北海道を造ったエドウィン・ダン
序章
明治維新後に始まった北海道の開拓。
それを語るのに絶対に欠かせない一人の人物
それは、アメリカ人のエドウィン・ダンです。
彼は北海道の開拓だけでなく
日本全土を開拓したと言っても過言でない人物。
北海道黎明期に重要な役割を果たしたエドウィン・ダン
皆さまは、北海道開拓と聞いて、どの様な事を思い浮かべるでしょうか？
北海道大学の前身、札幌農学校の開校。
クラーク博士のboys be ambitious
開拓を同時に行った屯田兵
まぁ、道産子の私を含めても、大した知識が無いのが現実です。
北海道開発には、一人のアメリカ人が重要な役割を果たしています。
1873年、24歳で来日し日本に永住する事になる
お雇い外国人のエドウィン・ダンです。
1873年、彼が24歳の時に14台の貨車を用いて
92頭の牛、100頭のめん羊、農耕具を持って来日しています。
エドウィン・ダンの功績
彼の日本で成し遂げた功績は多岐にわたりますので
乱暴に省いてランダムに記載いたします。
酪農振興
エドウィン・ダンはお雇い外国人として
北海道はおろか、日本の酪農の父と呼ばれており
その功績は本当に広範囲にわたっています。
その功績はあまりに膨大なので、箇条書きで
・農畜産の技術指導
・乳肉牛、種馬、めん羊、豚の輸入
・飼育管理の指導および品種の改良
・獣医学・解剖学の講義および指導（日本初の獣医学者）
・牧草の採種試験を実施
・畜力農機具の採用
・北海道での新品種の播種(はしゅ)、
栽培（麦・甜菜(てんさい、砂糖ダイコン)・馬鈴薯・りんご等）
・輪作営農の必要性を提言
・屯田村の農業経営設計
・大小麦、エンバク、馬鈴薯、キャベツ、スエーデンかぶの耕作奨励
・ビート、亜麻、ホップの耕作開始
・果樹、いちご、ぶどうの栽培上の協力
・化学肥料の必要性の提言
真駒内種畜場の建設
1877年、エドウィンダンによって建設された牧場。
彼はここを畜産技術改良のための拠点とし、牛、豚、馬を飼育、100ヘクタールの飼料畑を整備し、バター・チーズ・練乳の製造およびハム・ソーセージの加工技術を指導した。1886年に北海道庁が管轄する真駒内種畜場となった後も、北海道における畜産技術研究の拠点となった。1946年に進駐軍により用地を接収されましたが
ここを原点として北海道立総合研究機構農業研究本部畜産試験場へとつながります
真駒内用水路の父
今も札幌に残る真駒内用水路は札幌初の疏水。
建設推進したのはエドウィンダンです。
後に札幌の水田にも利用されています。
エドウィンダンが作った活躍した当時の真駒内牧牛場(真駒内種畜場)は、飼養頭数の増加に伴い地下水だけでは家畜用水が不足したため、彼は1879年、真駒内川に水源を求め、全長約4kmの用水路を建設しました。水路底を木の厚板で装工した。併せて家畜の肥料粉砕のための水車小屋も建設した。
1894年、米需要の増大を受け、当時の北海道庁では米生産を推進しました。栽培に必要な水は、真駒内用水路も利用されてます。
結果的にエドウィンダンの功績は、北海道の米の生産にも貢献していることになります。
アメリカ公使として
エドウィン・ダンは1882年に、日本の開拓使廃止に伴い、退職し帰国していますが
日本のアメリカ外交官として1884年に再来日。
1893年に公使就任となっての実績は、1894の日清戦争の講和条約締結への貢献
この貢献は、中立の立場のはずの講和にて、日本側の有利な形での締結です。
日本石油との関係
公使退任後の1897年には
スタンダード石油の子会社、インターナショナル石油を日本に設立。
新潟の直江津に工場を作りましたが
スタンダードの方針により直江津工場は日本石油、現在の新日本石油に売却。
実は日本の石油産業にも関わっていたエドウィンダンでした。
日本競馬会の父
エドウィンダンは
日本競馬会の父としての称号を与えられていますが
これまで、直線距離で競われていた競馬を
現在のオーバルコースで開催。
そりを馬に引かせ、力と速さを競うばんえい競馬。
この馬競争もエドウィンダンが始めたものが源流となっております。
その跡は、ばんえい競馬に見られますね。
当然ながら、競走馬の育成
日本産と洋産の馬の交配
馬の去勢手術の奨励
北海道日高地方が馬産地としての地位を確立させていったのも
エドウィンダンの功績です。
最後に
これまで述べた通り、日本に対するエドウィンダンの功績は
大きなものです。
それに比較して、エドウィンダンが日本国内で語られることは少ないですね。
一生を日本に捧げた彼に対し、数か月しか居なかったクラーク博士が多くの人に知られていると言うのも不自然です。
これを機会に、多くの人が、エドウィンダンの功績を知る事になれば幸いです。
キャスでもやってます
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