量子コンピュータの実用化は近い。ドイツ・日本は企業連合。米中が開発牽引。

量子コンピュータの実用化は、最短で2029年と近い。産業や国の安全保障へのインパクトも大きく、「量子コンピュータを制する者が次のデジタル覇権を握る」とも言われている。その開発競争は激化しており、米中に対抗し、ドイツや日本では企業連合で対抗する動きがみられる。

目次

1 量子コンピュータとは?
2 実用化時期は?米中が牽引する競争。
3 企業連合で実用化を推進するドイツと日本。
量子コンピュータとは?
量子コンピュータとは、圧倒に速い速度で計算する技術で動くコンピュータである。量子コンピュータは、従来型のコンピュータと比較して数万倍以上の速度だとも言われていおり、従来不可能と言われていた処理も可能にする。
従来型のコンピュータは「0と1の組み合わせ(=2ビット)」で論理演算をする形式に対し、量子コンピュータは「0と1の両方の状態を同時に表現するQubit(=qubit方式)」という形式で計算することが、この速度の違いを生み出す。
例えば10ビットの計算を行う場合、従来型のコンピュータは「2の10乗分」の計算を網羅的に実施するため、1024回の計算回数が必要になる。一方、量子コンピュータでは、各ビットに「0と1の組み合わせを同時に持たせる」ことが可能なので10ビット分(=1024通りすべての状態)を同時に扱える。そのため、量子コンピュータはたったの1度の処理で計算が済む。

この圧倒的な速度により、交通渋滞をなくすためのルート発見、化学素材や新薬の開発(=新発見に必要な膨大なコンピュータ計算処理)、デジタルセキュリティの破壊(=ブロックチェーンの改竄等)、不可能を可能にする技術として実用化が期待されている。産業や国の安全保障に与える影響は大きい。

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