20180710_モノネガウイルス科

タケウチ・ウイルスについての考察

シャードで素晴らしい資料が公開された。それを元に推測できることを書いていきます。(空いてる部分はそのうち加筆するかもしれないし、しないかもしれない)

ウイルスは遺伝子とそれを包む殻をもつ、いわばただの設計図だ。
生物ですらない。自力で増えられないので、宿主細胞の機能を乗っ取って自身のコピーを作る。設計図(ウイルスゲノム)だけでは製品(ウイルス)は作れないので、工場(細胞)を勝手に借りてウイルスを作っているのだ。卑怯だぞ!
ついでに言うと、細菌とはまったく違う存在なので抗生物質は一切効かない。それなのに風邪で病院に行って「抗生物質をください」ってねだるやつがいるんだ。困ったもんだね!

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~本題~
タケウチウイルスは、モノネガウイルス目ヨロシフルーウイルス科タケウチウイルス属に分類されるRNA1本鎖-鎖ウイルスである。
…なんでここだけ実在のウイルス分類なんだよ!?
モノネガウイルス目にはエボラウイルスや狂犬病ウイルス、麻疹ウイルスなどが含まれ、やたら危険なやつが多い。分類が近いからといって必ずしも病原性が同レベルとは限らないのだが、なんかワクワクするでしょ?
(メタ的に考えると「分類どうする?」「うんと強いのがいいよね、エボラと同じ目にしちゃおう」「ナイスアイディアだ」「「ゲラゲラ!!」」
という会話があったのかもしれない)
それにしても、ヨロシフルーウイルスって……サトル=サン、ウイルスに自分の名前がついてるのはちょっとうらやましいぞ。

タケウチはヨロシフルーウイルス科のヒトインフルエンザウイルスを基に作られたそうだが、ここに来て、ヨロシサンがインフルエンザウイルスを作って意図的にばら撒いてワクチンを売っているという今更とくに驚きもしない事実が判明した。本編でも一応言っていたっけ。
しかし、インフルエンザウイルスはモノネガウイルス目ではなくオルソミクソウイルス目に分類される。忍殺世界のインフルエンザは我々の世界のそれとは別物であるらしい。もしかすると、エボラウイルスを基に作られたのかもしれない……。

タケウチはニンジャに特異的な遺伝子構造を利用して感染する。
これは現実のウイルスにもみられる特性で、いろいろな方法がある。
そのひとつの例として、HIVが細胞に入り込むためには細胞表面にある受容体というタンパク質にくっつく必要があるのだが、その受容体をコードする遺伝子が欠損あるいは変異しているとウイルスは侵入できない。鍵がなければ(あるいは少し歪んでしまっただけで)扉が開かないようなものだ。よってそれらの変異をもつ人々はHIVに感染しにくい。
おそらく、タケウチはニンジャのみが発現する受容体タンパクに結合する性質をもっているのだろう。

劇的なスピードのがん化、毒素産生、細胞破壊によってニンジャを死に至らしめる。
毒素について:宿主細胞が通常作るタンパク質を過剰に産生させる、または変性させてミスフォールディングを誘発する?
タケウチ自体のRNAがmRNAとして作用する可能性?
がん化について:おおざっぱに言うと、発がん遺伝子が活性化するか、がん抑制遺伝子が変異して働かなくなると、正常細胞がバグってがん細胞になる。実際がんの原因になるウイルスはヒトパピローマウイルスなど複数あるので、そいつらと同じような仕組みでがんを発生させているのだろう。

ニンジャ頑健さが高いほど症状が重くなるのは、以下のような理由が考えられる。
・タンパク質の合成能力が高いため、毒素の合成やがん細胞の増殖も速い(ニンジャリボソームな……?)
・過剰な免疫反応で組織が障害される
抗原侵入の知らせで免疫系が戦闘準備に入ると、彼らは抗体やサイトカインなどの武器を作って敵をやっつけようとする。しかしそれらの武器は、時に自分たちをも傷つけてしまう。スリケン投げまくってたら自分に当たって怪我したサブジュゲイター=サンみたいなもんである。
たとえば花粉症は免疫系が花粉(抗原)に反応してヒスタミンやら何やらを作りまくった結果ああいうイヤな症状が出るし、サイトカインストームと呼ばれる病態では、過剰に活性化した免疫細胞がサイトカインをどんどん作り、それが免疫細胞を活性化して、そいつらがまたサイトカインを作る……というエンドレスループで臓器をボロボロにしてしまう。やりすぎだバカ!
スペイン風邪において若くて健康な人ほど致死率が高かったのは、このサイトカインストームが原因だと言われている。感染症に対する抵抗力が裏目に出てしまったのだろう。
ニンジャ免疫力についてだが、最も強い部類に入る個体は、内臓に達する傷を肉が見えたまま放置しても並のニンジャ以上の行動が可能だったり、失明バクテリアがうようよしている下水道で獲れたドブネズミを日常的に食べても何ともないので、モータルの免疫力とは比べ物にならないほど強いことがわかる。
それが暴走すればどうなるか……今までのエピソードが示す通りの結果である。

一方、免疫系がバグって自分を攻撃してしまう場合もある。普通そういうフレンドリーファイア野郎は厳重なチェック機構で排除されるのだが、
監視システムが壊れてたりザルだったりして生き延びてしまうことがある。これが自己免疫疾患である。自分同士で喧嘩してどうする。いかなる仕組みかは不明だが、タケウチウイルスは免疫系のバグを誘発して自らを攻撃するように仕向けているのかもしれない。ここで重要なのは、ニンジャも自己の免疫系に攻撃されうるということだ。つまりニンジャも自己免疫疾患に罹る。ニンジャの関節リウマチとか多発性硬化症ってめちゃくちゃ質が悪そうで嫌だなあ……。

食用プロタケウチ(Tuk8)は軽度のインフルエンザ症状を持続させる。こちらは強毒性タケウチと違い、HIVめいて免疫系の追跡を逃れる戦略を利用しているのかもしれない。
これもニンジャ頑健さに比例して症状が重くなるとしたら、サワタリが感染すると軽いインフルエンザ症状では済まず、全身の皮膚に紫の斑点が現れたり、目や鼻から血を流したり、高熱で意識朦朧として「おのれベトコンめ、井戸にチフス菌を撒いたな」などと呟き始めたりするんでしょうか。それでも根性で動きそうなのがコワイですね。
まあ彼は元ヨロシ研究員なのでモータル時代からタケウチに触れていて免疫がついてたかもしれませんが……そもそも、ディセンション直後にフジキドにアンタイニンジャウイルスを撃っているので、ワクチンは接種済みのはずなんですよね。うーん残念……

その他の重要な情報
・リアルニンジャもタケウチで死ぬ→憑依ニンジャと同じ遺伝子の変化が起きている
・ヒト以外の種族には効果がない
・物理肉体に作用する(ウイルスだもんね、細胞がないと増えられないよね)

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……真面目にいろいろ考察しましたが、
あのね、すごく層だった。
だって推しニンジャがインフルエンザめいた症状でケージの中で飼育されるんですよ?これはマーケッティング的に大正解では?
きっとバイオニンジャのみなさんも研究所にいた頃は食用タケウチの影響で常に目は潤み息が荒く大儀そうに床に寝転んでいたに違いない。今そう決めた。
あと、抗体をばら撒くサバジョが…尊くて…だって世界中のニンジャを感染症の脅威から救った英雄ですよ?世界ニンジャ保健機関のロビーに銅像を作ってその偉業を未来永劫讃えるべきだと思う。


フルツとか医学書とか買います