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ClariS「with you」を10年経った今聴くと歌詞に無限の説得力を感じてしまう

まえがき

今月末の2023年6月26日、ある超名盤が発売10周年を迎えます。
そう、ClariSの2ndアルバム「SECOND STORY」です。

2つの「O」が月と太陽になってるのがエモい

2013年6月26日に発売された、待望の2ndアルバム。
「Wake Up」「ルミナス」「reunion」のシングル3曲に加え、今もファン人気の高い多数のアルバム曲を収録した、10年経っても全く色褪せない不朽の名盤。
2012年の秋頃に本格的にClariSにハマった筆者が初めてリアルタイムで発売日を迎えたアルバムということもあって、個人的にも思い入れがメチャクチャ強いです。

・・・10年?マジですか?
その事実だけで失神しそうです・・・。

そんな名盤の10周年を祝わないわけにはいかない!
というわけで、今回は「SECOND STORY」のアルバム曲の中でも特に人気の高いClariS「with you」をご紹介したいと思います。

曲紹介

作詞・作曲・編曲:丸山真由子

2ndアルバム「SECOND STORY」(2013年6月26日発売)に収録。
作詞・作曲・編曲はおなじみの丸山真由子さん。
SECOND STORYはアルバム全体として「四季」がテーマとなっており、6曲目のwith youは後半パート「秋」の始まりとなります。

先日開催されたライブでのファン投票企画(アルバム曲・カップリングのみ)でも堂々5位にランクインした、シングル以外での屈指の人気曲です。

また、この曲はClariS史上初の「アルバムからのシングルカット」「シングル曲以外でのMV作成」がされたことも印象深いですね。

アルバム発売当時のCMでもwith youのMVが使われてて、筆者としてもメチャクチャ印象に残ってます。

※ちなみに発売前バージョン(↓)のCMでは使われていたWake Upが削られてwith youが入れ替わりで入ってます。どこまでも不遇なWake Up・・・。

歌詞

「それぞれの夢を追って別々の道を選び、今は離ればなれになった2人」というストーリーの歌詞。

・・・なんて言ったらいいんでしょう、その後のクララとアリスの運命を予見しているようにすら聴こえてしまって、今聴くと説得力が余計増してしまうというか。
もちろん、この曲がリリースされた2013年時点でアリスの卒業が決まってたとは全然思わないので、偶然の一致でしょうが。

この辺は1stアルバム「BIRTHDAY」の「サヨナラは言わない」「zutto」とかと同じですね。
クララとアリスの中学卒業に合わせての発売だったので「卒業」「別れ」がテーマの曲が多数収録されているのが、今聴くと別の文脈を帯びてしまうという感じで。

あと、1番に「夕暮れ時」(太陽)が、2番に「月明り」がそれぞれ出てくるのも、クララ(月)とアリス(太陽)を連想させて余計に2人のその後の別れと重なってしまいます。

もう考え出すとキリがないというか、結果を知ってしまった今は後付けで色んなことが意味深に聴こえてしまう、という類いの現象なので話半分に読んでもらえれば幸いです。

ただ、クララとアリスのことを抜きにしても、とても切ない曲なのは間違いありません。

では、いつも通り歌詞を1番から順に見ていきます。
※歌詞は歌ネット(https://www.uta-net.com/song/148454/)からの引用

イントロ

溢れ出した ナミダはそっと
澄み切った 夜空の向こう
こぼれ落ちて 願いになる
また会えると信じて

夜空を見ながら涙が溢れ出す場面から始まるのが、この曲の雰囲気を冒頭から決定付けていると言ってもよいでしょう。
「夜空の星の輝き」と「溢れ出した涙の煌めき」が映像としても自然に重なる感じがして美しいです。

「また会えると信じて」といきなり明言されてしまうのが切ないですね。
つまり、今は離ればなれってことですから。

夜空の向こう側にいる君に、私の想いが届くと信じて。
そんな心情も伝わってきてしまいます。

1番Aメロ

色を変えた 10月の街並み
少しずつ 冷たさを纏う 秋風
ひらひら舞う 落ち葉を手に取って
あの日を思い出した 夕暮れ時

この1番Aメロの歌詞については、過去記事でも度々触れて来たので引用だけで充分かもしれません笑

丸山さんの歌詞で特徴的なのが、曲の序盤でこういう季節感や時間帯、主人公が感じてる五感情報(風景・温度・音など)を描写することですね。
もちろん歌詞では当たり前の表現なんですが、ClariSの他の作詞家さんより頻度が多い印象があります。
(中略)
筆者の個人的な感覚なんですが、こういう情報を序盤に描写してくれると、曲の主人公への没入感が高まって歌詞の世界に深く入りやすい気がします。
筆者が丸山さんの歌詞が好きな理由の1つですね。

