信念を貫け!2019 J1リーグ第5節マリノスVSサガン鳥栖 プレビュー

ナショナルウィークによる中断期間を挟んで迎える第5節は、前節に今シーズン初勝利を挙げたサガン鳥栖が相手です。全てのチームにおいて、3~4試合毎にそのチームに対するイメージを捨てなければ、正しい解釈は生まれないため、中断期間も相まってプレビューする者としては、とても難しい状況です。。。という、予防線は無視して進めましょう。

1,【サガン鳥栖の特徴】

サガン鳥栖はご存知のように、今シーズンからカレーラス監督を招聘し、トーレスを活かしたサッカーを展開しようと試みています。従来の鳥栖のサッカーはフィジカルコンタクトを主体にしたブロック守備からのカウンターサッカーでしたが、ピッチの幅を意識したパスサッカーに変容をしようとしています。さらにカテゴライズするのであれば、スペイン式のポジショナルプレー(菱形形成)が根底にあり、その中でトーレスを活かそうとしています。

このスタイルおよびモデルの変換の結果、サガン鳥栖はチーム作りにおいて苦戦をしました。シーズン開幕前に『Web Spoltiva』にて小宮良之さんが書かれた記事が掲載されていますが、端的にサガン鳥栖のチーム作りの苦戦状況を伝えており、開幕後の苦戦を予感させています。

とはいえ、開幕時は記事通りにボロボロだったものの、フォーメーションやスタメンの変更により少しずつ形が見えて来ており、この中断期間でチーム戦術を醸成される事はマリノスにとっては嫌なものです。一戦毎に改善されていってますからね。素晴らしいと思います。また、双方においてメンバーが変わる事が予想されますので、本当に読めないゲームになると思われます。ただし、カレーラス監督が志向するチームモデル自体は変わらないので、そこを紐解きたいと思います。

2,【サガン鳥栖の守備】

サガン鳥栖が開幕時に起こしていた守備の問題は、誰が見ても明らかなものでした。問題点は2つ。守備時の2ライン(最終ライン中盤ライン)がバラバラだった事とプレスが上手くかけられなった事です。

まずは前者に関して。サッカーの試合を見ていると、よく解説者の方が、「綺麗な4-4のブロックが出来てます」とか、「攻撃する側は相手の守備のラインが整っているから、なかなか崩せないですね」とか言っているのを聞くと思います。そう、ブロック守備(厳密にはゾーン守備)を作る際に、この『ライン』が綺麗な事は物凄く重要なのです。細かい事を書くと情報過多になるので、まずはそれが重要だという事だけ分かっていただければ大丈夫です。その大事なラインが、サガン鳥栖はこんな感じでバラバラでした。

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あえて過去形なのは、センターバックが日本人コンビになった事で、そのバラバラがある程度解消されたからです。ただし、完全に解決したわけではありません。鳥栖の守備の基本軸は人につく守備です。この守備方法ですが、マリノスのように人が流動的に動くチームを相手にすると、ディフェンスが引っ張り出され、スペースが生まれ易くなります。つまり、ラインバラバラ状態をこんな感じで意図的に作られてしまいます。

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これはマリノスにとってチャンスです。また、人についてくれるので、いつも通り、チャンネルを使うのも有効。

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続いて、後者のプレスが上手くかけられない問題に関して。小宮さんの記事にも書かれていますが、カレーラス監督はFWの選手にストーン(パスコースを消す立ち位置)の役割のみを与え、プレスによる運動量の消耗を避けさせます。他の選手はプレッシングを行ってきますが、ストーンが後方プレスにとって有効な立ち位置におらず、前線とは隔離されたプレスを行う為、たびたび相手にかわされています。これはアンカーでも2ボランチでも起きていた事象です。前節はだいぶ距離感が良くなり、金崎が2TOPの一角に入った事もあって、だいぶプレスが有効的になってきましたが、全員が連動を出来ていないので、やはり穴が出来ています。ここはチーム戦術の醸成によって精度が変わる部分なので、2週間の中断期間で良くなっている可能性はあります。

3,【サガン鳥栖の攻撃】

続いて攻撃。特徴のところにも書きましたが、鳥栖の攻撃を表す時に重要になる言葉は、『トーレス』と『幅を広く取る』です。幅を広く取り、相手のディフェンスの距離を広げ、こんな感じで真ん中にスペースを作ってきます。

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空いているスペースにトーレスを配置し、独力突破を狙わせるか、ポストプレーをさせて2TOPの片割れやトップ下と連携した崩しを狙わせています。

こうなると、攻撃のモデルとしては、自然とサイドからのクロスは増えますし、ボールサイドのビルドアップに手詰まるとサイドチェンジを行ったり、単純にロングボールをトーレスに合わせて来る方法をとってきます。この際、サイドチェンジは精度があまり高くなく、そこまで恐くはないのですが、ロングボールはやや厄介です。ゆうても『トーレス』ですし、イバルボが出てきたら、これまた厄介。さらに、開幕時はサイドで金崎を使っていましたが、2TOPの一角に彼を据えた事で、セカンド回収も出来るので、単純なロングパスの威力が増しています。ただ、クエンカを使ってくるのであれば、ビルドアップの出口に彼を利用したいはずなので、注意すべきはサイドチェンジで、ロングパスはあまり気にしなくてもいいかもしれません。本音を言えば、サイドは原川の方が怖いけど。

4,【サガン鳥栖の攻略法】

スタメン予想はこんな感じ。

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マリノスの方が読めない(笑)。今回、実はこれと言って攻略法はありません。『サガン鳥栖の守備』の項目で書いたことを貫く事が攻略法であり、これはいつものマリノスですよねと。マリノス側の懸念点はメンバーの変更によって、どれだけ練度が下がるかだと思います。プレスをかわす事、相手を動かしスペースを作る事。これにつきます。
大分の対マリノス仕様は、どのチームも出来るものではありません。また、同じ事をされるのではと考えるサポーターの方もいらっしゃるかと思いますが、サカダイのインタビューにおいても、選手は冷静に状況を分析しており、きっと信念を貫くはず。後押ししましょう。

4節までの状態であれば、チームとしての噛み合わせは良い方だと思うので、勝ち点3を貰ってよい週末、よい年度末を迎えたいですね。

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