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勝ちに貪欲なLiquidの必勝法┃BLAST R6 MAJOR COPENHAGEN | The Finals | Day 2

 こんにちは! お久しぶりです。リザードです!
 今回はCopenhagen major の試合でTeam Liquid vs FAZE Clanの試合の解説を行いたいと思います。
 至らない点があると思いますので、気になる点があればお気軽にコメントを残してください。

※タイトル回収は2ラウンド目と6ラウンド目です。
 目次のジャンプ機能をご活用ください。

※今回の記事は以下のライブ配信をもとに執筆しております。Blast R6S様、R6S Esports様、Ubisoft様、本大会を開催していただき、誠にありがとうございます。

BLAST R6 MAJOR COPENHAGEN | The Finals | Day 2


というわけで…本編に入ります!!
 Team Liquid防衛先行  FAZE Clan攻撃先行

 Team Liquid(以下 TL と記す)とFAZE Clan(以下 FAZE と記す)の試合はブラジルリーグ同士のライバル対決です。
 両チームはR6S界で5年以上もの間、ブラジルのトップリーグで活躍を続けていたビックチームです。またどちらも世界一位を幾度となく狙っているチームでもあり、今回の世界大会でも優勝候補として注目を集めています。

 そんな歴史的な試合を、一マップずつ丁寧に解説していきますので、最後までお付き合いいただけると幸いです。

1ラウンド目 キッチン・ダイニング防衛1周目

 まず前提としてFAZEはセットプレイを非常に得意としています。現地または取りたいエリアに対してチームで詰めるのが得意なわけです。
 その原因は撃ち合いの強さ、ピック幅の広さ、チームで動くときのシナジーです。

 それに対しTLは取られたくないエリアにリソースを割くことで、セットプレイを゛待つ゛防衛をしていました。
 待つ防衛(以下では受け身の防衛と呼びます)のメリットは自分たちのデスを抑えやすいことです。一方でデメリットは敵の攻撃に対応しにくい、自分たちからピークやリテイクなどの「アクション」を起こしにくいなどです。

 ただ今回のラウンドではFAZEがとりたいエリアである二階に対し、急なラッシュ気味のセットプレイを行い、TLが組んでいるクロスに飛び込んでしまい攻めが破綻してしまいました。

 FAZEはほんの少しタイミングずれてしまいましたが、そのちょっとのずれがこのラウンドでは致命傷となってしまいました。
 少しのミスも許されない世界がここにあります。

2ラウンド目 二階防衛1周目

 前回のラウンドでも見られた通り、TLの狙いはFAZEにセットプレイをさせずに攻めを破綻させることです。
 そのための作戦として試合の序盤では、あえてFAZEにエントリーをさせ、そこから囲い込むということをしています。

 セットプレイを行うためには、セットプレイを狙うエリア(多くの場合は爆弾拠点か現地に詰めるために必要なエリア。つまり攻撃側が「取りたいエリア」のことです)を決める必要があります。
 決めたエリア(以下では「対象エリア」と呼びます)に対し、攻撃側はリソースを割いてチーム全員でタイミングを合わせて突撃します。
 ほとんどの場合、対象エリアを全員で詰めるために、さらに広いエリアを取って、対象エリアをチームの全員で囲い込むようにして突撃します。

 このラウンドではFAZEも対象エリアの周辺エリア(今回の場合は図書とリビング二階)を取りにきました。
 図書とリビング二階を制圧したFAZEですが、本当に制圧したいのは対象エリアであるオフィスとピアノです。
 つまりFAZEはオフィスとピアノに対してセットプレイを行いたいのです。オフィスとピアノをとれればプラントができるので、このエリアを狙うのは当然と言えます。

 ここで受け身の防衛をするとFAZEのセットプレイに押し切られて、プラントが成功してしまうかもしれません。
 なのでTLとしては自分たちから積極的にアクションを行い、FAZEの攻めを破綻させることが理想となります。

 そのことを踏まえ、TLはどのようなアクションを起こしたのでしょうか。
 シンキングタイムですよ。皆さんも映像を添えて一緒に考えてみましょう!






