーンだから、山破壊可能だからという理由で光景を採用していなかった時期があり、この考えを改めてからはそれまでより本打点が通せるようになったように思う。程良く弱くなった山に美智瑠バーンで追い打ちをかけるというイメージだ。やはり相手のキャンセル率を低下させるには光景が頼りになる訳だ。ここで、光景はいつ使うのが強いのか考えてみよう。当然相手がストックを大量に積んでいる時に使うのが最も強いのだが、それとは違う視点で光景というカードを見てみる。結論から言うと、リフレッシュを挟むタイミング、所謂跨ぎ光景が強いと考える。そもそも光景は“次の山“を弱くするためのカードであり、”今の山“を弱くするためのカードではない。極端に言うと、リフレッシュを挟まない光景は単なるX枚落下に等しい。つまり、その時のクライマックス密度が低下しているかどうかは分からない。缶ビールの中身を少し捨てるとアルコール度数は低下するだろうか?勿論そんなことは無い。それと同じだ。この話から分かることは、光景を使った後に相手の山札をリフレッシュさせることができれば、相手は弱い山を晒す羽目になるということだ。よって、美智瑠バーンは光景と相性が良いと言える。光景で相手の山札のCXをストックに大量に封印した後に残ったCXを美智瑠バーンでバーンに変換し、リフレッシュまで持っていくというパターンは筆者がよく使う詰め手段だ。少し話が逸れるが、この「cip光景→残った山札をアタック時美智瑠バーンで大量落下」というパターンは他のタイトルでも流用可能である。例えばアサルトリリィやKOFなどだ。筆者が知らないだけで他にもあるかもしれない。KOFは刻みバーンでない代わりに落下枚数がペコリーヌより多いためプリコネとは使い勝手が異なるが、似た動きが可能であるため、筆者は密かに期待している。

4.各局面における基本戦術

1)マリガン

・両断とクロック中学生は全キープ
・移動モニカと集中とサレン&スズメは1枚キープ
・融合はクロック中学生か両断があるならキープ
・1連動は2枚までキープ
・宝は3枚あれば1枚キープ
・門は3枚あれば1枚キープ
→集中があるなら門を1枚だけキープ
・上記でキープしたカード以外は全てカット

2)0帯

・クロックフェイズの前に確認する事
→相手のパワーライン
→移動のキャラはいるか
→中学生やストック逃げのような舞台を離れる効果を持つキャラはいるか(両断でアタックする時は必ず確認)
→特殊相殺のキャラはいるか(両断で下げたいキャラを特殊相殺取られないようにする)
→正面のキャラに移動メタを持つキャラはいないか(両断で下げられない)
→リバースしない効果を持つキャラはいるか
→(サイドアタックする時だけ)レベル1のキャラはいるか
・クロックフェイズで意識すること
→先攻なら1ターン目に0連動は使わないので無理に青色を発生する必要は無い
→後攻なら0連動の可能性を残すために青色の発生を意識する
→レベル2ユウキが2枚以上見えているなら1枚はレベル1に上がるまで手札に持っておき、どうしても青が無いならクロックに置く
・両断がいるなら下げたいキャラで1パン目にアタックする
→相手がパズドラ門枝の場合、両断を警戒してクロック中学生を後列に下げる
・ツインドライブはダイレクト面以外に付与する
・ストックの下から3枚に連動ペコリーヌかCX交換かCXが埋まった場合、ツインドライブで掘り出す
ストックの下から4枚に光景が埋まった場合も同様にケア
→対面がシャナの場合、更にレベル3モニカとミミも掘り出す
・後攻かつ門を貼っていない場合、ストックを掘る目的が無くても3パン目ならツインドライブしても良い
・相手のカードプールに特殊相殺がある事を知っていて、尚且つクロック中学生が1枚以下なら後攻1ターン目は2パンに留める
クロック中学生が2枚以上なら3パンする

