【何故消した】バトルグラウンドにおける『クトゥーンの侍祭』に関する考察【返せ】
お気持ち表明
2022年6月28日、バトルグラウンドプレイヤーの皆様、並びに私を含めた全世界のクトゥーンの侍祭ファンにとって大変残念な出来事が起こってしまいました。
バトルグラウンドのミニオン入れ替えに際して、あろうことか『クトゥーンの侍祭』が削除されてしまうというあってはならない事件が発生してしまいました。
確かにこのミニオンは仇討環境においてその時点ではほぼ対処不可能な理不尽な盤面を作られることを助長していたり、グレード1のミニオンとしてはスタッツが頭一つ抜けており、それが看過されずにグレード2に変更されてしまうなど、幾つかの問題こそあったものの、それ以上にゲームに及ぼす影響は大きく、このバトルグラウンドにおいても戦略の幅を大きく担っていたミニオンであると考えている。
そもそも当記事では序盤の役割こそ失われたものの、依然として中盤・終盤では活躍できるミニオンであると考察していたため、それを削除する行為はバトルグラウンドにおける戦略性の幅を大きく損ねる行為であると同時に、これを強く糾弾しなければならないと感じた。
以下は、このミニオンの削除における各構築の変化について考察する。
①仇討関係/マーロック構成
仇討関係に関しては、言わずもがな効率が低下した。
マーロック構成においては、『SI:セブリ』やマーロックを守りつつ、仇討を稼ぐために一時的に使われることがあったが、これによって猛毒の付与の効率が大きく下がったのではないかと感じた。
②海賊・荒くれイライザ構成
このミニオンを複数体並べて堰き止めるという対策があったため、このミニオンが消されたという点は対策したい場合に非常に痛い。
①『クトゥーンの侍祭』とは
クトゥーンが呼んでる・・・
グレード2、2/3、挑発、蘇り。
(2022/3/18を以てグレード1、2/2、挑発、蘇りから変更されました)
ゴールデンはスタッツが2倍の4/6になる。蘇りはそのままで、蘇る数は倍にはならない。また、ルール上「蘇りは重複しない」ため、リッチキングのヒーローパワーを適用しても意味はない。(そもそも対象に取れなかったかもしれない)
中立であるため、種族シナジーの影響を受けられないというデメリット(ただし、状況次第ではメリットにもなり得る)と、他のグレード1ミニオンと比較した場合に2/2+2/1という、総合的なスタッツが優れてい「た」というメリットを併せ持っている、絶妙な塩梅のミニオンである。
上述の通り、後述の仇討等も相まってついにグレード1であることが許されなくなってしまい、グレード2へと変更されてしまった。
このミニオンは中立であるため卓によっては登場しないということもなく、全てのマッチアップにおいて見られるミニオンである。またグレード1では唯一BANの影響を受けないミニオンであった。
カードプールの見直しにより、『ドラゴンスポーン将校(ドラゴン)』と『卑俗なホムンクルス(悪魔)』が削除されたため2021/09~2022/3の間ではグレード1唯一の挑発持ちミニオンであった。
グレード変更による評価変更
「グレード1としては優秀なスタッツ」だけだったならまだしも、やはり「仇討との相性の良さ」が看過できなくなったのか、グレード2への変更が決定した。事実上のナーフではないかと考える。
これにより初手に『クトゥーンの侍祭』を取れた時に5G目に『クトゥーンの侍祭』を売りたくないという理由で、「4G目にグレードを2に上げずに1ピックし、5Gでトークンや甲板磨きを絡めて1ピック+グレ2上げ」といったプレイングの利点が大きく損なわれたのではないかと感じる。
また、同時期に「トークンミニオン」の一体である『マーロックのタイドハンター』が削除されたことから、5Gで安定して2体取れるヒーローと取れないヒーローの格差が余計に開いてしまったのではないかとも考える。
また、グレード2に変更されたことにより「グレード1唯一の挑発持ちミニオンであった」という大きなアイデンティティが失われたのは非常に痛く、グレード2の『下水ネズミ』『禁固番』といった同じく仇討との相性が良いミニオンと衝突してしまうようになった。
グレード2では「無種族」という点が痛く、「種族シナジー」や「『狂暴なサウロリスク』を理由にした断末魔ミニオンであること」が活かせる状況下ならばあちらの方を優先的に取りたいだろう。
②クトゥーンの侍祭の基本的なポテンシャルとして:初動
グレード2に変更されたことにより、序盤の役割は大きく失われたのではないかと考える。
「BANされない序盤にちょっぴり強いだけのミニオン」なら、わざわざ記事にする必要は当然なく、このミニオンは中盤、終盤においても大いに活躍できる可能性を秘めていることから、記事にまとめるに至った。
③基本的な活用方法 其の壱「攻撃を2回受けられる挑発」
挑発+蘇りということはつまり、「相手の攻撃を2回受けることができる」ということなのである。これによって、「自分がその構築でやりたい事を確実にやれるように、他のミニオンを敵のミニオンの攻撃から守る」という役割があるのである。
例えば、断末魔を軸にした構築の『バロン・リーヴェンデア』など、先に倒されると戦況が大きく不利になるミニオンを守るといった方法ができる。
スコージが貴様を葬るであろう!
