想像の言葉09
無色透明の空気を放つということ。
どんなにその時に悲しい空気があったとしても、いつまでも掴むことは出来ない。
どんだけ頑張って掴もうとしたとしても。どれだけ掴み続けても、既に悲しい空気は無色透明でただの空気なだけだから。
たとえ風船に閉じ込めても、
引き出しに閉じ込めても、
アルバムにすら閉じ込めれない。
悲しい空気は無色透明で、既に放たれているから。
悲しみを掴むことは出来ない。
どんなに努力しても、影すら残らない。
アルバムに残るのは光を拾い集めた記憶だから。
文章を書くのが上手かった祖母は、亡くなる直前に小学生の私に語りかけてくれた最初で最後の想像の言葉。
でも、ただ引っかかりの言葉なだけだった。
あまりにも抽象的で具象的に理解出来なかった。
でも、後にその言葉は粉砕骨折しそうな気持ちだった私を救い出してくれました。
こればっかしは、はなしたくない想像の言葉です。
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