月のない夜

星降る夜に貴女はいない

こんなに煌めく空も
貴女がいなければ闇と同じ

夜の海に漕ぎ出そう
貴女がいない夜は
淋しくてたまらないから

わたしを包む波音も
涙を咲かせる如雨露

星のささめきも
今はただ煩わしい

ねえ どこにいるの
わたしを見つけて
貴女がいないと
自分すら失くしてしまう

貴女の光で照らして
この身体が
陰に溶けてしまう前に


©2014  緋月 燈

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