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ClariS「DROP」の歌詞は"北海道出身で大人な曲を歌う現役中学生"な自己紹介

まえがき

2010年4月24日。
それはClariSファンにとって特別な日付です。

ClariSとは切っても切り離せない雑誌「リスアニ!」の創刊日であり。
ClariSの初オリジナル曲「DROP」が発表された日でもあるからです。

上記表紙の「新人発掘プロジェクト」で紹介されているのが、当時ニコニコ動画でアニソン・ボカロ曲のカバーを中心に歌い手活動をしていた現役中学生女子2人組「アリス☆クララ」、後のClariSです。

そして2人に初めて提供されたオリジナル曲が、半年後のClariSメジャーデビューシングル「irony」も手掛けることになるkzさんによる「DROP」です。

このリスアニ!創刊号、当時18歳の筆者も本屋で手に取りました。
当時はけいおん!が社会現象を巻き起こし、第2期「けいおん!!」の放送が始まった直後。

筆者もけいおん!の表紙に釣られてこの本を手に取り、パラパラと立ち読みした記憶があります。

・・・そう、立ち読みなのです。
ニコニコ動画の歌い手に詳しくなかった筆者は「アリス☆クララ」の存在をそもそも知らず、特集ページも読んだ記憶はありますが「へ~そんな人達もいるんだ~」くらいの印象でササっと読み飛ばしてしまいました。
(そもそも立ち読みは良くない、立ち読みしたならちゃんと買え)

その2年後、ClariSの1stアルバム「BIRTHDAY」を買ってドハマりすることになるとは夢にも思わず・・・。

筆者の人生最大の後悔です。
あの時、ちゃんと買っていれば・・・。
DROPから聴いていたら・・・。
タイムマシーンを使えるなら、今すぐ2010年4月24日に戻って、能天気に立ち読みしてる自分の首根っこを掴んでレジに連行します。

そんなリスアニ!創刊日から、今日でちょうど13年。
昨年で紙媒体での刊行は終わってしまいましたが、WEBメディアとして今でもアニソンの魅力を伝え続けています。
そして、創刊号からClariSと共に歩み続け、カレン加入・10周年記念などClariSの節目を常に特集してきてくれた、我々ClariSファンにとっては足を向けて寝られない存在でもあります。

そんなわけで、今回はWEBメディアとして新たなスタートを切ったリスアニ!さんへのエールと日頃からの感謝の想いも込めて、リスアニ!と共に今日13周年を迎えるClariS「DROP」を紹介したいと思います。

曲紹介

作詞・作曲・編曲:kz (livetune)

前述した通り、元々はリスアニ!創刊号の付録CDとして発表されました。
ClariSメジャーデビュー直前のコミックマーケット78でもCDが販売されたようですが、長らく視聴手段が限られていた本曲。

メジャーデビュー後にClariSを知った多くのファンが手軽に聴けるようになったのは、カレン加入後に発売されたClariS初のベストアルバム「ClariS 〜SINGLE BEST 1st〜」(2015年4月15日発売)からでしょう。
筆者もこのベスト盤で初めて聴くことができました。

歌詞

筆者の個人的な解釈ですが、この曲の歌詞は初期ClariSのコンセプトが強く出ていて「アーティスト紹介」的な要素があると思います。
(まあメジャーデビュー前に世間にお披露目する曲なので、そういう要素があって当然とも言えます。)

その要素が以下2つ。
・北海道出身の現役女子中学生
・中学生とは思えない歌唱力で、実年齢より大人っぽい曲を歌える

そう感じさせる描写にも注目して歌詞を見ていきたいと思います。
※歌詞は歌ネット(https://www.uta-net.com/song/184169/)からの引用

イントロ

いつの日か 言えるかな
君に出会った嬉しさを全部
遅く咲いた花びらに乗せて

「いつの日か言えるかな
 君に出会った嬉しさを全部」
どうやら主人公は片想いをしているようです。

そして、意味深なフレーズである「遅く咲いた花びら」。
先に種明かしをすると、ラスサビで「遅く咲いた桜」と明言されます。
つまり桜の花が普通より遅く咲いたってことですね。

