10代の恋愛(4)

かみひこーきさんの詩集が手元にあって、

いつでも文字に触れられるあたしは、

つい、調子に乗って、勢いで、

一緒に海に行きたい。。。と言ってしまった。


普段からいろんな話をする中で、

かみひこーきさんは、よく一人でドライブして、

海を見に行くのだそう。

そこへ一緒に行きたいと言ってしまったのだ。

二つ返事で「いいよ」


あたしは親に「部活」と嘘をついて、

朝早くにでかけた。

日曜日の部活は私服でいいのだ(これも嘘)。


朝10時頃に、

フェリー埠頭に車を止めて他愛もない話をする。

昼ごはんついでにボウリング場へ行き、

そのあと十和田湖へ向かう。

「滝を見に行こう」

話の流れでそうなった。

冬の十和田湖は、

誰もいなくて、

空気も川の水も澄んでいてキレイだった。

滝の近くへ行くために、

車を降りて遊歩道を歩く。

奥入瀬川を渡るとき、

あたしが石のコケですべって、

初めて手を握られた。

それだけ。

あのとき、

わざと抱きついたりしていたら、

なにか進展があったのだろうか。

転ぶと危ないからと、

おぶってくれたときには、

心臓が飛び出そうだったw

それ以上、何事もなく、その日が終わった。


4月はかみひこーきさんの誕生日がある。

ちょうどその頃、

さだまさしが発売したノート、というか、

本くらい分厚く100ページほどある

中身白紙のノート。

それをプレゼントした。

「思う存分書いてください」

それまでも、それからも、

相変わらず関係性に進展はなくw

いつものように過ごしていた。


高校2年のGWを過ぎた頃、

学校から

「卒業した先輩とのつきあい」について

注意を受けた。

個人的にではなく、学校全体のことだったので、

あたしとイカルとタカは相談して、

先輩に車で送ってもらうのは、

少し自粛しようということになった。


ちょうどそのころ、

中途入部してきた元野球部のムラサくんは、

かみひこーきさんの中学の後輩だった。

あたしらが送ってもらうのを自粛した時期から、

ムラサくんが送ってもらっていたらしい。


6月くらいだったか、

学校の球技大会という行事があった。

授業はなく、

第一と第二の体育館で

それぞれいろんな球技が行われ、

試合に出ない生徒は、好きに見学するだけの行事。

イカルとタカに誘われて、

サボってどっか遊びに行こうということになった。

遊びに行くと言っても、

田舎の学校のこと。

平日の昼間から

学校外でウロウロしていたら目立つ。

そこで、オオタさんの家に行こうってことになり、

学校裏のオオタ宅へ。

当然かみひこーきさんにも連絡して、

久々に5人で遊ぼうってことになっていた。

オオタさんは非番で家にいたけど、

かみひこーきさんは、留守だった。

なので、

家の人に伝言をお願いしておいた。

かみひこーきさんの仕事が終わったら

合流する予定だった。

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