また、疾風持ちのミニオンを一体で受けられるという点も見逃せない。(メガ疾風は諦めてください)
また、《イリダン・ストームレイジ》のヒーローパワーによる先行二回攻撃や《風の王アラキア》のヒーローパワーの疾風付与による二回攻撃も受けることができ、先行で盤面を壊滅させられるといった事態もある程度軽減できる。
(こいつにはよくカモられてたんですが、削除されました。やったね!)
他に単体の能力で敵の攻撃を2回以上受けられる挑発ミニオンとしては
『マジウザ・オ・モジュール』(グレード4、メカ)
『ヴォイドロード』(グレード5、悪魔)
の2体が挙げられるが、
・これらのミニオンは種族持ちなのでBANによっては登場しない
・そもそもグレードが違う
といった点で既に差別化はできているのだが、更にこれらのミニオンがBANされていない、もしくはピックでき得るグレードにいるという状況下においても『クトゥーンの侍祭』は
『マジウザ・オ・モジュール』は攻撃一回分を聖なる盾で受けているため、『不安定なグール』との共存が難しい点
『ヴォイドロード』は断末魔であるため、『インゴウインコ』によって強力な断末魔を複数回発動させる構築との共存が困難な点
という、『クトゥーンの侍祭』と比較した場合のデメリットが少なからず存在している。
④基本的な活用方法 其の弐「死亡数稼ぎ」
物騒な話このミニオン、「2/2とお手頃なスタッツ」「挑発持ち」「蘇り」の3つの要素が揃っている為、簡単に死ぬことができる。
アップデート前は『キラジの先遣者』というミニオンとの相性が抜群で、よく併用されていたが、非常に残念なことにアップデートで削除された。(1位を取るというよりは、4位以内に入れるまで生き残るという目的の方が強い構成だったのではないかとは思う)
(キラジ・・・お前はいい奴だったよ・・・)
だが、代わりに「仇討」という味方が一定数死ぬと発動する効果を持ったミニオン達が登場し、そちらとの相性の良さから新たなる活躍の場を獲得。もちろん挑発持ちなので、それらのミニオンを守るという役割も大きい。
これらのミニオンは、グレード3~4帯に集中しているため、『クトゥーンの侍祭』はこれらのミニオンのサポートとして、中盤も活躍できる。
というか率直な話、「クトゥーンの侍祭」の価値のほとんどはこの「仇討」というシステムに在ると言っても過言ではない。
ここでも、前項で挙げた『マジウザ・オ・モジュール』『ヴォイドロード』とのグレードの違い(あれらはそもそもグレードの問題で間に合わないことも多い)点が光る。
仇討の皆さま
萌芽の栽培家(グレード3、中立)
バフ対象を種族で選ばないというのがミソで、聖なる盾持ちは言わずもがな、キルボアBANの際に『バロン・リーヴェンデア』を強化できるのは大きい。理不尽なことに、クトゥーンの侍祭と一緒に削除されてしまいました。
愛鳥家(グレード3、中立、獣が登場する時のみ登場)
使ってみたら予想以上にヤバかったやつ。主に中盤にネズミ軍団と共に理不尽を叩きつけてきます。なんでナーフされなかったの・・・
終末通予言者(グレード4、中立、悪魔が登場する時のみ登場)
仇討実装黎明期の悪夢。(多くのプレイヤーの魂を悪魔に捧げさせてきた、罪な女)⇒ナーフされました。でも仇討は3で良かったと思うのよ。
閃光のライトスポーン(グレード4、エレメンタル)
グレ4発見が強い理由の一つ。なんでナーフされなかったんですか?→攻撃力がナーフされました。
魔女の翼の巣母(グレード4、中立)
