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急すぎるサンパオリ監督の解任劇 内部で何が起こったのか

噂から数時間以内での解任の公式発表

現地時間の7月1日15時ごろ、オリンピック・マルセイユはホルヘ・サンパオリ監督を双方合意のうえで契約を解除したと発表しました。

解任の噂が以前から絶えなかったわけではなく、その噂が出たのはちょうど7月1日のお昼過ぎ頃。「今後数時間以内に解任される」という極めて信憑性の低い噂が現実になってしまいました。

以下、公式発表より。

「オリンピック・ドゥ・マルセイユとホルヘ・サンパオリ監督は、共同で協力関係を終了することを発表しました。ホルヘ・サンパオリは、パブロ・ロンゴリアが2021年2月にトップチームの運命を託すことを望んだ最初の監督である。アルゼンチン人監督は、2020/21シーズンの特別な事情でチームの指揮を執ることになったのだ。
 
マルセイユでの最初の日から、彼はオリンピック・ドゥ・マルセイユの価値観に対応するプレー哲学と勝利の心構えを実践することに全力を注いできたのです。従って、クラブとホルヘ・サンパオリ監督が共同で協力関係を終了することを発表するのは、感慨深いものがあります。OMは、ホルヘ・サンパオリの働きに心から温かく感謝したいと思います。16カ月にわたる共同作業の結果、この作業により、クラブは新しいスポーツプロジェクトの建設において新たなレベルに到達し、UEFAチャンピオンズリーグへのストレートインの出場権を獲得することができたのです。
 
私たちは、これまで歩んできた道や共に経験した感動に満足していますが、長い間熟考した結果、オリンピック・ドゥ・マルセイユのプロジェクトのために行動する両者は、この段階に終止符を打つことに同意しました。クラブは今後、パブロ・ロンゴリア会長が就任以来実施してきたスポーツ政策を継承し、新たなサイクルに入ることになります。」



サンパオリ監督のコメント

現地時間の7月1日17時にパブロ・ロンゴリア会長が会見を開く前に、サンパオリ監督は自身のインスタグラムを更新してコメントを出しました。

ホルヘ・サンパオリ監督のコメント(インスタグラムから)
「マルセイユに着いた途端、まるでずっと住んでいたかのようにくつろぐことができました。OMは情熱です。オランジュ・ヴェロドロームに入るたびに、心臓がドキドキしていた。昨シーズンは素晴らしかった。このクラブの監督になれたことは、私にとって喜びでした。とても嬉しかったです。
私のペースや目的はディレクターと同じではありません。異なることを主張するのは悪いことではありません。大切なのは卓越性を追求し、OMのためにベストを尽くすことです。
私を信頼してくれたパブロ・ロンゴリアと彼のチームに感謝したい。サッカーをこんなにも美しいスポーツにしてくれた選手に感謝します。チームのために100%の力を発揮してくれたクラブの従業員の皆さんに感謝します。
サポーターの皆さん、ありがとうございました。皆さんがいなければ、何も意味がありませんから。
また次の機会で。」



解任の原因とは?

22/23シーズンの公式ホームユニフォームを発表してから間も無く、突然すぎる解任発表。では、なぜわずか数時間内でこの解任劇が起こったのでしょうか?

一部報道とサンパオリ監督のコメントに表れているように、一番の原因はサンパオリ監督とクラブの上層部の意見の食い違いでしょう。

来たるシーズンのチャンピオンズリーグにストレートインできる出場権を確保して、さらなる欧州舞台での躍進を目論むサンパオリ監督の構想とここ最近のマルセイユの移籍市場での動きが相反しているのは確実です。

というのも、マルセイユは昨シーズン活躍したゲンドゥジやミリク、ウンデルなどのほとんどのローン組の買取りには成功したものの、ディフェンスラインの要だったサリバはアーセナルへと戻っていきました。さらに、長年手塩にかけて育てたブバカル・カマラはアストン・ヴィラへと旅立っていきました。

2人の穴を埋めることは必須なことですが、ここまでのマルセイユの新戦力はル・アーヴルから19歳CBのイサク・トゥーレと昨シーズンはロコモティフ・モスクワに貸し出されていたサミュエル・ジジョのみ。両者ともカマラとサリバの穴を埋めるには実力的に相当厳しいかと。

このような移籍市場での静けさぶりに不満を抱いていたサンパオリ監督が解任される形となりました。



パブロ・ロンゴリア会長が狙う時期監督はデ・ゼルビ!?

突然の解任劇に驚きを隠せてはいませんが、SNS上では早くも次期監督の予想コメントが飛び交っています。

ビエルサの出戻りや、地元マルセイユ出身のジダンなどの噂がありますが、地元メディアによると、パブロ・ロンゴリア会長が望む次期監督はイタリア人のデ・ゼルビというニュースが舞い込んできました。

デ・ゼルビはイタリアのパレルモやベネヴェントを率いて、一番有名なのはサッスオーロを率いて魅力にあふれた攻撃的サッカーを展開したことでしょうか。

昨シーズンからは活躍の舞台をウクライナのシャフタール・ドネツクへと移していますが、ロシアによる軍事侵攻をきっかけにウクライナから帰国し、サッカーからしばらく身を置く日常を過ごしていました。

未だウクライナのサッカーリーグは中断中でデ・ゼルビ監督もまだシャフタールの監督ではありますが、5月には退団を示唆する声明が報じられました。

デ・ゼルビ自身がオリンピック・マルセイユの監督に就くことに前向きであるかはわかりませんが、仮に就任するとなればサッスオーロで魅せたような攻撃的なサッカーが再び見ることができるかもしれません。

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