露隠し

ここはどこだろうか

草の褥に横たわり
夢見るように
見上げた空は
昼のようで 夜のようで

今がいつで わたしは誰なのか
わからなくなっていた

起き上がりもせず
空-クウ-を見つめる瞳は
乾いているわけでも
濡れているわけでもなく
天を映す

不意に身体を動かせることに気づく
草の匂いを掻き分けて起こせば

一斉に舞う 風

否、蝶であった

花に着飾り休めていた翅
舞い上がる超
天を隠す万華鏡の如く

後に残す
鱗粉の煌めき
天より降る星のように
この身にそそぐ

一粒の露を隠すには
少し大袈裟な幻想に
隠しきれない雫が滲んだ

(赦してくれてありがとう)
(わたしももう行かなくちゃ)


©2014  緋月 燈

AmijakanWatch https://twitter.com/AmijakanWatch/status/541772990749224961 様ツイートよりイメージ。

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