巣立ち

この腕を翼に変えることができたら
僕はどこまで飛んでいけるのだろう

飛び立ちたくて
体に力を入れても
僕の身体は巣の中
伸ばしたことすらない翼を畳んで
留まっている

風は歌いながら誘うけど
僕の脚に絡むのは
僕の意思か巣の意思か

でももう此処を出なきゃ
僕の心はそう言っているから

最後の一歩
たじろいでしまっているけど
すぐにきっと飛びたつよ
だから待っていて


©2014 緋月 燈

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