これだけだと寒い春で開花が遅れただけかな?とも思えます。
「時間は掛かったけど、ようやく想いを伝えられたよ」っていう甘酸っぱいストーリー展開のために、あえて「遅く咲いた桜」にすることで主人公の想いと桜を重ね合わせる意図もあったと思います。

ただ、恐らくそれだけではない。
この「遅く咲いた桜」はClariSのプロフィール紹介も兼ねているのではないか、というのが筆者の考えです。

1番Aメロ・Bメロ

新しい季節 街はまだ銀の世界
慣れないキャンパス 吐く息で白く染める
ふとした偶然 すれ違った君の眼は
少し暖かくて春の匂いがしたの

いつまでも片付かない
荷物にはため息
早すぎるリズムには戸惑ったまま

「新しい季節」
「慣れないキャンパス」
「いつまでも片付かない荷物」
新年度に1人暮らしを始めた女子大生みたいな描写です。
「早すぎるリズムには戸惑ったまま」とか、新生活にまだ慣れてない感が出てます。
「春の匂い」も出てくるし新年度なので、当然季節は春で4月のはず。

でも一方で、なぜか冬を思わせる描写も同時に出てきます。
「街はまだ銀の世界」
「吐く息で白く染める」

4月で春のはずなのに、街には雪が残ってるし吐く息も白いほど寒い?
ここは一体どこなんだ?

北国出身の方はもうピンと来てると思います。
そう。恐らくクララとアリスの出身地、北海道の4月の描写と思われます。
寒い地域ほど桜が咲くのが遅く、北海道は例年4月下旬~5月上旬のちょうどゴールデンウイーク頃に満開になるらしいです。
なので、入学直後の時期は雪が残るくらい寒いし、桜もまだ蕾のまま。

まだまだ冬の気配が強い入学したての大学のキャンパスで、すれ違った君に一目惚れをしてこれから訪れる春の気配を感じた。
そんな情景だったんですね。
(わざわざ「キャンパス」って言うくらいなので、中高生の引っ越しや寮生活ではなく大学生の1人暮らしだと思います)

ツイッターで検索すると「北海道の春だろう」って結論には何年も前に辿り着いてる人がチラホラいるので、北国の人には当然の感覚なんでしょう。
(女子大生解釈はササっと検索した限りでは筆者のツイートしか見つかりませんでしたが、これもきっと誰か似たようなことを考えているはず)

筆者は関東にしか住んだことがないので、恥ずかしながらこの北海道要素に気付いたのかなり最近です。
このブログ書き始めて、色んな曲の歌詞を前以上に意識して聴くようになってからですかね。
今更ドヤ顔で語るほどの新規性も無いと思いますが、まあ多目に見て頂ければ・・・。

それにプラスして、大学1年生感を感じるAメロの描写。
北海道出身で、女子大生のストーリーも歌えちゃう現役中学生女子。
1番サビに入る前にすでに2大要素の紹介は終わっていたんですね。
ぶっちゃけ、筆者が書きたいことも既に80%くらい終わってます笑

こんな簡単なことに気付くのに何年掛かってるんでしょうか。
筆者も普段ドヤ顔で長文書いておきながら読解力が死んでいます・・・。

あとの部分は、もう読みたい人だけ読んでもらえればという感じでササーっと行きたいと思います。

1番サビ

透き通った 君の瞳
気がつけばいつも追いかけていた
名前も分からないけど
今はまだ 蕾のまま
あの花のような私のコトバは
まだこの胸の奥に
もう少しだけ いさせて

「名前も分からないけど」は「君」と「私のコトバ」の両方に掛かっているようにも聴こえますね。
「キャンパスで偶然すれ違っただけだから、君の名前もまだ知らないけど」でも「自分でもこれが恋なのか何なのか良く分からないけど、胸がドキドキする」でもどっちでも意味が通じそうです。

