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ソクバッキーな彼女、ぞのバッキー

玲:ねぇ○○?



日曜の昼、同棲中の彼女に呼ばれる





○○:ん?どうしたの?



玲:最近さぁ…







玲:私への愛、足りてなくない?



○○:…はい?





付き合って3年目



玲への愛なんて減ることを知らず、増える一方だと思っていたのに玲からそんな事を言われた





玲:私たち付き合って3年目でしょ



玲:だから徐々に薄れつつある私への愛を測りたいって思ったの


○○:いやぁ…愛なんて別に測るものじゃなくない?



玲の纏う雰囲気に少しだけ怖さを感じていると





玲:えっ…もしかして私のこと否定しようとしてる?


○○:えっ!?違うよ!否定はしてないよ!



玲がどんどんメンヘラになっていく





玲:とりあえず、私は○○の私への愛がどれぐらいあるかを知りたいの



玲:だから今から私が問題を出すから私への愛で全部正解してね



玲:じゃないと私………ね、



○○:…はい



後ろに回した手で握るカッターが目に入る





玲:まず第1問



玲:先週、私はあるところに行きました、それはどこでしょうか?


1問目から難しい問題で頭を抱える


○○:…先週


玲:…もしかして分からないの?


○○:いや!待って!


休日ボケした頭をフル回転させる




う〜ん…


はっ!そういえば、普段よりもオシャレをしてた気がする


玲がオシャレする時はだいたい、好きな人と会う時


ていうことは…


○○:分かった!小林さんと遊びに行ってた!




玲:……


玲のジッとした視線が突き刺さる


そして何も発することなく自室に行き、1枚のパンフレットのようなものを持ってまた戻ってくる




パサッ


そう音を立てて置かれたものを見ると、


○○:…結婚式場?


目の前に見える文字をオウム返しのように読みながら、玲の方を見る


玲:そう、先週の日曜日に私たちがいずれ挙げる結婚式の式場下見に言ってたの


さも当たり前かのように淡々と話す


○○:…式場下見ってまだ早いんじゃない?


止まらない玲への恐怖で背中から汗が流れる




玲:なんで?近い将来、使う場所だよ


玲:早めに下見に行くのも大事だよ


○○:…でもやっぱり下見なら2人で一緒に行った方が良くない?


玲:あっ、それなら大丈夫


パラパラとパンフレットを捲る




玲:○○のお父さんとお母さんと一緒に行ったから


○○:へっ?


思ってもいないところからの攻撃で間抜けな返事しか出なくなる


○○:…母さんと父さんと行ったの?


玲:うん


玲:あっ、あと理子ちゃん…だっけ?


玲:理子ちゃんもここの式場がいいってさ


まさかの家族全員を使って外堀を埋められる


玲:楽しみだね!ここで結婚式するの


○○:あはは…そうだね


いつもなら可愛く思える笑顔も今ではただの恐怖でしなく、乾いた笑いが漏れる




玲:まぁ、1問目は不正解だね


玲:○○のこと信じてたのに…


玲:まぁいいや、第2問に行くね


地獄の問題がまだ続く




玲:この前、○○は自分のカバンの中からGPSを一つ見つけました


玲:そこで問題、○○に仕掛けたGPSはあと何個あるでしょうか?


○○:……


あまりの衝撃的問題に言葉が出ない…




○○:…GPSってあれだけじゃないの?


玲:さぁ?他にもあるかもしれないし、ないかもしれない


玲:ほら、探しておいで


立ち尽くす僕の背中を押しながら、玲が僕を自室へと連れていく




○○:はぁ…


扉が閉まり、1人になった部屋の中でため息をつく


付き合った時から少し嫉妬深いところはあったけど3年の月日の中でここまで成長しているとは思わなかった…


○○:…探すか


さすがにGPSがあってはプライバシーもくそもないので、部屋にあるカバンやリュックや上着類を隈なく探す






○○:…5個もあった


途中、玲に急かされながらも30分ぐらいの格闘の末に5個のGPSを見つける


それを持って、玲がいるリビングに戻る






○○:2問目の正解は5個だ


食卓の上に見つけたGPSを置きながら、答えを言う


玲:おー、5個もよく見つけたね


玲:えらいえら〜い


隠していたGPSを見つけられて嬉しそうな玲に頭を撫でられる




○○:…//



…玲に頭を撫でられて嬉しく思った僕はもうこの玲の異常な愛に慣れてしまったのかもしれない




○○:…それで答えは?


ドキドキしながら玲からの答えを待っていると、




玲:ん〜、ないしょ〜!


えへへ、っと笑う玲


玲:でも5個も見つけられたのは本当にすごいね!


褒められた嬉しさとまだ残っているかもしれないという恐怖が二律背反していると




玲:さいしゅ〜もんだーい!


高らかに宣言しながら、握り拳を天高く突き上げる


玲:これが最終問題だから、最後はちゃんと正解してね


○○:…わかった




玲:では問題です!


喉がゴクリと鳴る


玲が複数の写真を机に置きながら


玲:可愛い可愛い彼女がいるのに、毎日のように後輩や同期とお昼ご飯を食べに行っている浮気者の彼氏に待ち受けるお仕置はなんでしょうか?




○○:これって…


後輩や同期と2人で歩いている俺の写真が何枚も玲から出てくる


玲:さっきの問題で分かったと思うけど、○○の行動はGPSで見てたから知ってるよ


玲:これは同期の田村さんと…こっちは守屋さん


玲:それに後輩の谷口ちゃんと…山下ちゃん


玲:毎日毎日、色んな女の子とご飯行って楽しそうだね!


至近距離で笑う玲


でも目は笑っていない




○○:…これはその


玲への言葉を紡ごうとしていると、口元に人差し指を突きつけられる


玲:○○が答えていいのは、問題の答えだけだよ


○○:…問題


玲:可愛い彼女を裏切る浮気者に待っているお仕置とはなんでしょうか?


○○:…裏切っては!


玲:だから、○○が話していいのは問題の答えだけだって


○○:…はい




玲:○○は…どんなお仕置されたい?


耳元で囁かれる


スッと通り抜ける玲の声に身体中の力が奪われる




○○:俺は…


答えに悩んでいると


玲:ターイムアップ!


玲に思考を阻害される




玲:そもそも、浮気者に選択権なんか与えるわけないでしょ


玲:○○が出来ることは、玲ちゃんからのお仕置を受け入れることだけだから


いつの間にか手に持っていた手錠をチラつかせる


玲:大丈夫だよ、痛くはしないから


玲が僕に抱きつく


玲:私ね…暴力は嫌いなの


玲:○○に傷ついてほしくないから


少し背伸びをしながら玲が僕の耳に舌を這わす


玲:でも、私を裏切った罰は受けてほしいの


玲:だから…


僕の胸元に自分の耳を押し当て、


玲:身体は傷つけず、心をぐちゃぐちゃにしてあげる


玲:二度と私を裏切れないようにね


手に持っている手錠を使わずに、僕の心を縛り上げた玲




玲:ふふっ、寝室行こっか


僕の左腕、そして自分の右腕に手錠を繋ぎ、手錠の鍵をリビングに投げ捨て寝室に向かう玲




長い長いお仕置を受け、身も心も玲に繋がれ囚われた僕


それでも心地良さを感じ続けていた僕はもうとっくに玲に縛り上げられていたのかもしれない



○○:メンヘラでソクバッキーな玲も悪くないな…



fin…

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