3)1帯

・山にクライマックスが5枚以上残っていて、そのターン中に山を削りきれないと予想できる場合、ルックを最低限に留める
・1連動の3ルックでは相手のデッキタイプにより回収対象を選ぶ
(1)相手が盤面制圧に重きを置いている場合
(例)ホロライブ電源宝、ホロライブストブ扉、ホロライブ8電源、プロセカ宝枝、プロセカ8電源、転スラ8門、転スラ8電源、アリスギア8電源など
早出しモニカ及び移動モニカをそれぞれ1枚ずつ回収
移動モニカはクロックフェイズで必要なため早出しモニカより優先して回収
名前に「コッコロ」を含むキャラを持っていないならコッコロを回収
→コッコロ集中からチカ集中に変更した事により、「託した願い」失敗率が僅かに上昇
今までより意識的にコッコロを保持することに留意する
⚠️虹学電源扉や東リべ8扉はモニカ込みでも盤面を取るのが困難なため例外的に(2)に分類
⚠️オバロ扉宝は3連動アインズがリバースせずモニカのストックキックが効かないため(2)に分類
(2)相手が3連動のための準備に重きを置いている場合
(例)虹学扉門、五等分8扉、アサルトリリィ8扉、ごちうさ8門、オバロ扉宝、key8門、パズドラ門枝、パズドラ8宝、ホロライブ電源門、チェンソーマンストブ宝など
早出しヒールや名前に「コッコロ」を含むキャラ、3連動ペコリーヌや光景などを回収
・相手のリフレッシュ時に相手の3連動がリバース要求かどうか、モカかどうか、連パンかどうか、逆圧縮かどうか、また光景があるかどうかを確認
リバース要求またはモカまたは連パンの場合→☆を参照
逆圧縮や光景がある場合→★を参照
⚠️1リフできないと判断した場合、託した願いを集めておく
中途半端に山を削ると次のメインフェイズ前にリフレッシュしてしまって控えからユウキを釣り出せないので1周目の山削りは注意
⚠️コッコロの連動は他2面以上無いと使えないため、前列と後列が合わせて3面しか立たなかった時は相手盤面に何らかの特殊相殺がいないか確認(余裕があれば相手のタイトルにレベル1思い出拳があるかどうかを思い出す)

4)2帯

・クロックに移動モニカを置く
・山をリフレッシュする前に「託した願い」でユウキを立てておく
・13000のラインを意識し、早出しモニカを出す必要があるかどうか検討する
・13000×3までならモニカ無しでも再現可能
・モニカ込みなら15500×2+14500×1まで再現可能
・9000までなら両断で取れるが、助太刀に注意
・ストックが次のターンに以下の数残るようにアタックする
→ペコリーヌ2面+光景の場合、8ストック要求
→ペコリーヌ3面の場合、7ストック要求
→ペコリーヌ2面+クロックシュートの場合、6ストック要求
→モニカ+クロックシュート+ペコリーヌの場合、6ストック要求
・詰める前のターンでは自身が2-4でターンを返すのが理想
・次のターンに詰める予定のときは6バックくらいの少し弱めの山でリフレッシュする(3キャンしてレベルが上がれないと詰められないため)
・可能ならレベル3に上がる前にレベル3のコッコロを回収する(ヒールとXルックのどちらでも対応できるため)
・相手のレベルが2のときは相手のクロックと山札の枚数を確認し、クロックドローとリフレッシュダメージでレベルが上がらないように打点調整をする
→パズドラ門枝の場合はリフダメ込2-3で止める
→ホロライブ電源門の場合はリフダメ込2-4で止める
☆相手が先にレベル3に上がりそうなら、チャンプアタックしてダイレクト面を作り過剰打点を誘う
★相手が先にレベル3に上がりそうなら、山札をリフレッシュしてターンを返す
⚠️オバロ対面
次のターンにアインズの焼きが来そうならアタックフェイズ中にリフレッシュする

5)3帯

・クロックフェイズ前にペコリーヌと枝の場所と枚数を確認してからクロックを叩くかどうか考える
・相手の山札のCX枚数を確認する事を忘れない
・見えているドラの数を確認し、山札に残っているドラの数を推定(全部で17枚)
・ペコリーヌの連動コストではCX(特に宝と門)を優先的に切る

6)道中の山削りについて

・山のCXが5枚以上残っている場合、なるべく削らないようにする
・山のCXが4枚以下になった時、削りきれるなら削りきり、削りきれないならCX密度を1/4以上に維持できるように意識して削る

7)覚えておくべきこと

・託した願いをプレイする条件としてコッコロネームを要求するため、後列か手札に必ず用意しておく
・クロックが6枚の時にサレン&スズメの効果を使うとき、山札が2枚以上なら先にレベルアップ処理が挟まるため控え回収効果とリフレッシュ処理は両立できないが、山札が丁度1枚ならレベルアップとリフレッシュが同時に発生するため、先にリフレッシュを行えばレベルアップにより生じた控えのキャラを回収する事が可能
・シャナのバーンメタは他2面要求なので、モニカのストックキック+クロックシュートで3面処理した後にペコリーヌ連動を使用可能
・ボトムヒールでボトム固定されていて山5枚中CX2枚以上なら集中のリフ越しサーチが可能

5.最後に

筆者はWGP2023熊本会場でトリオ4位という結果を残すことができたが、正直に言うと個人成績は良くない。むしろ3-4で負け越している。今思い返すと決勝ラウンドでの2敗は回避できたのではないかと、熊本から帰ってからもずっと後悔に苛まれている。更なる実力向上のため、今回発見した課題の解決に臨む。


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