で、おそらくまだ4月中旬くらい(出逢って1週間くらい?)でまだまだ桜も蕾のままなので、私の伝えたい言葉ももう少しだけ蕾のままでいさせて、というサビ。

ClariSらしい可愛らしさが既にありますね。

2番

刹那の瞬間 永遠に感じる距離
小さな幸せで満たされていた世界

このままでいいなんて
臆病なだけだね
やわらかい風がほら
背中押してる

いつの日か 言えるかな
そんな弱気なんてもうさよなら
怖がる気持ち抑えて
伝えるよ 風に乗せて
君に出会った嬉しさを全部
抱きしめて歩く道
優しい光が満ちてる

「今日もすれ違えた」とか「教室でちょっとだけお喋りできた」とか、そんな刹那の瞬間の小さな幸せを噛み締めて中々踏み出せない主人公。
小さな幸せを感じつつも、「永遠に感じる距離」なので距離を縮められてる実感は全然無さそうです。

このままじゃダメだ!と決心して、彼に想いを伝えるために歩き出します。

主人公の心情に合わせて、実際の季節も少しずつ春に近づいてるようです。
「やわらかい風」とか「優しい光」とか、1番より春を感じる描写が増えています。
入学して出逢ってから何週間か経過して、桜も咲き始めた時期でしょうか。
小さな幸せを嚙み締めてばかりだった主人公も、春の陽気と優しい風に背中を押されて「そろそろ次の一歩を踏み出さなきゃ!」ってなる程度に時間が経過したと思われます。

北海道の花見のピークがちょうどゴールデンウイークらしいので、「連休で会えなくなる前に気持ち伝えなきゃ!」「連休中一緒にお出掛けしようって誘う!」とか思ってこのタイミングで決心したのかもしれません。

Cメロ~ラスサビ

舞い落ちる 花みたいに
掴めなかった 君の影はもう
手を伸ばせば すぐ近く!
伝えるよ 勇気出して
君がくれた笑顔で一度だけ
遅く咲いた桜が
つぶやくように踊った

「遅く咲いた桜」のように、蕾のままだった主人公の気持ちも時間は掛かったけれど満開です。
何を伝えたのかは明記されませんが、彼は笑顔を返してくれた様子。
それを祝福するように、舞い散る桜の花びらも踊ります。
この舞い散る様子を指しての「DROP」という曲名ですね。
kzさんったらオシャレ。

ここで主人公が伝えた内容、告白まで行ってない可能性もありますよね。
「名前教えてください!」とか「連絡先交換させてください!」レベルな可能性もあります。
その場合、1番サビの解釈は「名前も全く知らないままキャンパスで見かける度に遠くから眺めてただけ」という奥手すぎる女の子になります。

大学1年生でそんな女子、今時いるか?
中学生だってもうちょっと積極的では?
(今時って言ってももう13年前の2010年ですが・・・)

でも、これくらい奥手なのも後のClariSの曲を考えれば違和感無いかもしれません笑
恋に積極的で大胆なClariSなんて中々レアですから。
(最近は大胆な歌詞も増えてきて「大人になったなぁ・・・」とか後方親戚おじさん面が止まらない筆者です)

あと、歌詞には無いですがCメロのボーカルサンプリングしたコーラスが好きです。
アリスの声が素材っぽく聴こえるんですけど、クララの声も使ってるんですかね?
有識者いたら教えてもらえると助かります。

あとがき

というわけで、何の新規性もないClariS「DROP」の紹介でした。
もう今回は、ただただリスアニ!創刊日に合わせてなんかClariSネタ書きたかった、ということで許してください。
改めてリスアニ!さん、創刊記念日おめでとうございます。

2000PV読者リクエストもあって最近全くClariSネタ書いてなくて、直近が1月末の「ループ」なのでもう丸3ヶ月経過してたので、最推しアーティストって言ってる以上そろそろ何か書かねば、という謎使命感に突き動かされた結果の乱文でした。
そのループすら1000PV読者リクエストなのはナイショの話

とりあえず記念日に遅刻しなくて良かった良かったというお気持ち。
ゴールデンウイークのClariSの単独ライブ(Neo Sparkle)まであと2週間を切ったので、ここからはしっかりと推し活に精を出したいと思います。

ではでは、以上になります。

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