上級者向け。グレ6まで行けばアマルガドンを期待できますがそこまで到達するのがとても難しい。気軽にコインを捻出でき、あわよくばミナジェリのジャグだの種族シナジーを生かせるくらいに考えた方がいいかもしれない。
メカーノ戦車(グレード4、メカ)
(めっちゃ楽しい)→ナーフされました。
SI:セブリ(グレード5、マーロック)
諜報員なのに出張族。マーロック構成じゃない時でも猛毒持ちが欲しいときはよく出張している。ナーフされました。
白いクロコリスク(グレード5、獣)
母熊と共に獣がいる場合にグレ5発見が強い理由の一つ。発見がどちらかにヒットすればそこから獣構築の基盤を作れる。断末魔でトークンを出すミニオンを大量に採用している獣構築の場合はあちらより強力な場合もある。
二本牙のトニー(グレード5、海賊)
「フーンフッフッフ、これぞ人生サー!」
なかなか上手く行かないことも少なくない、そんな人生を体現したようなミニオン。仇討が5から4へ緩和されたことによって、「海の荒くれ」or「クトゥーンの侍祭」の2枚でゴールデンを作りやすくなった。それにしても、懸賞金が異常に低そうなお名前でいらっしゃる。
(逆に《炎の王ラグナロス》のヒロパを進められる可能性があったりはするのだが、現状はその為だけにこのミニオンを取るべき状況で取らないという選択はまずありえないので、気にしなくても良いのではとは思う。)
わかりますか?この「重み」が・・・
【解説】
①仇討(3)で両隣のミニオンに永続バフをかける『萌芽の栽培家』と、バフをしたい両隣の『バリバリサイクロン』を守ることができる。
②左端の『甲板磨き』と蘇り分を含めた『クトゥーンの侍祭』が死ぬことによって仇討のカウントが3進むので、『萌芽の栽培家』の仇討が発動する。
つまり、挑発と蘇りの組み合わせが大いに活きている状態なのである。
※『クトゥーンの侍祭』の配置は『甲板磨き』の右隣。
⑤このミニオンの真価をより引き出すには:終盤での活躍
先述の通り、このミニオンは「初動で安定したスタッツを持つミニオン」「中盤で仇討を効率的に発動させることのできるミニオン」であることが証明された。最後は、終盤での運用方法となる。
さて、ここで「テックカード」と言えば何が出てくるだろうか。
※テックカードとは特定の構成のコンセプトを破壊し、機能不全に至らせる可能性を持っているカードの事である。多くの場合、それ以外の構築に投げてもただの弱いミニオンであるため、それが覿面であるか否かを見極める必要がある。
『不安定なグール』(グレード2、中立)
ヴェェェェェイ!
例:ジョージ対面やメカ軸など聖なる盾を多用する構成に対して有効
『ザップ・スライウォック』(グレード6、中立)
オレヲチビッテヨンダカァ!?
例:『バロン・リーヴェンデア』や『ケンゴーの弟子』など、攻撃力が低く、場に残っていると後々厄介なことになるミニオンを先に潰しておく
横死の胞子(グレード5、中立)
例:『ザップ・スライウォック』を引き寄せたり相手に大きめの挑発持ちが見えていた時に突っ込ませる
・・・ちょっと待ってほしい。そもそもこの記事は何の記事なのだろうか。そして何故テックカードに関する話を出したのだろうか。そう、そのまさかである。
クトゥーンの侍祭も、テックカードなのである。
上記のミニオンほど明確な殺意を持ったミニオンではないのがが、やはり特定の構築に対して有利な状況をもたらし得る、テクニック次第で八面六臂の活躍をするミニオンなのではないかと思う。その理由を次項に示す。
では、どうやってこのミニオンを活用するのだろうか?
