マガジンのカバー画像

同調率99%の少女1~13

94
那珂が主人公のオリジナル小説。 鎮守府Aの物語 1~13巻分まで
運営しているクリエイター

2016年3月の記事一覧

同調率99%の少女(7) :正式な提携成る

--- 5 正式な提携成る  提督が高校に来て提携を正式に契約する日が来た。その日提督は14時頃高校に訪れることになっている。那美恵は提携の仲立ちをした生徒側の代表として一連の式に参加することになっているため、先日と同様に授業は別の時間帯へということで免除。そのため校門まで行って、そこを通ってくる提督を待っていた。  数分後、その日来たのは提督と五月雨だった。 「あれ?五月雨ちゃん? 今日学校は大丈夫なの?」那美恵は二人に尋ねた。 「はい。提督が学校に話してくれたので

同調率99%の少女(7) :生徒たち、教師たち

--- 4 生徒たち、教師たち  作業すること数日、人数的な面もあり、あまり大規模な展示にはできなかったが、パネル数枚、配布用の説明資料多数、写真や映像を表示するためのタブレット2台を設置しての展示規模になった。視聴覚室は仕切りによって4部屋に分割できるようになっているため、そのうちの一部屋を展示に、もう一部屋に川内の艤装を置いて、同調を試せるように各展示を取り付ける。  提督が来る日の前日までにリハーサルと称して一度全ての展示を取り付け、4人と生徒会顧問の先生の5人で練

同調率99%の少女(7) :艦娘部設立準備

--- 3 艦娘部設立準備  鎮守府に行った翌日から那美恵は三千花、書記の二人とともに生徒会室で艦娘部設立および部員募集の紹介の企画を考えはじめた。せっかくやるのであれば大イベントよろしく開きたいところだが、那美恵たちはその規模も考える必要があった。どうせならまずは提督にも付き添ってもらって学校の皆に見てもらいたいという那美恵の考えに三千花らも賛同した。開始日は学校側と正式に契約を交わしに提督が高校を訪れる日を狙うことに決まった。  提督が正式な契約を交わしに来るのは2週

同調率99%の少女(7) :艤装を試す

--- 2 艤装を試す  工廠についた4人は、先に戻っていた明石が出してきた軽巡洋艦川内の艤装を目の前にしていた。 「これが川内の艤装です。まぁ那珂とは姉妹艦なので、細かな違いはあれどほとんど同じです。ちなみにネームシップです。」  そう説明して川内の艤装の各部位をキュッキュと撫でる明石。新品なので丁寧に扱っている様子。 「あたしは川内の同調に合格しているから、いまさら試験みたいなのしないよね?」  那美恵は提督の方を向いて尋ねる。提督はそれに対して頷いた。本当にた

同調率99%の少女(7) :艤装の持ち出しについて

--- 1 艤装の持ち出しについて  校長と提督の打ち合わせから1週間と3日ほど経った。いざ艦娘部を設立できるとなると準備が忙しくなり、那美恵はその間生徒会の仕事・部設立の学内の準備・鎮守府への掛け合いの3つをほとんど並行して行う日々を過ごす。  提督から艦娘としての通常任務や出撃任務は控えられていたのと、もともと鎮守府Aは出撃任務自体が少なかったのが那美恵にとって救いであった。学生の身であるため、実際の作業は放課後の数時間で行うことがほとんどである。ため息をつく暇もない