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同調率99%の少女1~13

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那珂が主人公のオリジナル小説。 鎮守府Aの物語 1~13巻分まで
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2016年7月の記事一覧

同調率99%の少女(9) :幕間:謎の見学者

--- 5 幕間:謎の見学者  一方視聴覚室での艦娘の展示をする那美恵たち。一人足りないということで、艦娘部顧問の阿賀奈に手伝ってもらっていた。  見学者は全員帰り、落ち着いた頃の会話である。 「三戸くん、大丈夫かなぁ~」  那美恵が一言で心配する。そばに居た三千花がチラリと那美恵を見て言った。 「なんだかんだで三戸君のことは大丈夫だって信頼してるんでしょ?」 「えへへ。まぁね。」  そこに阿賀奈が入り込んでくる。 「なになに?三戸君がどうかしたの!?」  

同調率99%の少女(9) :相談

--- 4 相談  翌日昼休み、生徒会室には那美恵たち4人が揃って昼食を取っていた。件の話は三戸達を通じて那美恵たちの知るところとなった。写真付き・ひどい共有文章とともに広まりすぎた状況に、さすがに那美恵も頭を抱えて、一つの判断をせざるを得なかった。 「これは、思った以上にまずいね。」 「ひどすぎる。いくらなんでもここまで書かれたら内田さんが可哀想すぎるわ!あからさまに適当な写真と適当な文章だし。」  SNS内で流された数々共有文章と数カットの写真付きの投稿を見る4人

同調率99%の少女(9) :追い詰められる少女

--- 3 追い詰められる少女  流留はお昼休み中にも吉崎敬大を探したが見当たらず、誰にも頼ることができなくなっていた。あてもなく校内を歩く彼女の姿は、1年女子の間では、代わりの男子を探して歩いてると悪言をつかれてしまう始末。仕方なく吉崎敬大のメッセンジャーサービスのアカウント宛にメッセージを残すことにした。  午後の授業が過ぎ、途中の休み時間。流留は携帯電話をチェックすると、吉崎敬大から返信があった。 「大変なことになっててゴメン。誤解解くのは無理そう。」 流留は返

同調率99%の少女(9) :生徒会の反応

--- 2 生徒会の反応 「ねぇ、なみえ聞いた?内田さんの話。」 「うん。今朝来たらもうその話題で周り持ちきりだったもん。びっくりしたよ~。」  那美恵と三千花は自身の、2年生の教室で話していた。途中で二人と仲の良い女子が那美恵の席に近寄り、その話に加わる。 「1年の吉崎くんって確かにカッコいいし人気あるらしいから、告りたくなるのも無理ないよね~。でも1年の間じゃ告白はしないさせないっていうのが不文律だって聞いたよ。内田って子も可哀想に。振られた上にそれ破ったからこの