わだつみの哀
母なる海よ
太古の歴史 見守る貴女は
涙色を湛えて我らを包む
天と地の狭間
訪うものの哀しみを
塗り潰すことなく
ただ其処に在るを示す
その潮騒に幾度 救われたろうか
時に大いなる禍と為りて
命を闇に曳き込み
悲しみを齎す貴女は
すべての命の始まり 還る場処
それは貴女の寂しさなのでしょうか
哀しみを預け 委ねすぎた
貴女の哀しみも いとしすぎる愛も
知ろうとしなかった
貴女の切なる叫びなのでしょうか
波のうねりは 慟哭
産み落とされた嵐は 涙
思い返す ひとの 記憶
悲しみと怒りで満ちて
貴女の愛に応えるモノは
嘗てあったのでしょうか
ああどうか ひとしずくでも 掬えたら
泣かないで とは言えない
だからひとりで 泣いてしまわないで
これ以上 悲しい涙に染まらぬよう 祈ろう
©2014 緋月 燈
AmijakanWatch https://twitter.com/AmijakanWatch/status/524197014481813504 様からイメージを膨らませて紡ぎました。
BGM:志方あきこ「テティス」
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