夢花火

眠れない夜に ひとり
爪弾く夢の音
残り火すらなく
夢に立ち昇る

弾け切れた弦のように
心地よさを憶える不協和音
残る痛みは切なさというものだろうか

乾いた空気 刺さる夜に
見上げる月はどこか優しい
冷たい光で射られようとも
滲むぬくもりは変わらないね

真夏の夜の花火は
大らかな余韻を残すけど
冬の花火は寂しくもあり

オナジなのに 違ウ
夢と現実のような景色

朝が来てもまだ起きていようか
夜も朝も夢にして
境を無くしてもいいかもしれない

光が差せば朝は来るけど
夜の夢にまだ浸っていたいの
まどろむ いまが
夢か現かわからないけど

目覚めた時が悪夢だといい
優しい夢に溺れて ゆくから

終わりのない時
未だ紡ごう
夢も現も すべて手繰って


©2014  緋月 燈

AmijakanWatch https://twitter.com/AmijakanWatch/status/537974296711151616 様ツイートより連想。

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