ご挨拶を
あの日のまま
いつものまま
椅子に掛けられた上着
腕を彩った時計も
鋭利な黒をたたえるのに
針が進むごと
失われてゆく
遺されたあなたのぬくもり
染めていたはずの香り
最期に握り返した左手は
いつもの別れの挨拶だったの?
もう戻って来られないこと
わかっていたはずなのに
去ってゆく後ろ姿は
呆気ないくらいいつも通りね
ノイズがかった君は
せつなさも連れて行ってしまう
夢の狭間で
逢えるのもきっと今日が最後
笑って、と言われた気がしたよ
ねえあなたを忘れるなんてできないけど
見送ってくれますか
もっと先にゆく私を
いつか逢えた時
また二人 微笑みかけられるように
ありがとう
©2015 緋月 燈
AmijakanWatch https://twitter.com/AmijakanWatch/status/560618372799287296 様ツイートより作詩。
BGM KOKIA「君をさがして」
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