真夜中のメリーゴーランド

夜の遊園地に訪れるお客さま
月も届かぬ都会のまん中で
心ゆくまでお楽しみを

人形みたいな小人が
妖精の翅で舞う木馬を乗り回すと
煌めく粒子が舞い上がる

空のお星さまでも落っこちてきたの?
けど それもいいわ
お空じゃ一緒に遊べないもの

静かで賑やかな祝祭
誰もしらないお祭り
人がけして招かれぬ妖精の遊技

けれど終わりはやってくる
夜が暁を迎え
空に光が滲み出す

さあさみんな おうちへ帰ろう
今度は僕らが道化役
ニンゲンを喜ばす番さ

そして朝がやってきて
小鳥の夢に酔ってゆく

忘れられたピノキオは
あの日の夢を思い出す
盛りの時の誇らしさ
朽ちることなき思い出を
切ないくらい憶えてる
楽しかったあの罅を
いずれ壊されるその日まで
道化は何度夢をみるだろう
僕は記憶をこの体
刻み付けて 逝ってしまいたい。


©2014  緋月 燈

AmijakanWatch https://twitter.com/AmijakanWatch/status/527470856453124096 様のお言葉より、浮かんできたイメージを徒然なるままに。

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