『君たちはどう生きるか』〜で、我々はどう生きるのさ〜
遅ればせながら、話題作?の『君たちはどう生きるか』(以下、「君イキ」)を観てきた。
なお、以下では当然ネタバレしていくので注意。
ざっくり感想
正直に言えば、よく分からなかった……
主人公が異世界に行って帰ってくるという大筋自体は分かるのだが、個々のシーンの解釈とか、それを踏まえた包括的な理解というところまでは到底辿り着けない。クリエイター向けの話と言われればそういう感じもする。
一番気になるのは、いきなり義母のお腹を触らされた眞人君の性癖が破壊されていないかということですが。
内容としては色々あった気がするのだが、(おそらく十分な描写が無いにも関わらず)全体として話がまとまっているのは凄いし、アニメーションとして素晴らしいことは間違いないので、劇場での鑑賞もおすすめ。これが最後になる可能性も割とあるので……
友達を作るということ
大仰なタイトルを掲げているものの、残念ながらこの映画を観たところでどう生きるべきかは分からない。
部分的な抽出をすれば、例えばラストの『完璧な理想郷より不完全な現実を選ぶ』的なやつは、ユートピアものでよく見る選択な気はする。
一般的には、この選択の背後には、そもそも「ユートピアこそがディストピアなんだ!」という命題が存在する。まあ『君イキ』のシーンについて言えば、もっと別の意味を持っている感じがあるが。
それから、主人公が「現実世界で友達を作ります」みたいなことを言うシーンがあった。
雑に解釈すれば、「君(観客)も友達を作ろう!」ということになるのだが、ここで友達の話が出てくるのは少し面白い。
「どう生きるか」みたいな話は、おそらく少し前(2010年代後半ぐらい?)からのアニメ界のテーマの1つで、最近の作品で言えば、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』や『天気の子』も究極的にはそういう話なのではないかという気がする。
そして、雑なまとめ方をすると、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が、「君も恋人を作ろう!」という話なのだ。
ジブリだし主人公の年齢を考えれば恋人の話にならないのは理解できるのだが、最近はどちらかというと「恋人による救い」みたいな話の方が多い気がするので、改めて友達のことを言われると新鮮な感じがある。
まあ、友達も恋人も簡単にできないから困っているわけだが。
そもそも何故「どう生きるのか」なんて話になっているのかというと、前提として「何者にもなれない僕ら」という問題がある。
これについては別記事で。
それでは。
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