M12.Renaissance

PUNPEEというラッパーの名曲、『Renaissance』です。
もしかすると、あなたはPUNPEEを「『ODDTAXY』のテーマ曲を歌っている人」として知っているかもしれません。知らないかもしれません。

PUNPEEはあまり韻を踏まないラッパーです。RHYMESTERの時に「ラップとは韻を踏むこと」という狭い定義を説明したのは今回のための前振りです。
ラップとは必ずしも韻を踏みません。
ラップの大切な要素に「フロウ」があります。簡単に言えばメロディ、節回しのことです。メロディや節回しで音楽を高揚させていきます。
・・・それは普通の歌でも同じ説明ができるのでは?
だから、本当のところラップの定義を私はいまいちわかっていません。
ただ、PUNPEEは間違いなく、ラッパーです。

PUNPEEは宇多田ヒカルや星野源との共演でも知られ、ヒップホップではない界隈でもとても有名になってきました。
私がPUNPEEを知ったのはRHYMESTERのアルバムに参加したことでした。『Bitter,Sweet & Beautiful』というアルバムにプロデュースやラップで参加をしていました。RHYMESTERは日本のヒップホップ界での言わずと知れたレジェンドですから、そのRHYMESTERが決して小さくない役目にPUNPEEを起用したことはとても興味をそそりました。

PUNPEEの出世作と言いますか、名刺がわりの曲が『Renaissance』と言えると思います。
彼のラップはとても聴き取りやすいので、一聴して何を言っているかわかるのではないでしょうか。物作りの秘訣、と言うとあまりに安易で薄っぺらくなってしまいますが、閃きや気付き、クリエイティビティの全てが詰まっていると言える一曲です。
ラッパーであり、ビートメイカー(ビートとは、ざっくり、「ラップを乗せる音楽」のことだと思ってください。)でもある彼は当然、物作りをする人間の1人です。
彼は「我ら偉大で滑稽な暇人」とボースティングをして、エジソンもアインシュタインもレノンも暇人だと言います。

暇であることは、物事に向き合う時間があることに他なりません。
何をすることも、何をしないこともできます。

暇。

暇。

暇。

暇をあなたはどう捉えますか?


さて、ここで引き合いに出したいのがBase Ball Bearの『HUMAN』です。
『HUMAN』の中には、こんな一節があります。

「「暇」というネガティヴの原因に気付けずに落ち込む人や」

そういう側面もあるなあ、と頭を抱えます。
「暇」は良くも悪くも「暇」でしかありません。
向き合う物事の良し悪しもそれぞれです。
「暇であればいい」というわけでもないのです。当たり前だけど。ちなみに『HUMAN』は「ヒューマン」と「不満」のダブルミーニングとなっています。

今後の予定がまっさらだけれど、何かしらで無理くり埋めていったほうがいいかもしれない、いやそのままでもいいかもしれない、と逡巡する今日この頃です。


それでは、また。あなたを愛しています。

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