静寂の海
いろんなざわめきに満ちた世界で
静寂の海に漂うことを
願う
喧騒の中に放たれる言葉は
無鉄砲だったり
時に無意識の毒も混ざっていたりして
触れるには痛すぎる
聞いているだけで
涙も零れてしまいそうなくらい
ああ 潮騒を聴きたい
胸を攫っていくような
母なる命の響き
抱きしめてはくれるけど
見守ることしかしない
この星のやさしさ
ねえ わたしを見ていて
わたしの命を燃やしてゆけるように
涙にも負けない光 かざしてゆけるように
喧騒に敗けずに歩んでゆけるように
わたしだけの静寂の海
耳の奥に響く波音
いまはどうか支えていてください
わたしが貴女に還るまでは
©2015 緋月 燈
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