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薔薇の小径にひかる蔭


春に上気した陽射しが

薔薇の薗へといざなう

陽射しを浴びる薗の花

燈火のようにまぶしくあざやかな花々

手招く光に惹かれた蜜蜂も

花の迷宮を彷徨う



やがて小路の最奥かしら

蔭にひっそりとささやく花たち

少女たちの秘密のおしゃべりのように

何を交わしあっているの?


アーチの奥 ささやく声

浮ついた陽射しからも身を隠して

何を秘めているの?

貴女はなにも照らさないけれど

なによりも輝いているわ

これぞ、光。と

そっと教えてくれる


だからわたしは貴女を胸に飾ろう

貴女の美しさを胸に擁いて



©2014 緋月 燈

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