ソメ・がたり

心に刻まれた
こまかい傷を癒すために
眠りは必要だというわ

朝がどんなに憎らしくて
夜の狭間に
縫いとめてほしいと
願っても
時は残酷すぎるくらいに平等で
闇をあれよと明かしてしまう

花に添う露のように
儚いなら美しいかしら

なにも言わない魔女は
その裡になにを潜ませているのでしょう

さあ お伽噺をソめようか


©2015 緋月 燈

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