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私が群馬を好きな理由、嫌いな理由(後編)

前回、春と秋が好きな季節と書いた。
では、夏と冬に関してはどうだろう。

夏は猛暑が続く。
外を日中に歩くのは危険ですらある。
冬は乾いた北風が吹く。
以前のような空っ風は少なくなったが、それでも冬の体感温度は低い。

車社会に群馬がなったのは、この夏冬の気候のせいもある。
自動車メーカー「スバル」の発祥の地ということもあるが、乗用車が環境にマッチした乗り物であったということが大きいだろう。

夏は冷房、冬は暖房をかけながらの移動ができるのだから、これに勝るものはない。
「頭文字D」を引き合いに出すまでもなく、群馬県人は車が大好きなのだ。

しかし、困ったことがある。
群馬はほぼ山地であるがゆえ、都市部に向かう道路は信号が多く、道も狭い。
毎日どこかで必ず事故や、トラブルを目撃する。
短気で、マイペースなところがある土地柄なのは、あの博客「国定忠治」の生まれどころであるところからも窺えよう。

日々がセカセカと忙しく感じる。
夏の暑さに脳を焼かれ、冬の寒さに心を凍らされる。
地元にどこか批判的な感情を抱く人が、実はグローバルな働きをしているというのは皮肉なものだと思う。

おそらく、世情がもう少し穏やかであるなら、この土地は良い土地であるに違いない。
それを許さないほどに、世の中は悪くなっている。

群馬は古代「上毛野国」(かみつけのくに)と呼ばれていた。
「毛野」というのは、低い木や草が生い茂る原のこと。
群馬という名の通り、昔は広大な放牧の地であったと言われている。

この地には、産業というものは似合わない。
ノマドの民のように、居を定めず、季節とともに移動を繰り返すような暮らしが向いている。




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