介護のミライ

仕事柄、多くは言えないけど…どんな場所にも「好かれない方」というのはいる。
幸い、私の職場は、ほぼ良い人ばかりなので良いのだが、利用者さんはそうもいかない。

この仕事を始めてわかったことは、とにかく「男性は来たがらない」ってこと。
面子というか、家から出ることを極度に嫌う人が多い。
私も男だからわからないでもないのだが…つまりは男性の利用者は「渋々来てる」人が少なくないってこと。

元より、私はオッサンコンプレックスがあるので、オッサンは大嫌いだ。
しかしなぜか懇意にしていただいてる人には、一回り近く上の方が多い。
オッサンは嫌いだが「良く出来た面白いオッサン」は、つまらない年下よりも遥かに付き合っていて面白い。
つまり人間は「知性」というもので繋がっているということで、年齢は関係ないのだ。

その理屈で言うと「横暴で、知性の欠片も感じない、スケベジジイ」に、少なくとも私が優しくする理由はない。
「金のためでしょ、頑張んなさいよ」と、知った風に言う人がいるが、これは間違った論だ。

その人と仕事で会う時間を賃金に換算しても、月に二万円はいくまい。
仕事中にはストレスは溜まり続け、思考は停止する。
良い考えが浮かぶべくもない。

その「二万円の時間」を「のんびり空でも見ながらランチする」時間にしたほうが、ストレスも感じないし、健康的に過ごせるだろう。
生きていくために、お金は重要だけど…もっと重要なのは時間と、そしてその内容の豊かさなんだ。

矛盾してる?…ノンノン!!。
だって人生は有限だから。
収入は必ずしも時間と比例しない。
会社の社長と、平社員でもそうだし…ましてやアルバイターとは月とスッポンだ。
私のように、イケイケの十代で蹴躓いてしまえば、その後に大きな痛手も残る。
人生は不公平なので、貧富の差というものは、埋める気になっても十分に埋まらないと言うのが現実だ。

でも「自分の時間」というのは、他人や仕事に左右されない。
完全にでは無いけど。
おかしなプライドに凝り固まって、我が身を悔み続けるジジイの戯言を聞いても、何の得にもなりはしない。

人生と言う貴重な時間を、食うために磨り潰す必要など無い。
この文を見て
「もう介護っきゃねえ~、クソー!!」
…って言ってる若い人。
仕事で自分の貴重な人生を腐らせないでください。
嫌になったら、是非早いうちに辞めてください。
介護職は3Kだからダメなんじゃないんです。
ダメなのは「使い捨て目的」で、職を設定してるからで、言わば国が「そうだよ、そういう職業だよ」と規定してるから酷い。
昇進も限られ、給与も上がらず、多くの職員がパートタイムで働いているのは、そういう職場だと最初から規定されているからなんですよ。

もちろん、手抜きは許されない。
事故があれば職場事ふっとぶ可能性があるからね。
真面目にテキパキとやるのは当然。
ただし「仕事の範疇じゃねえな」ということは、一人で抱え込まないで、みんなで分けあったりする。
もちろん、利用者と家族含め、解決策は出さなきゃいけない。
勘違いしてる利用者と家族もいるけど、我々の業務は「規定された業務にしたがって行われる」ことを実としているのです。
飲み屋や熟年バーでもないので、悪しからず。

若い人で、介護を職として貫きたいと思っている方。
経験を積んで、どうか現在の法律を変えていくくらいの気概で挑んでください。
そうしない限り、この職はただの時間限定なものになりますし、おそらく十数年後には、現在の国際留学生と同じように、低賃金で外国人が就労する職場になるでしょう。
その傾向はもう始まっています。



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