ヴェルレーヌ「しずむ陽ら」(フランス詩を訳してみる 34)
Paul Verlaine (1844-1896), Soleils couchants (1866)
(川路柳虹、堀口大學、松山敏、鈴木信太郎、金子光晴、橋本一明、野村喜和夫の訳を参考にした。)
『土星人詩集』(Poèmes saturniens)の「悲しい風景」(Paysages tristes)からの1編です。
「しずむ陽」といえばふつうは夕方ですが、この詩では1行目にいきなり「夜明け」(aube)とあります。
そして、太陽は当然ふつう一つですが、この詩では常に複数形(soleils couchants)で現れます(この違和感を正しく伝えるために、「陽ら」というへんな日本語をあえて使いました)。
詩人が作り出した、現実から離れた風景が描かれています。
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さまざまな音楽家がこの詩に曲をつけています。
シャルル・ボルド(Charles Bordes, 1863-1909)の歌曲(1886年)[楽譜]
デオダ・ド・セヴラック(Déodat de Séverac, 1872-1921)の歌曲(1901年)[楽譜]
アルフレード・カゼッラ(Alfredo Casella, 1883-1947)の歌曲(1905年)
ナディア・ブーランジェ(Nadia Boulanger, 1887-1979)の歌曲(1907年)
ルイ・ヴィエルヌ(Louis Vierne, 1870-1937)の歌曲(1910年)[楽譜]
レオ・フェレ(Léo Ferré, 1916-1993)のシャンソン(1964年)
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