 その答えはハードピークと裏どりを同時に行うことでした。
 しかもアクションを起こしたタイミングが、FAZEにとっては周辺エリア(図書とリビング二階)を制圧した直後のことで、裏どりの警戒がまだ十分で ない時間帯でした。

 でも裏どりの警戒ってアマチュアクランでも簡単にできますよね? 例えば一人が射線を敷いておけばそれで済むことです。 確かに攻撃側は一人のプレイヤーが裏どりの警戒射線を敷いているだけで、裏どりやリテイクはされずに済みます。

 しかしこれがTLの連携の恐ろしいところです。
 Solisのプレイヤーがリビング二階に向かって裏どりを行っているタイミングと同じ時間に、オフィスとピアノのプレイヤーがリビング二階に対してハードピークを行っていました(オフィスからオフィスのバルコニーに飛び出したプレイヤーが一人、ピアノから図書通路にピークしてきたプレイヤーが二人いました)。

 FAZEはピアノとオフィスからピークしてきたプレイヤーと撃ち合わざるを得ません。
 なぜならFAZEはモンターニュをピックしており、実質的に射線を向けて撃ち合いを行えるプレイヤーが4人しかいないからです。
 その結果、裏どりを警戒する余裕はなく、TLのダブルピークにより攻めは破綻しました。このシーンはチームプレイが非常に美しく派手なプレイが決まった瞬間でもあるので、初心者の方にもぜひ見てほしい名場面です。


3ラウンド目 娯楽防衛1周目

 FAZE側のタクティカルタイムアウト直後のラウンドのことです。
 FAZEがウォークインクローゼットからのエントリーが二人(そのうち一人はディフューザー持ちで、そのまま娯楽へのエントリーを試みます)で、リビングからバーにエントリーを試みるプレイヤーが二人、図書にピークをし突き下げをさせないプレイヤーが一人という、ラッシュのようなセットプレイを行います。

 つまり二人で娯楽を制圧してそのままプラント、他の二人がリビングからバーにエントリーしてバーをせん滅、残りの一人が図書を取りに行くという配置図だったわけです。

 しかしリビングにいたBravaがスモークグレネードをミスして十分に射線を遮ることができず、本来スモークで消えたはずの射線を消すことができませんでした。
 その結果ウォークインからエントリーした二人のFAZEのプレイヤーは、TLが組んでいたダイニングの通路と図書階段のプレイヤーとのクロスに狩られてしまいます。

 その後3 vs 2で不利となったFAZEですが、このときのTL側の選手であるreesetz選手の立ち回りが非常に上手く、一人でピークをせずにPaluh選手のカバーが到着するまで体を隠し続けます。
 そしてPaluh選手が到着し、二人で撃ち合える状況になったタイミングで撃ち合い、このラウンドはTLのものとなりました。

 このラウンドは言葉で説明するよりも実際の動画で見ていただけると、TLの上手さがよく表れていて、非常に面白いです。
 特にresetz選手の立ち回りは注目しておかないと見逃してしまうので、要注意です。

4ラウンド目 キッチン防衛2周目

 2周目のキッチン防衛は、TLがオープニングキルを獲得します。
 これによりFAZEはラウンドの序盤からリプランをする必要があります。
 FAZEのようにセットプレイを行いたいチームに対しては、このようなワンピック拾う動きが非常に有効です。

 しかもキッチン防衛は二階をとりきれなければプラントを行うのが非常に難しい拠点です。
 これは二階のキープや平面のカバー射線と、必要な射線が多いためですね。

 このラウンドでは二階をキープしているFAZEのプレイヤーはピアノにいたTLのNesk選手に撃ち込まれることで機能しなくなり、リビングからの平面カバーは地下からの裏どりをされて倒されてしまいました。

 FAZEはTLの動きに全く対応できず、エリアはとれているのにその先に進めずに負けているのです。

5ラウンド目 二階防衛2周目

 FAZE側がここで思い切った選択をします。
 エリアをまともにとらずに現地に直接射線を敷くことでTLの動いている選手をロックで倒します。
 そして4 vs 3の数的優位をとった直後に現地のベッド大窓ラぺをしているカピタオが一人でラペエントリーします。

 正直、ここで単独エントリーしてしまうのはリスクが大きく、メリットが少ないので正しい判断であったかどうかは一考に値します。
 なぜなら味方のカバーができない位置であるため、孤立したカピタオは一人で現地の中で生き残らなければならないからです。
 しかもカピタオが一人で現地にいることで他の味方は動きやすくなるどころか、むしろ動きにくくなってしまいますからね。

 そしてカピタオが倒されてしまい3 vs 3。FAZEは数的優位を手放してしまいました。
 そして3 vs 3でも上手いのはTLで、各々のプレイヤーが抑えておくべき扉と窓を決めておき、そこをピークしたりロックしたりして確実に抑えていました。
 つまりチーム全員で互いの背中を預けることですべてのエントリーを管理し、FAZEの孤立した動きをしっかりと抑えられていました。

 6ラウンド目 地下防衛2周目

 2ラウンド目のときのようにTLが複数人で同時にピークをして攻めを破綻させます。
 言葉で説明するよりも動画で見たほうが簡単に理解できると思います。

 なのでここでは別の角度から検証してみましょう。
 なぜTLはチーム全員で同時ピークをする必要があったのか?
 確かに味方とタイミングを合わせた同時のピークをすれば撃ち合いに勝てる確率は高くなります。
 しかしラウンド差が優位で時間も1分ほどしか経過していない時に、わざわざ撃ち負けるリスクを犯してまでピークをする必要は本当にあったのでしょうか。

 さてシンキングタイムです。自分なりの答えを見つけてから以下の内容を読むことをお勧めします。
 それではシンキングタイム、スタート!!!!