他の丸山さんの曲では、例えば「with you」だと
・紅葉で色付いた10月の街並み(視覚・季節)
・秋風の冷たさ、手に取った落ち葉の感触(触覚)
・夕暮れ時(時間帯)

付け加えると、「少しずつ冷たさを纏う秋風」という細かな季節感が良いですね。
ただの秋ではなく、少しずつ冬の足音を感じ始めてきた10月下旬頃の季節感が感じられて、詞の世界への没入度がより高まります。

あと、「あの日を思い出した」って詳細を書かないのが良いと思います。
曲全体を通して、歌詞の中で「別れ」って単語は使ってないんですが充分過ぎるほど伝わりますし、「あの日」がきっと2人の別れの日なんだろうってことは書かなくても想像できます。
(実際、続くBメロは別れの場面ですね)

書かなくても伝わる部分はあえて書かない、っていうのが詩のとても大事な部分だと個人的には思うので、こういう余白が好きです。

余談ですが、ClariSは秋の楽曲が数える程しかありません。
このSECOND STORYの秋パートの2曲「with you」「ダイアリー」、そして去年リリースされたハロウィンがテーマの「Sweet Holic」の合計3曲くらいしか明確な秋曲はありません。
そういう意味でも、今年11月の単独ライブが「ClariS Autumn Live 2023」と銘打たれているのはとても気になります。
これらの秋曲をセトリに入れるフラグなのか、はたまた四季のコンセプトミニアルバムシリーズで残り1つとなった秋が出るのか。
いや~なんにせよ楽しみです。

1番Bメロ

遠ざかる二人のシルエット
震えてた君に叫んだ さよなら

別れの場面の「遠ざかる二人のシルエット」。
「震えてた君に叫んだ さよなら」が切ないですね・・・。
気丈に振舞ってた君の手も別れの辛さで震えている、私も想いをぶつけるように全力でさよならと叫ぶ。
この曲の切なさがこの2行に凝縮されているように感じます。

1番サビ

溢れ出した ナミダはそっと
澄み切った 夜空の向こう
こぼれ落ちて 願いになる
また会えると信じて

どうか君は 笑っていて
その夢を 忘れないで
同じ空で 繋がってる
いつだって そばにいるよ Be with you

「どうか君は笑っていて その夢を忘れないで」
それぞれの夢を追って、別々の道を選んだ2人。
個人的にここで大事だと思うのが、「溢れ出したナミダ」なので自分は泣いているけど、どうか君には笑っていて欲しい。
しかもそれを2人で歌うので、お互いがそう思っているように感じられるんですね。

私とは別の道で夢を追うって決めた君を応援しよう。
寂しいけど、前に進む君を邪魔しないように君の前では笑おう。
そして、1人になった後に夜空の向こう側の君を想いながら涙を流す。

自分だけが、そうやって涙を隠して遠くの君を想っている。
そう思ってたけど、実は2人とも同じ気持ちで涙を隠していた、という解釈はどうでしょうか?

その方が2人で歌うことに意味が出ますし、
次の「同じ空で繋がってる いつだってそばにいるよ Be with you」というフレーズにより重みが増すと個人的には思います。

あと、この「同じ空で繋がってる」がサヨナラは言わないの「離ればなれになるけれど同じ星見上げて」をどうしても連想してしまって、やはりどうにもこの2曲は今聴くと勝手に意味深に聴こえてしまいますね・・・。

2番Aメロ

君のいない景色に慣れなくて
一人でたたずむ 坂道の途中

ここも切ないですね~。
坂道を歩いてる途中に、ふと違和感を感じて立ち止まって。
「ああそうか、もう君は居ないんだな」って急に実感してしまって、遠くの君に想いを馳せている。
そんな光景が目に浮かびます。

あとここ、同じ丸山さん曲(作詞はClariSですが)のzuttoの「あなたのそばにいたかった まだ少し戸惑っている」と凄く重なりません?
・・・ダメですね、クソデカ感情で妄想が止まらなくなってきてるのでこの辺でやめときます笑。

