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黄昏迄

最近めっきり寒くなってきました。
11月なのに、もう頭の中は12月。
イルミネーションも始まって、季節は最早冬でしょうか?

今の時期の光線が一番好きだったりします。
低く斜めに差し込む光は、何でも無いような街の片隅を、ドラマチックに見せてくれますから。

さだまさし「黄昏迄」

さだまさし珠玉の名作と思っています。

冒頭の三行は風景描写と、主人公の感傷を見事に文字にしています。
映画的というか、とても写真的なのです。
曲中の主人公と共に、向かい風に吹かれながらいつまでも海を見ていたい。
寄り添いかける犬のように、ただただじっと。

さださんの曲は、季節感が豊富なのも特徴です。
この「黄昏迄」は、今と同じ晩秋の風景。
もちろん人によって感じ方は違うと思いますが、私には秋の小高い崖の上の風景です。

黄昏時になり、背中を落ちて行く夕日が海を染めて、波が輝き、さざめく。
傍らの犬は時折目を細めながら、僕の方を振り返りながら、また目を閉じる

過ごした記憶というものは、やがて日が落ちるように、水平線の向こう側に消えて行くのでしょうか。
残照の輝きだけを、ほんの少しの時間だけ残しながら。

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