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【レビュー】ベイヤーダイナミック DT990pro

ドイツを代表するメーカのベイヤーダイナミックのオープンタイプのヘッドホンです。

以前聴いたような気もしますが、まったく憶えていないので初ヘッドホンということでいいでしょう。


【beyerdynamic  DT 990 PROスペック】

■モデルナンバー  beyerdynamic  DT 990 PRO
■ドライバー 1DD
■感度96db
■インピーダンス250Ω
■周波数特性 5Hz ~ 35000Hz
■コード長3メートル

バーンイン時に倍音がかなり誇張されてしまうのでそれが収まるまで鳴らして欲しい。とりあえず数時間程度は必要だと思われますが、その程度で十分です。

エントリークラスとしてユーザーから酷使される事を想定してか、素材などにかなり工夫の跡が見受けられます。合皮の交換可能なヘッドバンドカバーや汚れが目立たないベロアのイヤーパッドなど、非常に良く考えられた作りだと思います。ヘッドホンも軽めで側圧もHD650よりも弱く適度です。


【リファレンスアンプについて】

デジタルはDAPのDP-X1です。アナログは1502とWA6で音源の確認とテストをしています。

2005年の発売なのですが、こちらの990はリファレンスアンプがアナログなのでしょうが、デジタルと音がよく合います。この為、アナログアンプではまったくと云って良いほど鳴らないので、990は必ずデジタルアンプで運用してください。

まず大事なことなので「駆動力」という点を書いておきます。

もともと990は低音が多めの帯域バランスを持っています。HD650比で+1ランク、10段階評価で6程度のブースト量です。最近の低域バランスを考えると録音時適正という事では無く、オープンタイプの聴感上バランスとして考えると少し多めですが、非常に聞きやすく、良く出来た低域を持っています。

この低域量はX1でのテスト時のもので、アナログのWA6を持ち込むと更に+1程度のブーストを持ちますので、本来のアナログでの設計時バランスは更に多い可能性があることを最初に述べておきます。ただこの量だと少し多すぎます。

990の運用時にはX1程度のDAPがあれば低音の量についてはそれで満足するべきで、更にデジタルのポタアンなどを持ち込んで低域の駆動力を追求するのは理由としては「意味が薄い」でしょう。もちろんそれも有りなんですが、そうなると低域の量が更に多くなるはずなのでこれだと正直多すぎる。

また、アンプの質よりも駆動力の方が比重が大きい音がしていますが、ある程度のイヤホン用の2-3万クラス以上のDAPなら問題なく鳴らせると思われます。つまりエントリークラスのヘッドホンとしてはアンプのクオリティと駆動力共にそれほど要求がキツくないので、比較的簡単に誰でも鳴らすことができますので、とても使いやすく、このあたりも想定ユーザーをよく考えて作っていると思います。

アンプの結論ですが、デジタルの3万以上程度のDAPなら十分です。ポタアンの追加も有りですが、そこまでする必要はなく、低音量をもう少し増やしたい場合にのみ検討するべきですが、その必要は限りなく薄いです。もう一度繰り返しておきますが、この音作りは完全にデジタル傾向の音なので、アナログアンプでは本領を発揮しません。

以下の評価はすべてデジタルのX1での評価となります。

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