20191205_Cancellation_みずいろ_

WAIS-4を受けてきたよ

(これまでのあらすじ)精神科にて「職業適性テストってどんなんですかね」「あれは知能検査とあんまり変わんないよ」「そういえばWAISの新しいやつ出ましたよね」「受けてみます?」「ハイヨロコンデー!」

前回WAIS-Ⅲを受けたから今回はⅣだ。これ、みんな「ウェイス・フォー」って呼ぶけど、「ウェイス・フォース」でないの?まあいいか。

検査当日、診察を受けてからしばらく待ち、テストの部屋へ案内された。担当のお姉さんは初対面だが優しい雰囲気で話しやすい人だったのでよかった。おまけにカワイイ。エアコンの音が気になるので消してもらったが、静けさと引き換えに暑くて汗だくになってしまった。12月になった今も半袖着てる暑がりなので……。


以下、テストの内容と感想。
※出てくる問題はすべて実際のものではなくニンジャを使った例題に置き換えてお送りします。

1.積木模様/Block Design
紅白ツートンのおめでたい積木を組み合わせて見本と同じ模様を作る。最初は4個だけどいきなり9個に増える。16個とか25個になったらどうしようと思っていたがそれ以上増えることはなかった。
前回、組合せに次いで点数が低かったのでこりゃダメだと半ばあきらめていたが、やってみたら意外といける!脳の成長かな?ちなみに今回からタイムボーナスが重点されなくなったらしい。そんなものがあったのか。

2.類似/Similarities
2つの言葉の共通点を答える。
「ハイドラとサブジュゲイターの似ているところはどこですか」(答:どちらもバイオニンジャ)
似ているという言葉に騙されて「犬と猫の似ているところは?」「目が2つで、毛が生えていて……」などと言ってはいけない(正解は「動物」)。私はWISCでこの罠に引っかかった。「共通する概念を答えなさい」って言ってくれればわかったのに。自閉症あるあるなのか、それともよくある勘違いなのか。
この手の課題は得意なはずだが、わ、わからない……!というか、頭の中ではわかっているのに口から説明が出てこない。悔しい。よくわからん脳炎のせいで軽い失語があるのだが、まさかこんなところで足を引っ張られるとは。

3.数唱/Digit Span
いくつかの数字を聞いて覚える。8,9,3なら、順唱はそのまま「8,9,3」、逆唱では「3,9,8」と答える。
順唱と逆唱は、語呂合わせとニンジャ名鑑でなんとかなった。6,5なら「サブジュゲイター=サン(旧名鑑66番)から1引いたやつ」と覚える。推しを使うと記憶力が上がる!
だがしかし、初登場の並び替えが手強かった……語音整列と違って同じ数が何度も出てくるのだ。数字を覚えていても並び替えができず「えーと、0,1,0,5だから…0,1,0,5…0,1,0,5…」と呟き続けるゾンビーと化した。(正解は0,0,1,5)
もしやこれは発達障害にありがちな、2つの作業を同時にできないという弱点……!検査のおかげで、普段の生活ではあまり意識しない強みと弱みがわかってくる。これだけでもWAISを受けたかいがあるものだ。

4.行列推理/Matrix Reasoning
ネットのIQテストは大体これ。MENSAの入会テストもこんなやつらしい。「マトリックス・リーズニング」ってニンジャのエピソードにありそうな気がしてくるな。たぶんユンコちゃんが出るやつだろう。
これがけっこう楽しい。一生懸命考えて答えがわかった瞬間「ヤッター!」と両手を挙げてジャンプしたくなる。しかし感覚過敏があるので視覚的にキツかった。色や形状がアメリカのバースデーケーキみたいにギラギラしているせいで(※個人の感想です)、それはもう目がチカチカしてつらい。目を細めてじーっと睨んだり、手で顔を覆いながら隙間から覗いてどうにかやり遂げた。サングラスをかけていてもこんなに眩しいとは。
興味深いことに、正解がわかっているのに図形を選び出せないことがよくあった。「ここに入るのは左に赤い三角があって右に青いストライプが2本走っている図形だな」と口頭で説明できるにもかかわらず、選択肢を見ても何がどんな形なのかギラギラしてわからないという……歯医者のライトの真下で度が強すぎるメガネをかけて小豆とコーヒー豆を分別しているような感覚だった。あー疲れた。

5.単語/Vocabulary
単語の意味を答える。最初は「スシ」とか「タヌキ」だが、だんだん「コンプライアンス」「風林火山」「僥倖」とレベルが上がっていく。
毎回ほぼ満点なので余裕たっぷりに挑んだが、こちらも類似と同じ理由でうまく答えられなかった。いつもは何気なく使っている言葉でも、その意味を説明しろと言われるとなかなか的確な言葉が思い浮かばない…。
全然知らない単語は漢字から意味を推測して答えておいた。当たれば儲けもんである。

6.算数/Arithmetic
普通の算数、ただし全て暗算。
「ラオモト=サンは万札を50枚持っています。3人のサンシタに同じ数ずつあげたら1人あたり何枚もらえますか」「フォレスト=サンは1日に8時間働いて、さらに残業をします。先週は1日も休まず119時間働きました。1日あたりの残業は何時間ですか」だいたいこんな感じ。
問題は小学生レベルだが、鉛筆も紙もないので式を立てるのが大変だ。合間に挟まるどうでもいい情報に気を取られてしまって「えっコトブキさんはコーヒーマシンを315台も作ったの!?業者?」「ピザが237枚!ピザ大好きヤッター!」などと一喜一憂しているうちに計算の内容を忘れるのだ。「算数」がワーキングメモリの検査であることを心で理解できた。

