透明な青

透明な空気を幾重にも重ねて
空が果てない青を抱く

どこまでも遠い空なのに
まるで牢獄
高みから見下ろす貴方は
神の御座所たるに相応しいのだろう

白砂が覆う地表は
空にぶつかるまで続くかのよう
果てしなく

わたしはどこにいるのか

涙はとうに喪われ
みずうみは涸れてしまったのだろう
太陽のなんと無情なことか

乾ききった目に
優しい筈の風さえ痛い

砂に刻んだ足跡もとうに無い
此処には今しかない
未来も 過去も
風見鶏は示さない

ひたすらに現在-いま-しかない此処から
早く次の場所へ
行かなければ

わたしにはもう 此処ではないこと
わかっているから

わたしが手繰る過去と未来を
わたしが紡ぐ

さあ 玻璃の庭を壊そうか


©2014  緋月 燈

AmijakanWatch https://twitter.com/AmijakanWatch/status/529445285924052992 様よりイメージ。

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