船乗りの情熱は疾風。疾風は雷鳥の羽ばたきを止め、目的地へ進む船を推し進める! 2019 J1リーグ第32節マリノスVS松本山雅FC プレビュー

残された試合数は、僅か3試合。もう休みの週は無く、いよいよJ1リーグは終幕に入ります。

今節の相手である松本山雅FCは、ここまで堅牢な守備で勝ち点30を稼いできました。前半戦は勝ち点16。後半戦はここまで勝ち点14。今シーズン、3421が主なフォーメーションでしたが、マリノスとの前回対戦で試した3322を、ここ5試合では使用しています。

この5試合の中で、東京や鹿島相手に引き分けているため、他の上位チームのサポーターからは、上位食いの松本山雅なら今回も引き分けるのでは?、と期待する声が挙がっていますが、ノンノン。マリノスの攻撃は、それらのチームに比べて異質であることを、僕らは知っています。

また、前回対戦で3322をやってくれているので、こちらとしてもイメージはしやすい状況です。反町さん、前回対戦よりもマリノスは強いよ。ドン引くのは下策だよ。ガス欠なんて起きないよ。

という事で、前回対戦の振り返りをしてみましょう。

1,【16節ホーム松本山雅FC戦の振り返り】

松本山雅との前回対戦は、ホーム日産スタジアムにて1-0の勝利。まぁ、崩すのに時間がかかりました。松本山雅は、基本布陣だった3421ではなく、より中央を封鎖する意識の強い3322を使用してきました。

この布陣を敷いてくるチームが他にはいなかったので、ある種、初見での攻略となった事も難しくなった要因ですし、そもそもマルコスがいなかったのも要因です。前回対戦時に書いたプレビューを、あっさり無効化してくるなんて、反町め!

でもね、マリノスはしっかり攻略したんですよ。試合の中で、色んな試みを経て、適解に辿り着いたわけです。

松本山雅の守備ブロックは532になっており、2トップのどちらかでマリノスのアンカーへのパスコースを監視し、一人はボール保持するマリノスCBをマーク。3CHは限定されたボールサイドにスライドして、ボールサイドのレーンと中央の攻略を防ぎます。

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逆サイドにボールを振られても、3CHの気合スライドと、WBの上りでボールを奪おうとしてきます。

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 これに対してマリノスは、前半は4123のまま、ポジションを取り続け、山雅の3CHに中央を封鎖され続けます。

光明が見えたのは後半。4213へ布陣を変更した事で、ビルドアップの人数が6人に増え、マリノスの選手が後方で1名浮きます。

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後は、浮いた1枚でWBを釣り出して、4バック化した最終ラインのチャンネルを突くだけ。下準備が出来たところで、後半19分にプリンスに代わり大津を投入。大津が見事に決勝点をアシストし勝利。

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今の山雅も、この守備特徴をそのまま持っています。であるならば、今回も再現しましょう。という事で、現在の松本山雅に話を進めます。

2,【松本山雅FCの守備】

※ユニフォームの色を変え忘れました。お許しを。

では、松本山雅の守備から。532でブロックを敷く守備の形は、前回対戦のままです。最終ラインの5を4にして、チャンネルを突く!がキーワードになるでしょう。

松本山雅の守備は、マリノスが2CHでも、2トップはCHへのパスコースの封鎖から始めるでしょう。

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3CHは、ボールサイドの左右のCHが前に出て、マリノスのSBを捕まえに行くので、残った2人のCHが中央に、デンと構える形。

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この3CHを、サイドチェンジでさんざん振り回せば、疲弊をしてくれてスライドが遅れるようになります。徹底してよい形。

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相手のボールが回しが速いと、根性みせるしかないのが3CHの現状です。

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さらに、松本山雅にとって、攻守におけるキーマンは、誰がどう見ても6番の藤田です。彼を守のタスクでいっぱいにすれば、魅力は半減します。
このスライドの際に、マルコスがちょくちょく藤田の視界に入るだけで、常に藤田は、マルコスのマークに付くか気にしなければならないので、松本山雅のバランスを崩す有効な形となるでしょう。

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気になっているクラスメイトが、ちらちら視界に入ると、恋をしてしまうのと一緒!