7.記号探し/Symbol Search
ΩやΘのような記号がたくさん並んでいて、その中から見本と同じのを探して丸をつけるだけ。
しかしまぎらわしい形の記号が多い。あなたがニンジャ視力をお持ちであれば容易に見分けることができるだろう。

8.パズル/Visual Puzzles
初登場の下位検査。入れ替わりに「組合せ」がなくなった。
選択肢からいくつかのパーツを選んで、見本と同じ形にする。これも英語でググれば例題が出てくる。「組合せ」では本物のパズルを組み立てるが、こちらは絵を見て答えるだけなので手を使わなくてもできる。
手先の不器用な人に優しくなったが、実物がないため、脳内でイメージを回転させるのが苦手な人にはやや厳しいか。

9.知識/Information
一般的な知識に関する問題。へー、英語でインフォメーションって言うんだ。また知識がひとつ増えたぞ。
「ニンジャの使うマジックパワーは何と呼ばれますか」「ヨロシサン・インターナショナルのCEOは誰ですか」……うーん、例題がほんとにヘッズにしかわからなくなってしまった。ま、いいか。
いろいろな分野の問題が出る。内容は義務教育の範囲だが、大人になると意外と覚えていない。わからないものはさっぱりわからない。とくに歴史が相変わらずダメだった。
待ち時間の暇つぶしにWikipediaで読んでいた内容が出たのには驚いたよ。しかも2題。前回もほんと偶然にその時期のマイブームが出題されたんだ。運がいい…のか?でも知能を調べる検査なんだからまぐれで当たっても意味ないんだよなあ。こうして普段からいろいろなことに興味を持って調べると「知識」が高くなるのだろう、ということにしておきます。

10.符号/Coding
数字に対応する記号を覚えて下のマスに書いていく。実際地味。
なかなか覚えられなくて書けなかったのに、家に帰ってから再生したらきちんと覚えていた!たぶん数字がごちゃついて見えにくいせいだったんだろうな……あと手が震えるから……(たぶんコンサータとモディオダールの副作用)。基本検査ではこれが最後の問題なので疲れも出てくる頃だと思う。

14.絵の抹消(補助検査)/Cancellation
似たような図形がズラーッと並んでいて、見本と同じ図形に素早く線を引いて消していく。
「符号」で手の震えがひどかったのを見て追加されたが、これも上手くできなかった。色彩の暴力だ。目がチカチカして難しい。間違いに気付いても戻っちゃいけないのがくやしい。時間制限があるとどうしても焦ってしまって精神衛生上よくない。


◆今回やらなかった補助検査◆
「語音整列」「バランス」「理解」「絵の完成」はしませんでした(やってみたかったんだけど)。なので前回の感想を書きます。

11.語音整列/Letter-Number Sequencing
数字とひらがなをランダムに聞かされて、小さい順&50音順に並べ直す。
英語より日本語のほうが文字の種類が多くて難易度高いんじゃありませんか?
前回これで18点を取ったと心理関係の友人に話したら「語音整列で最後まで行った人は初めて見た」と驚いていた。ええっ、記憶力悪いのに…電話番号を覚えられないし、台所へ行って「はて、わしゃ何をしに来たんじゃったか」と部屋に戻るし、夕食を食べたか食べてないかも忘れちゃうのに……検査結果と実用的な記憶力は必ずしも一致しないのか。

12.バランス/Figure Weights
初登場。説明しづらいので英語で調べてみてほしい。見れば一発でわかる。
名前だけ聞いてつま先立ちでもさせられるのかと思った。紛らわしいよお!
いったいどうしてFigure Weights(図形の重さ)を「バランス」と訳したのだろう?

13.理解/Comprehension
社会生活で必要な常識と、その理由を問われる。
「なぜ街中でニンジャの格好をしてヌンチャクを振り回してはいけないのですか?」「下水から湧いたショーユを飲んではいけないのはどうしてですか?」
最後のほうは「なぜ争いはいけないのですか」的な哲学的領域に突入する。極度にIQが高い人は考えすぎて泥沼になるんじゃないだろうか。

15.絵の完成/Picture Completion
WAIS-Ⅲの「絵画完成」は、絵を見て欠けている部分を答える問題だったが、それと同じものなのだろうか……?謎のままだ。

以上で検査は終わりです。


◆WAIS-Ⅲと比べて◆
良くなった点
・教示の文章がわかりやすくなった。練習問題もよりシンプルに。
・算数の問題が前より簡単になった気がする。
・所要時間が短い。補助検査を飛ばしたとはいえ、WAIS-Ⅲよりも早く終わった感じがする。
・手を動かす作業が減った。
・図版の色と形がはっきりして見やすくなった。くっきり。

良くないと思った点
・図版が見やすくなったのはいいけど、視覚過敏があると刺激が強くてキツい。ほんとに疲れる。
・気のせいか、積木模様の赤がどぎつくなったような…?(新品だからかも?)

全体的にシンプルになりましたね。余分なところはバッサリ削ぎ落として、なるべく受験者の負担を減らす工夫が感じられます。あとは図がもっと優しい色になればなあ。発達障害者がよく受ける検査なんだから、視覚過敏バージョンもあったらいいと思う。

検査結果はまた今度。

フルツとか医学書とか買います