見出し画像

イケボ・カワボ

注:これはジョーク記事です 

 概要:欲望の大きさをはかることは困難を極めるであろうが、視点を性別の差異から人間全体にシフトすることで欲望そのものが男女に関わらず等しく与えられている可能性を示唆し、男女の社会的役割とされているものが生物的な役割とは独立であることを検証したい。尚、これは学術論文ではないので検証と言えるような検証は無く、中性的に記述しているつもりではあるがチェリーピッキング、確証バイアスに苛まれている可能性があることを先にお断りしておきたい。引用は一切しない。

1 性欲
 種の多様性のために性的機能とまたそれに付随する性欲もまた多様である。機能の保有とその行使についてまで巻き込んで語ることはここで避けるが、社会的な性の役割についての認識が大きく変化している昨今よく吟味されるべき話題であると考える。
 遺伝子を複製するのに、または個体にとって有利であるように性淘汰が働くのは知られている。自己複製について有利になる条件は多くあるが、最も直接的なのは自分が生殖することである。そこで他の個体より有利になることで個体の利益を増やすことが出来ることはもう言うに値しないほど小さな事実だろう。
 ここに差別的要素が介在してもらいたくない意図を汲んでもらった上で話を進めていく。正直なところ、先ほど述べたように機能と欲そのものは直接的に関係するとも限らないから、このエッセイも全て論理的虚構に落ち込んで溶けて消えるかもしれない。
 ここで性欲の章をわざわざ設けたのは、それが生きる上で根本的に必要なものであるという立場を明確にしているからであり、読者によってはこの時点で論考を読む必要がないと思われる。
 これを鑑みた上で、次章からは性欲を生への意欲の根幹と看做す古風な立場を取り、声について述べる。

2 イケボ・カワボ
 通話やブロードキャストなど、多くの非対面式コミュニケーションの形態が発展してきた昨今、特にそれらの形態に集まる個体は声にこだわる事が多い。これは不思議な事でなく、当然声に魅力を感じる人は声の良い人の下に集まるからおのずとそのような集合が出来上がるのだ。人格の吟味がその声の魅力によっておざなりになることもままある。または逆に、声は良いのに顔をいざ見たら好みでなくで幻滅したり、性格が合わずに離れることも当然ある。今からしてはかなり差別的であったり、混乱が起きているともとれるがその観察の手法としては非常に優秀なC.Darwinの著作『人間の由来』でも、声をはじめとする発声器官の発達は主に性淘汰で起きたと考えられており、他の種でも危険を知らせる発声やメスを魅了するための発声など多様な役割を持つ。
 殊に人間においては発声という行為は幅広い役割を持ち、ここで特筆したいのは非常に限定された人々「カワボ・イゲボに集まる個体」である。
 まずはカワボ・イケボの定義についてであるが、これは文化的に優位な魅力として定義する。かわいいというのは実に文化に依存するために遺伝子とはまた別の部分で発達する文化的遺伝子である。文化的遺伝子はマルサス的で、突然変異が優位になると(語弊があるかもしれない)言える。カワイイ・カッコイイは非常にあいまいであるが、少なくとも周りの人間の多くがカワイイ・カッコイイというからという形成のされ方も起こる。これが漫然とするとまた別の価値観が優勢になるのだが、誰が見てもカワイイとかカッコイイは存在しうるのである。
 カワボ・イケボについて言いたいのは、それらがどこか社会的な性別の役割にかなうものであるという事で、日本で女性らしいとされる高い声がカワボと呼ばれるし、男性らしいとされる低い声はイケボと呼ばれる。ここでは外国において別に女性の声の高さは魅力ではないという事を述べておくべきだろう。つまり日本におけるカワボ・イケボは日本の文化圏においてだけそうなのであって、この文化的な優位を切り抜けて生殖(自己複製)に漕ぎ付く競争に勝つための手段として発達したものなのである。
 つまり、どこにでもいそうな量産型カワボ・量産型イケボは競争のための優位さに適応した結果生まれるもので、どこか喋り方が似ている人が多いのはその文化においてその喋り方・声の高さが優位になるからだ。

3 結論
 ここまで読んだ方の中には、別に量産型イケボ・カワボに魅力を感じることはないという方もいるだろう。そのような方々にはここで言われていることがもっともらしい嘘のように思えるかもしれない。しかし、周りをよく見てみればこのようなふるまいをする人が沢山いるはずだ。なぜなら、その文化に適応しているように振舞うのも生存の上で有利であるから、本心でそうは思って居なくてもそう振舞う事が多いとだけ述べる。もし性欲を持て余していて、文化的にイケボ・カワボであることが最終的に生殖へ繋げるのに優位であるならば、キャスなどの場でイケボやカワボがたくさん産まれることは理にかなっているように思われる。ここまでの話では声の調について述べているようになってしまったので追記すると、喋り方なども同時に生存の有利さを持ってして伝染する。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?