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<あなたへの証し> ~第2の書 『新潟への道、新潟での歩み(2006年10月~2011年3月)』~ <第1章『東京に帰れない』(4)>

 本当の自分を隠し、「真理、真理」といいながら教会に通っていた僕。 

 でも、人を騙せても、自分は騙せません。まがりなりにも、洗礼を受けているのです。そしてまがりなりにも毎週「みことば」は聞くわけです。僕の心の奥底の端っこに追いやってしまっている、イエス様の霊は、聖さを求め、僕に『罪』をわからせようとしていたに違いありません。

 仕事もうまくいきません。お金が欲しいくせに、「自分の利益優先の仕事はしない」などと偽善を言うのですから、やることなすことがばらばらですから当然です。僕は心が病んで、仕事ができない状態になりました。生まれて初めて行った「心療内科」での診断は『適応障害』です。それで僕は会社を休職することになったのでした。 

 でも、僕はそれほど深刻に考えてはいませんでした。僕の心は『罪』など認めたくはなかったし、『罪』のせいで心が病んだなどと思いたくも無かったからです。いや、それは今だから言えることであって、その時は、「もしかしたら『罪』を犯しているのかもしれない。」その程度にしか思っていませんでした。組合から傷病手当を支給されていましたので、長い有給休暇がもらえた程度に軽く考えていたのです。その日ホテルで鏡の自分の顔を見るまでは。

 驚愕した僕は、震え上がり、考えあぐねた末、その時近くにいた牧師にすがらざるを得ませんでした。

(了)

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