フットケア学会レポート③

浮腫を再考する。

私達、医療者が症状を軽減する、症状が軽減した。という事だけに、着眼しがちな浮腫ケアですが、私は患者さん自身が、自ら対処し、どの様に暮らしているかという点についても注目すべきメリットがあると考えています。

今回紹介した事例は
・浮腫がドンドン酷くなっていく中で、どうして良い
のかわからず過ごした方
・毎日ケアは出来なかった
・浮腫自体が細くなる事は無かった

結果
・ご本人は浴槽を跨ぐ事が出来る様になった
・家事など出来る事が増えた
・母親として役割を果たせる様になった

浮腫が減るという事には至らなかったものを提示したのですが、私達医療者が浮腫を減らすという点にとらわれると、患者さんの行動自体を肯定的に捉えること、支援者の介入自体を肯定的に捉えることが難しくなってしまう可能性がある様に思います。

つまりは、支援者側の健康観に影響を受けないということがメリットです。

私達は自立や自己管理という強い概念を押し付けるのではなく、対象者が医療者やその他の支援者、家族、患者同士に頼れる環境を調整し、自ら対処しながら、安心して暮らせる事を支援する。

これが私達に求められていることでは無いかなと感じています。

他の登壇者の方の発表も新しい知見や、他領域での浮腫治療ケアの実際も知り参考になりました。特にエコーでリンパ管の機能を評価するという点については、もっと詳しく知りたい内容でした。

総合討論は中止になってしまった事が惜しまれますが、良い機会をいただきありがとうございました。

#リンパ浮腫
#日本フットケア学会
#世界リンパ浮腫デー2019

──お知らせ──
世界リンパ浮腫デー2019
今年日本では2回目となる「世界リンパ浮腫デー」のイベントを開催致します。
リンパ浮腫のミニ講座、リンパ浮腫経験者による講演、製品展示会(一部製品の試着が出来る様に手配中です)