逢魔ヶ影

ふたりの生きる音を刻む針
似ているようでちがう

君と僕
同じ刻の中に溶け込めて仕舞えばいいのにね

ふたつの針を止めて
赤い赤い炎で熔かす
ひとつにできたら
心の臓を一にして
血も心もすべて分かち合える
ひとつになれるかしら

ああでも そしたらふたり
触れあえない

僕が君で 君が僕で
いつかそれすら忘れてしまいそう

だから忘れて仕舞えばいい
逢魔ヶ刻に魔が差した
一瞬の影絵さ

僕は僕で 君は君
今はそれが いちばん美しい



©2015  緋月 燈


AmijakanWatch https://twitter.com/AmijakanWatch/status/587463154591928320 様ツイートより生まれました。

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