 みなさんそれぞれの答えを考えられましたか?
 それでは答え合わせにいきましょう!!



 答えは少し難しいかもしれません。
 TLの選手たちは爆弾拠点に3人、ローミングに2人という配置となっていました。
 このまま敵の攻撃を待ち受けてしまうと、ローミングに出ている2人がロックだけで抑えられてしまい十分に機能できなくなる可能性が高いからです。

 爆弾拠点に帰って味方と合流することも可能ですが、それではエリアコントロールでの優位を敵(攻撃側のFAZE)に手渡すことになってしまいます。
 確かにラウンド差が優位で余裕があるのはTL側なので、FAZE側に攻撃をさせて相手のミスを待つこともできるかもしれません。

 しかしTLはそれ以上に理想的な答えを導き出しました。
 それがチーム全員でピークをして、敵の作戦を根本から破壊し尽くすことでした。

 しかもラウンド差が5対0と圧倒的で、次のマップは敵のピックマップです。
 このラウンド優位を活かしてアグレッシブなピークをすることで、ラウンドの序盤で攻めを破綻させ、FAZE側に自信を失わせることができます。

 esportsの競技シーンではメンタルが勝利への重要な要因の一つとなります。
 なので自分たちに優位が訪れた場合こそ、リスクを取って敵の作戦を破壊することが大切です。実際にTLはこれ以外の試合でも同様の行動を行っています。

 とはいえ今回のラウンドに関して言えば、リスクとメリットを天秤にかけ たときに、TLの判断は理にかなっていると考えられます。
 つまりリスクに対して十分すぎるメリットが返ってくることが見込まれていた、ということです。


8ラウンド目 娯楽防衛1周目

 7ラウンド目は割愛。エントリーを待って、エントリーしてきたプレイヤーをしっかりクロスで対処するFAZEの姿は映像で見ると非常に綺麗で勉強になります。
 ぜひ各自で見てください!

 さて8ラウンド目ですが、TLはダイニングからのスニークエントリーでワンピックを拾います。
 このスニークエントリーが非常に面白い。

 FAZEは爆弾拠点であるバー・娯楽の真上にある図書とリビング二階にリソースを多分に割いています。つまり爆弾拠点の真上のエリアを守り切りたいわけです。
 なのであまり広いエリア制圧はせずに、図書とリビング二階と現地にリソースを割いて、必要最低限のエリアコントロールで防衛を行おうとしています。

 実を言うと、7ラウンド目のキッチン・ダイニング防衛の際にもFAZEは重要なエリアにリソースを固めるという、8ラウンド目と同様の防衛方法をしていました。2ラウンド連続で似たような防衛方法をしているということです。

 それに対しTLは神対応します。
 今度のラウンドではリソースが多いエリアを取りにいかず、それ以外のあまり重要でないエリアからエントリーをしてワンピックを拾ったのです。恐るべしTLの対応力…

 しかしこの後にTLは図書を取りに行くのですが、そのときにドローンを回さずにエントリーをしてしまい、人数差が縮んでしまいます。
 ここではしっかりドローンを回して、自分たちのデスを抑える動きがあっても良かったと思います。
 とはいえ、Lagonisがしっかり1vs1を制するので、問題はないのですが。
 Lagonisのクラッチにより1stマップはTeam Liquidのものとなりました。スコア差は脅威の7-1です…


  いかがでしたでしょうか
 上手く解説できていましたか?
 不安な気持ちが残っていますので、良ければ感想等を残していただけると幸いです。ここまでお付き合いいただきありがとうございました!!

P.S.たくさんのいいね、リツイート、フォロー等々、本当にありがとうございます! 拙文を書いてしまうこともあるかと思いますが、今後ともよろしくお願いいたします。

次回の記事はこちらから

Liquidチーム連携でFAZEを圧倒!┃BLAST R6 MAJOR COPENHAGEN | The Finals | Day 2

記事が完成した後にURLは有効になります。次回の記事が投稿されるまで今しばらくお待ちください。


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引用元


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