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ポンコツな視力で第五人格をプレイすること

第五人格をプレイし始めてからそろそろ4年になる。

4年もプレイしているのにちっともうまくなった気がしない。それどころか下手になっているような気がする。野良サバイバーが恐ろしすぎてハンターばかりやっているが、ランクマッチに行くのが嫌すぎてまったくランクを上げていないのに、なぜかマッチするサバイバーがどんどん強くなっていく。つらい。

この手のゲームの才能がないのはわかっている。ゲーム以前の身体機能がそもそもショボいので「ボタンを押す」「キャラの向きを変える」といったごく簡単な動作が人よりトロいのだ。それに加えて目も悪い。見たものを脳で処理するのが下手だから「見えてはいるが、それが何なのかはわからない」ということがよくある。そのうえ動体視力が悪く、奥行きの知覚がろくにできない。
このせいで日常生活でもしょっちゅう物にぶつかって怪我をしている。これは生まれつきの特性もあるし、病気だの事故だのが重なった結果もあると思う。

これでは追っているサバイバーが誰なのかもよくわからない。何かを殴ってから右上のアイコンを見て「あ、いま殴ったのって人形師だったんだ」とか判断している。墓守だけは髪が真っ白なのでわかる。可愛いから絶対殴らない。

特質はもちろん監視者一択である。監視者を置くとサバイバーのシルエットが白く浮かび上がるのだが、それさえ視認できないので左上のレーダーの赤い点を見ながらチェイスしている。
キャンプのときは椅子の周りに監視者を3点置きする。そうしないと目の前で無傷救助されてしまうからだ。こんな贅沢な使い方ができるのは、試合時間の長い隠者ならではの特典だ。
操作速度の低下はオマケにすぎない。というか、そんな効果があるとは知らずに使い続けていたので、知ったときはものすごく得した気分になった。

監視者にはもうひとつ利点がある。誤タップしたときの被害が少ないのだ。よく指が滑って変な場所を押してしまうのだが、監視者なら1匹損するだけで済む。これが瞬間移動だったらえらいことである。実際えらいことになったので瞬間移動は封印した。
Redditにプレイ動画をアップするたびに「なんで隠者に監視者? 鬼没のほうがいいよ!」と突っ込まれることにも慣れてきた。正直に「目が悪いから」と返している。まさか対戦相手も猫おじさんからひじきが生えてくるとは思わないだろう。

そんなことを言いながらも移形の練習を始めた。私は全体負荷が大好きなのだ。誤タップしても戻ってこられるので被害が少ないのがいい。隠者との相性も抜群だ。しかし監視者がないのでチェイスがつらい。

こんな視力でマップの構造を覚えられるわけがない。それどころか、軍需工場と聖心病院は同じマップだと思っていたし、違うマップだということを知ってからも1年ぐらいは見分けがついていなかった。工場をテクテク歩いていたら女神像が見えてきて「あ、ここ病院じゃん!」とようやく気付く。

さすがに今は区別できるが、スポーン選択の画面だといまだに何のマップなのかさっぱりわからない。隠者を使うと5回に1回はうっかり封鎖のかかった暗号機をつないでしまう。ルカの地図みたいに、封鎖されている暗号機を白く表示してほしい。アルヴァの地図にはよけいなオブジェクトが多すぎる。弟子のほうが雑念が少ないんじゃないか。もしかすると記憶障害の影響かもしれないけども。

ハンターは自分が困るだけだからいいが、サバイバーはもっと難しい。チェイス面で苦手なハンターはピエロ、ヴィオレッタ嬢、美智子、破輪、サングリアだが、どれも移動が速すぎて見えないというのが理由だ。
とくに破輪は猛スピードでぐるぐる回るものだから、見ているだけで酔ってしまってチェイスにならない。墓守を使っていて本当によかった。

対策のために自分でもこれらのハンターを使ってみたが、やっぱり速すぎてうまく扱えなかった。グレイスも湿気エリアが見えないのであまり得意ではないが、回遊中は攻撃できないだけマシだ。

友人と組んだときも「トラ猫さんどこ湧いた?」「なんか変なとこ」というバッタのVCになる。情報量がパイの実の袋の底に残ったカスぐらいしかない。沸きたくないポジション全般を「変なとこ」と呼ぶのは、見たものを記憶する力が弱すぎて「湧きたくない場所」以上のことを覚えていないからだ。そういえば学校では板書がまったくできなかった。黒板の字を見てもノートに写すまえに忘れてしまう。

ひどいのは占い師を使ったときで「ボンボンかガラテアだと思う」と普通は間違えることのなさそうな2択で迷ったあげく、その正体がグレイスだったのにはさすがに友人も呆れていた。未来どころか現在もまともに見えていない。どうにかハンターの見分けがついても「あっ、ガラテアが……あっち行きました!」というしょうもないVCが飛び出す。
協力狩りでも「おっ、マヌケなサバイバー発見!」と喜んで殴ったら相方ハンターだったことが何度かある。ほんとごめん。

人にこの話をすると、冗談交じりに「病院行ったら?」と言われるが、もちろん病院には行っている。
「あのー、指名手配をつけてもサバイバーが見えないんですがどうしたらいいでしょうか...…」こんなことを言われた医者は困ると思うが私も困る。
かかりつけの神経内科と眼科と精神科に相談したものの、これといって良いアイデアは出ず、ついでに歯科医にもダメ元で泣きついてみたが、まあどうしようもないよね...…ということで終わった。それはそうだろう。
視力がよくなる治験なんかがあったらぜひ受けたい。すぐに受けたい。

しかしこんなポンコツ視力でもハンターではそこそこ勝てている。
私のプレイもひどいが、2~3段のサバイバーの立ち回りはもっとひどいからだ。目の前でコソコソとロッカーに入るルカや、残り5台で粘着しに来るマジシャン(なんで?)といったとんでもないサバイバーがうようよいる。もちろん連携なんかとれていないので、隠者で適当に目についたサバイバーを殴るか、悪夢でキャンプせずにカラスワープでどんどんタゲチェンすればいつの間にか全滅している。アンちゃんで救助狩りしまくってもいい。
ただ、さすがに4段以上が相手となると雑な立ち回りが通用しなくなってきて普通にボロ負けする。

もっと真剣に練習すればもう少し上手になるのかもしれないが、そんな時間があるなら居館でアンドルーや猫おじさんを眺めていたい。そもそも他人と戦うのは好きではないのだ。それでも4年続いているのだから、第5人格は相当おもしろいゲームなんだろうと思う。

プロの試合を見ていると「ああ、持って生まれた身体能力が違うんだろうなぁ、この人たちは柱や自動ドアにぶつかったりしないんだろうな……」とうらやましくなってくる。でもなんとなく未来館さんだけはタンスの角に小指をぶつけていそうな気がするんだよな。

ところで新ハンターのアイヴィだが、目の見えないヘレナちゃんや視力が悪いアンドルーにもスキルが通るのはどう考えても変だ。ほかのキャラより浸食スピードが遅くなってもいいんじゃないか。まあ、地面に潜っていても上空からの景色が見えるのも変なのでお互いさまだろうか。

フルツとか医学書とか買います