春の羽

若葉のころ
あなたを知らなかった

あの頃よりもかたくなで
あの頃よりもやわらかい
わたしは今 どんな香りを漂わせるのだろう

何も知らなくて
何かをわかっていたのでしょうか

けれど今
あなたを知ったわたしを
そんなに嫌いじゃないわ
あなたを想って少し微笑むことができるから

やさしくなれたかはわからないけど
ほんの少し微笑みを絶やさずにいられたら
それはきっとあなたのおかげね

寒の戻りが不意に訪れても
こわくはないわ
あなたを想ってまた少し
春のぬくもりを憶えるから

ああもっといろんなことを知りたい
少しだけ和らいだ
こころを拓いて

わたしの羽をもう少しだけ
遠くへのばす
いつかあなたに届けと願って



©2015  緋月 燈


AmijakanWatch https://twitter.com/AmijakanWatch/status/584911386083397632 様ツイートへの返歌。

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