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アマゾンアカウントを2億円で事業譲渡した話

こんにちは。ツイッターのるるです。

今回は自身の経験談から、アマゾンOEMの事業譲渡に関して書いていこうと思います。僕自身、結果としてアマゾンの複数アカウントを総額2億円以上で売却しましたが、1年前の自分からは想像も出来なかったです。物販経験者は分かると思いますが、在庫の関係上、キャッシュフローで苦労する人が多いのがこの業界です。そんな中、わずか1年~の運用で、数千万~数億円のキャッシュが入ってくるとしたら驚きではないでしょうか。それが現実に可能なのがアマゾンの事業譲渡です。今回はその流れに関して、実体験をベースにお伝えしていきますね。

著者について

ツイッターではペンネームのるるで活動しています。
現在は、美容家電猫グッズのD2Cブランドを展開しています。

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1. 事業譲渡とは?

はじめに、事業譲渡とは何か、について説明していきます。事業譲渡とは、会社全体ではなく特定の事業のみを売買する行為のことです。一方で、株式譲渡は会社ごと売却する行為を指します。※今回は、株式譲渡(会社新設含む)に関しての詳細は割愛します。
今からお話しするのは、アマゾンのOEM(自社ブランド)アカウントの事業譲渡のお話になります。ちなみに、アマゾンにおけるOEM販売とは、自社メーカーとして、アマゾンで独占的に商品を販売している状態のことを指します。

2. 売却額の目安

アマゾンOEMの事業譲渡における基本的な売却額の目安は、サイトストックさんによると月間の営業利益の18か月~24か月分(在庫は別計上)が相場だそうです。運用実績期間としては1年~が多い印象です。金額、期間ともにあくまで目安ではあるので、買い手側が納得すればどのような金額にもなります。高額(相場以上)で売却したい場合は、それ相応のメリットを買い手側に伝える必要があります。例えば、商品自体の優位性、特異性、参入障壁等です。特許商品などはまさにそうですね。また、商品以外の部分ではアマゾン担当タイムセールの有無、定期購入者(ファン)の多さSNSでの外部集客の体制等、相手側を安心させる材料があるとなお良いです。それに加え、コンサルティングによる新商品の開発サポートも大きな強みになります。買い手としてもこの先100%現状の売上が継続出来るとは思っていないので、新商品の投入がリスクヘッジになります。これらのサポートの手厚さが、売却金額、そして売却の決め手になってきます。

3. 事業譲渡の流れ

事業譲渡の流れを簡単にまとめると下記になります。

①M&A仲介業者に依頼

②面談

③意向表明

④デューデリジェンス

⑤契約

事業譲渡をしたくても買い手がいなくては始まりません。買い手はM&Aの仲介サイト経由で探すのが一般的です。代表例を挙げると、サイトストックさん(https://sitestock.jp/)です。サイトストックさんは僕自身仲良くさせて頂いており、いくつかの案件でお世話になりました。仲介手数料の相場としては売却金額の5%~10%ほどが多いですが、仲介サイトや売却金額によってまちまちです。流れとしては、始めに簡単なPLや事業概要を提出し、それを元に買い手を探してもらう形が多かったです。

面談に関しては、双方の自己紹介から始まり、次に買い手からの質問に売り手が答えていく流れが多かったです。自己紹介の際は、自社の強みを伝える他、売却を検討している理由を明確に答えられるようにしておいた方が良いです。買い手側からすると、PL上の数字からは見えないが、今後衰退していく可能性が高い事業を半ば騙す形で売却したいのではないか、と思うのは当然のことです。言い換えると、それだけ条件が良いのであれば、自社で継続して運用すれば良いと思うはずです。ちなみに、僕の場合は新規事業にリソースを割きたい為に手放したいと伝えました。変に嘘を付くと怪しまれるので、そこはしっかりと事前に考えておく方が良いです。また、事業の流れを理解してもらう為に、ビジネスモデルの詳細も伝えた方が良いです。僕らでは当たり前なことでも、理解してない人がほとんどです。
最後に、面談時によく聞かれる一例を挙げておきますね。

初心者(ECやアマゾン販売未経験)でも問題なく引き継ぐことが出来るか?
→アマゾンOEMの強みはサプライチェーンがシンプル且つ効率化を図りやすいこと(要は誰でも出来る)ですので、そこをうまくアピール出来れば良いかと思います。

・売上が急に下がる可能性はないか?(要は投資額を回収出来るか)
→いわば自社の強みをアピールする場面でもあります。僕の場合は、同カテゴリーで複数ベストセラーを取得しており市場を独占していること、担当者の斡旋でタイムセールの特別枠を使えること等々、多くのことをアピールしました。また、サポート期間を出来るだけ長くすることで安心感を与えることも出来ます。