・断末魔持ちを自壊させない
終盤だと、多くの場合何らかの構成が完成している事が多い。テックカードというのはある程度完成した構成にぶっ挿してやるものなのだが、主に『クトゥーンの侍祭』が刺さるケースとして、「相手の断末魔持ちを自壊させない」という点である。
例えばドラゴン構成の『赤のナディーナ』や、カエル軸獣構成の『乗りカエル』、荒くれイライザ構成(海賊)の『海の荒くれ』など、左端に置かれる場合が多く、かつ断末魔が発動することにより相手の盤面が大きく強化されてしまうミニオンを受けることにより、それを阻止することができる。そして相手の盤面が強化される前に先にこちらが相手の盤面を潰しにいくというプレイングによって勝利に近づける可能性が高まる。
勿論、これらのミニオンに挑発が付けられている場合もあるため、そこは臨機応変な対応が必要である。
また、確実に受けるためには他に挑発持ちミニオンがいないことが望ましいため、他に挑発持ちミニオンが要る場合にこのミニオンを置いてもこのミニオンが受けてくれるかは運頼みにしかならないし、弱小なミニオンがいるということは当然戦力的に大きなデメリットにもなりかねない。そのため、他に大きな挑発持ちミニオンが要る場合等はそれらとの兼ね合いも考える必要がある。
(『海の荒くれ』の場合は『悪辣提督イライザ』が2体以上いる場合やゴールデンの場合には『海の荒くれ』の攻撃時に体力が3以上になるため、『クトゥーンの侍祭』で受けることができる)
なお、ゴールデンにしてしまうと受からなくなる場合があるので注意すること。
主な役割対象の皆さま
ハァーイ!
ファッキンフロッグ(ナーフされました)。
南海の船長が帰って来たよ!おめでとう!ついでに攻撃力が上方修正されました。
カタテニフェイ!カタテニフォーチュン!
インコ型は役割対象外なので諦めてください
味方の攻撃の遅延
上述の『オメガバスター』に挑発がついている場合など、相手の断末魔ミニオンが破壊されるのを遅延して相手の動きを破綻させたいといった場合に先頭に置いておく場合もある。この場合も挑発の有無が影響する場合がある。
・ザップ避け
「攻撃力が2」「蘇り持ち」という点で、『ザップ・スライウォック』の攻撃を吸い寄せることもできる。ただし、「一応できる」ということであって、このミニオンが最善の手段という訳ではないことに注意。
同様のことができるミニオンとしてこれらのミニオンが挙げられるが、これらのミニオンは種族持ち(=BANされているかもしれない)のと、こっちは腐っても挑発持ちという点で差別化ができている。(但し、無強化の『バロン・リーヴェンデア』の場合はあちらの方が攻撃力が低いため吸い寄せられないので注意、また『マイクロマミー』は運次第で『バロン・リーヴェンデア』の攻撃力を上げることができる)
また、前述のように『横死の胞子』でも吸い寄せることができるが、「先に『不安定なグール』を自壊させて『横死の胞子』を潰してから『ザップ・スライウォック』を殴りに行かせる」、「《地獄のジョージ》のヒーローパワーで聖なる盾を付与してケアする」というパターンがなくもないので注意すること。
⑥総括
このミニオンを持つ強みをまとめると、
・BANされない
・一体で相手の攻撃を2回受けられる
・仇討ミニオンを守りつつ、カウントを進めるのに貢献できる(主に中盤以降)
・低い攻撃力で相手の断末魔持ちを自壊させることなく受けられる(主に終盤、次の対局相手の構築がある程度確定している時)
という点である。
「クトゥーンの侍祭」はこのように八面六臂の活躍を見せるミニオンであるものの、必ずしもこのミニオンを盤面に置いておいた方がいいという訳ではない。所詮はグレード1の中ではマシな部類のスタッツを持ったミニオンでしかなく、種族サポートも受けられないため他のミニオンとのシナジーを十分に生かせない状況下ではただの小さいミニオンでしかない。そのため、このミニオンの役割を十分に理解した上で適切に採用し、適切なタイミングで売却できるというプレイングが重要なのではないかと感じた。
このように、結果的に終身雇用となったケースもなくはないのだが・・・
おまけ
グレード1時代の初動の評価
1ターン目に採用するミニオンとしてのポテンシャルは、ヒーローパワーを加味しなければ全てのグレード1ミニオンに対して引き分け以上を取れることから、基本的に初手では最も優先的なピック対象となるトークンが取れなかった場合の妥協案としては十二分な選択肢となりうると考えている。また、グレード1では最良クラスのスタッツであることから、グレード4発見を目的として7,8コイン目(5,6ターン目)までグレード1に滞在する場合に、体力を保ちやすいという利点も存在している。(このプレイングの詳細に関しては当記事では割愛する。)また、グレード4発見をする理由の多くは「仇討」ミニオンが目的であるため、その補助として集めておくことにも大きな意味がある。
著者 るなっぺ @LunPage
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