視えないヒカリ

荒れ地の涯て
吹き荒ぶ風にも弛まぬ瞳
遠くを見る君が映すは
遥か遠い故郷か

夜を迎えてもいないのに
君はまるで迷い人
一寸先が見えないのだ

いたずらな妖精が
戯れに放った燈火
導き手の教えのように眩く
そして不意に消えた

古い恋の炎のように
熱く瞬き 掻き消えた

眩しさに慣れた視界は
夜でもないのに闇の中

月の女神よ
この新月の夜
汝の光を待ち望む
どうか姿を魅せておくれ

けれど君は気づかない
燈火はいつも其処に在ることを

毒を孕む花のように惹きつけるモノはないけど
君の隣を離れてしまうこともない
君が視ようとするだけで
ちゃんと傍に在るんだよ

月が見えずも在るように
燈火はいつも其処に在る


©2014  緋月 燈

AmijakanWatch https://twitter.com/AmijakanWatch/status/545578166425636867 様より連想。

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