意向表明に関しては、買い手が売り手と独占的に交渉を進める為に表明するものです。この表明後は、買い手が交渉権を放棄しない限り、他の買い手候補との交渉は一旦取り止めになります。

デューデリジェンスは、事業譲渡において非常に重要なものになります。デューデリジェンスとは、こちらが提示した情報や数字が合っているかの調査のことです。案件によっては、税理士の他、弁護士を立てて厳しく精査する場合もあります。ここで虚偽の申告等をした場合は、後に契約破棄になる可能性がありますので注意が必要です。デューデリジェンスの期間は買い手や売却額によって変動しますが、アマゾンの事業譲渡においては早くて1週間、長くても2か月程度かと思います。これが終われば契約~入金の流れになります。一般的な事業譲渡に比べるとかなり短い期間ではありますが、これはアマゾンの簡潔且つ効率化された仕組み故です。提出する資料は売却額や買い手によって異なりますが、特にアマゾンOEMの事業譲渡において代表的なものをお伝えします。

PLシート
引当金(入金額の根拠)資料
トランザクション資料
引当金に紐づく入金口座資料
インボイス

ここで一つマメ知識ですが、一般的に事業譲渡では税抜きでの査定になります。一方、アマゾンからの入金は全て税込みです。何が言いたいかというと、アマゾンの事業譲渡では税込みベースで査定されることがしばしばあるということです。特に売却額が小さい場合は税込みで査定されることが多いです。(逆に高額な場合はほとんどありません)税抜きと税込みでは査定額が大きく変わるので要注意です。

4. 譲渡後のアフターフォローに関して

事業譲渡は入金完了で終わりではありません。株式譲渡の様にロックアップはないにしろ、譲渡後も責任を持ってアフターフォローすることが必須です。その中でも、盲点になりそうなポイントを何点かお伝えしますね。

・売上が下がった時の対処法を事前準備しておく
→どんな理由があれ、買い手は売上が下がれば不安になります。人間不安が頂点に達すると不信感が募るのは当然のことで、場合によっては契約自体(PL上の不備等)に問題があったのではないかと粗探しを始める可能性もあります。弊社の場合、万が一売上が下がった時の対策として、新商品開発のサポートに力を入れるようにしています。

・外注等を紹介する場合は契約書を巻く
→引き継ぎの際は、多くの外注さんを紹介することになると思います。そこでトラブル(例えばアカウント停止等)が発生した際は、こちらに皺寄せがこないように事前に契約書を巻いておくのがオススメです。

5. よくある質問(Q&A)

ここではよくある質問に答えていきますね。

Q1. 他人名義でのアカウントでも売却は可能か?

A1. 売却可能です。あくまで契約は会社間になりますが、譲渡時はアマゾンアカウントの個人情報(銀行口座やクレカ等)の情報を変更するだけなので問題ありません。

Q2.買い手にはどんな人がいるのか?

A2. こちらは一概には言えませんが、売却額によって変わることが多いです。1,000万以下の案件では個人や零細企業、それ以上になると中小~大手まで多岐に渡ります。以下に一例を挙げますね。

・本業はサラリーマンで、副業としてECを始めたい方。

・EC事業者ではあるが、アマゾンへの参入を検討されている方。

・実店舗で商品を販売しており、ECへの参入を検討されている方。

コロナ禍で本業の売上が激減し、融資がある内に新事業を始めたい方。

・投資案件の一つとして事業に取り入れたい方。


Q3. 事業譲渡のメリット、デメリットは?

A.3 メリットの一つは、株式譲渡に比べると短い期間で契約の締結まで進むことです。また、経験を通じて言えることではありますが、譲渡の成否に関係なく、面談を通じて多くの方と繋がることが出来ました。これは副産物ではありましたが、人との出会いはかけがえのない財産です。結果的に、面談をきっかけに別の事業でご一緒することになった方もいます。

デメリットに関しては、株式譲渡に比べるとかかる税金に大きな差が出るといったところでしょうか。

6. 最後に

ここに書いた内容はあくまで僕自身の過去の事例です。全てが正しいとは限りませんので、その点ご了承頂けますと幸いです。

事業譲渡において様々なテクニックがあるのは事実ですが、あくまで対人間との取引になります。ですので、最終的にあなただから買いたいと言ってもらえることがベストです。譲渡して終わりの関係ではなく、それ以降もお互い高め合えるような長期的な関係が望ましいですね。

今回はサイトストックさん(https://sitestock.jp/)監修の元、この記事を書き上げることが出来ました。改めて感謝申し上げます。アマゾンの事業譲渡に興味がある方は、是非サイトストックさんまで直接ご相談ください。

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