では、少し時間を進めて。
このスライドが遅れると、WBが出て来ざるを得ません。特にサイドに張っていると、スライドに時間がかかるため、引き付けやすいです。

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また、山雅の特徴として、多少チェックが遅れても、ボール保持者にひとりは食いつく癖がある事も覚えておいてください。

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この様に、WBを釣れれば、裏のスペースにマリノスのWGを滑り込ませて、松本山雅のHVを釣る事が出来ます。これにより、中央に寄りがちの残った2枚のCBと釣られたCBの間に出来るスペースを有効活用できます。

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これは、前回対戦と同じですね。ここまでが、ブロックを敷かれた時の対処法です。

松本山雅は、このブロック守備に加え、3CHより後方が、連動プレスの準備を出来ている時に前プレをしてきます。でも、基本的な攻略の考え方は一緒。

前回対戦の後半の様に、マリノスが4213の布陣であれば、プレスをされても、中盤で1人が浮きます。この状態であれば、高速で前線までボールを運べます。

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前線に渡れば、ネガティブトランジションの速さで、ずっと俺のターンが可能です。

あとは、定石のHVをつる方式も使えるから覚えててくれよな!

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さて守備の項目の最後に。策士の反町監督ですが、正直今回はやれることが少ないと思います。あるとすると、守備の当てはめ方を変えてくるかどうかでしょう。こんな風にして。

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攻撃時にWBは上げるんだから、最初から前線6枚で、前から追いかけろというのは、やってもおかしくない。反町監督は、勝ち点3を取らなければいけないとも言っていますからね。もし、この方法で来られたら、恐い、恐いよ反町さん。さすがの策士だよ。んでさ、まさかドン引きとかしないよね。

3,【松本山雅FCの攻撃】

続いて、松本山雅の攻撃です。532ブロックから、WBを上げて、3142の形が基本軸です。前述したように、攻撃においても藤田息吹がキーマン。

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藤田でどうしようもなければ、入り口ドアをたくさん作るために、4の人達が降りてきます。

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降りるのは全員じゃないよ。多くて2人。ここまでは攻撃パターンとして共通。

とにかく前へ運ぼうという反町イズムですが、彼等は繋ぐ理想を掲げて、J2を戦ったが上手くいかず、現実路線に戻したチームです。でも、繋ぐ理想は残っているので、主な攻撃パターンは2つです。

1つ目は、この藤田を使ったビルドアップから、サイドに展開してのクロス。

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この時、シャドーがSH化してクロスという選択肢を持っており、シャドーがSH化するとWBはIH化します。

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上手く攻めているときは、WBからWBへクロスできる6枚攻めの形になります。守備の項目の最後で書いた、前線6枚の形ですね。

2つ目は、シンプルに2トップに当てるロングボール。ロングボールは、シャドーの位置関係もあり、セカンドボールの回収を意識すれば、怖くはありません。
さて、マリノスはこれらのやり方に苦戦するかと問われれば、否です。なぜなら、フォーメーションの当てはめ具合が、マリノスから見ても…

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わー、ピッタリ!

マリノスは、前プレと、得意の即時奪回でやりきるのが良いでしょう。

最後に攻撃で1つ、セットプレーは怖いです。何故か。武器の力で言えば、他のチームのセットプレーの方が強いです。でも、松本山雅にとっては、貴重な武器なんです。この武器でしか戦えませんと言われた戦士は、そりゃ武器を使える時は必死さ。カウンターなんて、気にしてられないほどに。だからこそ、狙いましょう。CKからのカウンターを。意図的に。いつも狙ってるしな。

4,【最後に】

さて、スタメン。

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マリノスに変更なし。これはボスの美学。
松本山雅は、地元紙によると、中美が負傷しているとの事で、2トップの永井の相方は、初出場の45番イズマエルになるようです。スプリントは最高時速37キロだってさ。ふーん。
これは、50mを5秒切るペース。テルが5秒台って言われているので、テルよりも速い。んなバカな…、どんなエージェントの売り文句だよ。まぁチアゴとの競争を楽しみにしようじゃないか。映像だと、ゴリゴリタイプですけどね。

ん?まさか、ドン引きして、イズマエルのカウンター頼みなんてしないよね、反町さん。

あとは、シャドーに右WBの47番岩上を持ってきて、右WBには3番田中隼磨なんですって。岩上はサイドに流れて、クロスを狙う可能性が高くなりました。良いね良いね、倒しがいがあるね。

今のマリノスを相手にする場合、私の中で3322は悪手です。こういう布陣をやられると苦しいというのは、もっと別にあります。ブロック組まれても、ビビるな!

最後に、今回もまとめません。短いし。ただ、これだけは胸にしまって戦おう。山雅の前線に、マリノスCBコンビがやられると思うか?
個が強く、型を持っているマリノスの前線が、山雅のディフェンスを崩せないと思うか?

自信を持って行こうぜ。松本へ。俺は行けないけど!

ここまで読んでいただいた方、読後に何かのアクションを行っていただいた方に感謝いたします。これ、反町さん、読むかなぁ。

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