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同調率99%の少女1~13

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那珂が主人公のオリジナル小説。 鎮守府Aの物語 1~13巻分まで
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2015年9月の記事一覧

同調率99%の少女(4) : 見学に向けて

--- 6 見学に向けて 次の日、学校は時間割が少ない日のため早く学校を出ることができた。前日に提督にメールをしたところによると、その日は夕方までは鎮守府におりそれ以降は会社に戻るという。那美恵は授業が終わると生徒会室への顔出しは適当に済ませ、都合に間に合うようにすぐに鎮守府へと向かった。  那美恵が鎮守府に到着すると五月雨たちがすでに来ていた。彼女たちは本館の玄関の付近の掃除をしていた。学校の体操着やジャージを着て掃除に取り組んでいる。  那美恵に気づいた五月雨と時雨が

同調率99%の少女(4) : 幕間:那珂の休日

--- 5 幕間:那珂の休日  翌日、那美恵は学校を休んでしまった。緊張が解けたからなのか彼女は突然ドッと疲れが出始め、朝起きるには起きたが、とても学校へ行って何かをできる体調ではなかった。その後半日以上も熟睡してしまった。  昼過ぎに起きた那美恵は、ようやく体調がかなり回復したのを感じた。まだだるさは残っているが、起きてご飯を食べる・シャワーを浴びるくらいはできそうだと。  那美恵の母親はパートを休んでいた。娘の看病をするためだ。那美恵が1階の居間に姿を現すと、「おそ

同調率99%の少女(4) : カミングアウト

--- 4 カミングアウト 無事に家についた那美恵は、時間を見るとすでに6時を回る頃だった。事前に連絡を入れていたおかげか、那美恵の母は那美恵が念のためドアのチャイムを鳴らすとすぐに出てきて娘の顔をマジマジと見つめた。娘が仕事とはいえ朝帰りをするなどと、心配に心配を重ねた表情でもって那美恵を抱きしめた。 「お母さん~あたしは大丈夫だから。心配しないでって言ったでしょぉ?」  いくら国(の末端の機関)の管理が行き届いたとされる職場とはいえ、怪物と戦う艦娘になって、夜通しで戦

同調率99%の少女(4) : 帰宅

--- 3 帰宅 鎮守府に戻る最中よりも人が少なくなった車中、わずかな道のりだが提督はお互いの眠気防止に那美恵に戻った那珂、凛花に戻った五十鈴と雑談しながら二人を始発の電車が始まる時間に間に合うように駅まで送っていった。  那美恵は多少遠慮したのか、駅につく手前で提督に声をかけた。 「提督、あたしはここまででいいよ。もうそろそろ始発始まるし、家まであと少しだし。凛花ちゃんを送ってあげて。」  提督はミラー越しに那美恵を見て言葉を返す。 「そうか?だったら光主さんこそ家

同調率99%の少女(4) : 艦娘から日常の少女へ

--- 2 艦娘から日常の少女へ 那珂と五十鈴が焦りを感じて率先して帰ろうと五月雨たちを引っ張って帰ろうとすると、海上自衛隊の基地の正門を通って、駐車場を突っ切って進んでくる一台のワンボックスカーを見かけた。その車は駐車場脇の歩道を歩いている那珂たちの近くで止まり、運転手と思われる人物が顔を出した。  それは、6人全員が知っている人物だった。その人物は助手席の窓を開け、身体を伸ばしてその窓から外を見る姿勢で6人に声をかけた。 「よぉ!無事帰還してるな。遅れてすまない、迎え

同調率99%の少女(4) : 早朝の帰還

--- 1 早朝の帰還 護衛艦が日本本土の港に到着したのは午前3時過ぎだった。乗り込んでいた鎮守府Aの艦娘6人と隣の鎮守府の6人は退艦し、海上自衛隊の港湾施設の一角に降ろされて集まり、荷物をまとめて帰りの身支度を整えた。  人には言えない理由で頭痛がする那珂、五十鈴、天龍の3人、そして他の面々はそれぞれの鎮守府に帰るため6人ごとに集まっている。  ほぼ全員眠い目をこすりながら、帰宅するまでが遠足(or 旅行 or 仕事)であるというどこかで誰かが言っていたような文言を必死