2番Bメロ

月明り 見透かす心
寂しさは この季節のせいかな

自分が隠している寂しさが、月明りに照らされて見透かされているよう。
この寂しさは、秋の季節のせいだと思いたい。

1番が「夕暮れ時」で2番が「月明り」なので、さりげなく時間が経過しているのも歌詞のストーリー性が高まって良いですね。
かつ、それが太陽と月というのが何とも・・・。

2番サビ

向かい風の中で今も
消えないで 煌めいてる
その笑顔が その言葉が
背中を押してくれた

どうか君は 輝いていて
そのままで 変わらないで
傷つくこと 恐れないよ
途切れない 絆がここにある

別々の道を1人で歩くことになって、様々な困難(「向かい風」)に1人で立ち向かっている。
そんな中でも、君の笑顔が、君の言葉が、私の背中を押してくれる。
どうか、私が大好きだったあなたのままで、離ればなれになっても変わらないで。

1人でも、傷付くことを恐れないで前に進み続けるよ。
途切れない絆がここにあるから。

・・・ふぅ、切ねぇ。(何回目だよ)

Dメロ

孤独も不安も 両手で抱きしめて
二人のストーリー ここからまた始まる
それぞれの場所で

「二人のストーリー ここからまた始まる」で再会したのか!?っと一瞬期待させて、即座に「それぞれの場所で」を続ける残酷さ。
上げて落とすスタイルですか?

「それぞれの場所で」が続くことで、「孤独も不安も 両手で抱きしめて」が「(自分1人で)」だったことも分かります。
なんか、最後に残っていた未練を断ち切る場面みたいでこれもまた切な(略)

ラスサビ

溢れ出した ナミダはそっと
澄み切った 夜空の向こう
こぼれ落ちて 願いになる
また会えると信じて

どうか君は 笑っていて
その夢を 忘れないで
同じ空で 繋がってる
いつだって そばにいるよ Be with you

ひとりじゃない Be with you

孤独も不安も1人で受け止めて生きていく決心をした後だからこそ、最後の3行が沁みますね。
「同じ空で 繋がってる
 いつだって そばにいるよ Be with you
 ひとりじゃない Be with you」

まさに初期ClariSの歌詞の定番「離ればなれになる2人」を体現したような名曲ですね・・・。

これまた余談ですが、クララとカレンになってからの曲は失恋的な意味での別れはありますが、「サヨナラは言わない」「zutto」「with you」みたいな親友との別れっぽいシチュエーションの曲はだいぶ少なくなったと思います。
もちろん、もう充分そういう曲歌ってきたからというのも理由でしょうが、実際にアリスが卒業したことによってそういう歌詞が生々しさを持ってしまったので、あえて避けた側面もあるんじゃないかと思います。

カレンちゃんが加入してからは「イロドリ」「陽だまり」みたいなクララとカレンの絆&ずっと一緒だよ感を強調する曲の方が多いイメージがあります。(あくまで筆者のイメージですが)

それで良かったと思います。
ファンもどうしたってアリス卒業のトラウマは残り続けてますし、もう二度とあんな悲しい想いはしたくないので。
クララとカレンで、いつまでも歌い続けて欲しいと思います。

あとがき

というわけで、ClariS「SECOND STORY」発売10周年記念の「with you」でした。

本当は6月26日当日にアップロードしたかったですが、来週は淋しい熱帯魚リリースイベントで忙しくなることが確定しているので、1週間以上フライングですが急いで書き上げました笑

ただ、6月26日当日はSECOND STORY発売10周年記念のTwitterスペースを開いて、SECOND STORYについてとことん語り合う予定です。
ご興味ある方は是非ご参加ください。

with you以外にも名曲だらけなこの超名盤。
まだ聴いていない方は是非この機会に聴いてみて下さい(圧)

【2023/07/08 追記】
SECOND STORY発売10周年記念のTwitterスペースを予定通り開催しました。
沢山の方にご参加頂き、今回も大変楽しかったです。
ご興味ある方は聴いてみて下さい。

【タイムテーブル】
~ 00:11:28 雑談
0:11:29 ~ second story
0:39:28 ~ ハルラ
0:54:54 ~ Wake Up
1:07:38 ~ rainy day
1:27:27 ~ HANABI
1:52:53 ~ with you
2:04:50 ~ ルミナス
2:13:49 ~ ダイアリー
2:24:00 ~ eternally
2:34:55 ~ ひとつだけ
2:45:29 ~ グラスプ
2:58:23 ~ reunion

前回のPARTY TIMEスペースの反省を活かして、今回は3時間ちょっとで終わりました!だいぶ巻いた!(白目)

ではでは、以上となります。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

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