揺らめくたび

疲れはて
何ひとつ動かせぬ己

求めているのは
喉を潤す水か
乾ききった瞳を濡らす涙か
心にそそぐ安らぎか

きっとどれもそうで どれも違う

水面に映るわたしに
わたしでない あなたを見る
そっと伸ばした手は
わたしへと伸ばされ
掬いあげた水は
わたしを あなたを 救う

揺らめく水面は万華鏡
映すたびに違った姿
手の中に映り込む蝶を求め
飲み干したけれど
何も残っていなかった

ああ
虚しさを抱えすぎて
慣れてしまったわたしは
虚しさに涙することすらできなくなって
悲しくて
哀しくなって 涙した

ああ またひとつ
涙を流せたね

さあ歩き出そう
いつの間にか摩耗した
揺らぎを求めて


©2014  緋月 燈

AmijakanWatch https://twitter.com/AmijakanWatch/status/543027190149828609 様ツイートより。

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