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エイプリルフールをなんとかしてほしい

エイプリルフールがあまり好きではない。みんなの言うことが嘘か本当かわからなくて混乱してしまうからだ。

もちろん、あからさまなのはわかる。たとえば「フィンランドでキシリトールガムのなる木を発見」「干支廃止決定、2025年からはすべて猫年に」みたいな、だれがどう見ても嘘であることが一目瞭然なネタだ。

しかし、嘘か本当か微妙なラインのネタだとあっさり騙されてしまう。今年騙されたのは「マクドナルドで幕の内弁当みたいなセット発売」「誕生日クマちゃんのマスコットがジャスコで再販」である。後者は写真もあったので「えっすぐに買いに行かなきゃ!」とあわててスケジュールを組み直し始めたところ嘘だと判明し、あまりに腹が立ったので即座にブロックした。

フォロワーの名前が別人になってしまうのも困る。名前かアイコンのどちらかが原型を保っていればわかるのだけど、両方とも変わってしまうと正体がさっぱりわからない。IDが唯一の手がかりとなるが、名前とまったく関係ない文字列だとIDを見てもわからない。スパムかと思ってブロックしたこともある。
今日は見覚えのない「世界のパン紹介bot」がTLに現れて困惑した。正体はわからないものの、ポーランドやイギリスなど世界各国のパンを紹介してくれてためになる。こういう無害で楽しいのはいいと思う。

もしかすると、ほかの人はあまり騙されないのかもしれない。私は嘘をつく才能がなく、したがって他人の嘘にもニブいのだ。
詐欺や宗教、インチキ商品の類にはあまり騙されない。論理的に考えれば嘘であることがわかるからだ。
しかし、新商品の発売やおもしろイベントなど、本当にあってもおかしくないものはなかなか嘘だと見抜くことができない。詐欺と違ってそれほど実害がないので嘘検知アンテナがゆるむのも原因のひとつだ。
何の得もないのに「ただ人を騙すためだけに嘘をつく」という行為は、複雑すぎてどうにも理解しづらい。

いちばん悲しくてがっかりしてうんざりするのは、面白いイベントや魅力的な商品を紹介しておいて「嘘でした!」というやつである。ぬか喜びさせておいて突き落とすような、人の心をもてあそぶ行為だ。こんな嘘をつく人は、わざわざ買いに行った品物がどれも売り切れになっていればいい。

自閉症の「予定変更に耐えられない」という特性がこれに拍車をかけている。すっかりその気になったところで引っ込められるのはものすごいストレスなのだ。
騙されやすさの原因もこれかもしれない。発達障害の人は嘘が下手だといわれているからだ。もちろん嘘つきの発達障害者もいるが、それよりはむしろ、嘘をついたほうがいい場面で本当のことを言ってしまってトラブルになる事例のほうを多く見聞きする。正直なのはいいことだが、まったくオブラートに包めないのもそれはそれで困る。

あまりにも嘘があふれているので、本当のことも信じられなくなった。第5人格の公式がピエロの衣装をタダでくれるというのもどうせ嘘だろうと思ったがこれは真実らしい。もう何が本当で何が嘘だかわからない。あれこれ考えていたら頭が混乱して疲れてきた。今日この日に発表された情報はすべてが疑わしく思えてくる。
隠者の記念日が4月20日というのも嘘なのではないか? iPhoneの時間は合っているのか? カレンダーも嘘かもしれない...…と疑いは深まるばかりである。
ひとつ救いなのは、エイプリルフールは4月1日で終わるということだ。翌日には嘘つきたちも正気に帰るだろう。

そんなわけで私はエイプリルフールだからといって嘘をついたりはしない。せいぜい「エイプリルフールに嘘をついて罰が当たったルカ」をTLに放流するぐらいだ。

フォロワーのみなさん、今後エイプリルフールに嘘をつくときはぜひ私にも理解できるようなあからさまな嘘にしていただきたい。「アルヴァ先生の入院真髄が出る」とかのセクシーなやつだとなお嬉しい。イラストつきで。


フルツとか医学書とか買います