イバンの壁を越えていけ!2019 J1リーグ第11節マリノスVSセレッソ大阪 プレビュー

ルヴァンの興奮が冷めない状態のまま、中2日でセレッソ大阪戦をアウェイで迎えるマリノス。ルヴァン湘南戦からの連戦に区切りがつくところでもあり、ここを全勝で終えられると、選手の間に「良い流れ」という名の自信がつくので、とても大事な1戦です。また、ここで勝つと勝ち点は21になり、良いペースで勝ち点を積み上げていると言えるのではないでしょうか。

お気づきの方がどれ位いるか分かりませんが、ここまでのマリノスの対戦相手は、順位表で見てもリーグを半分に分けた時のアッパー層であり、その中で戦っていないのは17節に控えるFC東京のみ。ボトム層で抜けてそうなのは湘南で、それ以外にはしっかりと勝たなければなりません。この第11節も然りです。

1,【セレッソ大阪の特徴】

セレッソ大阪は今シーズン、東京ヴェルディでその手腕を発揮していたロティーナさんに監督を依頼しました。皆さん忘れがちですが、セレッソ大阪のこの人事は、昨シーズン限りでユン・ジョンファン監督との契約を満了したことから始まっています。タイトルをもたらしてくれた監督を諦め、山口蛍、杉本健勇と離別しました。フロントは相当な覚悟でこの決断をしたと思います。

正直、ユン・ジョンファン監督継続の方が、短期的に良い成果を残せたでしょうし、タイトルも取れていたかもしれません。しかし、このチームもまた、チームをモデル化する事に将来のビジョンを見出し、ロティーナさんを呼んだのでしょう。結果は分かりませんが、その決断には敬意を表します。

さて、一からチームを作り直す事になったセレッソ大阪ですが、宮崎キャンプの際に、マリノスと連日で練習試合を行っています。どちらも試合を支配していたのはマリノス。というのも、J2をよく見ている方にはロティーナ監督の説明は不要でしょうが、攻守において取るべきポジションを意識させるスペイン型のポジショナルな監督さんです。そのため、既にその分野に取り組んでいたマリノスの方が熟練しており、局面において迷いなくプレー出来ていた事が、圧倒できた要因でしょう。1年の差が出た感じです。それでも、1年目からマリノスはドラスティックだったけどね!勇猛果敢だったけどね!ロティーナさんは慎重な監督さんです。

その慎重な姿勢からか、ロティーナさんは守備的な監督と勘違いされるのですが、それは違います。バランスを大事にし、相手の選手と味方の選手を見比べ戦術的な対応を行う監督なので、今までのチームでは、持っている戦力やチームの戦術理解度によって色が出やすかったのが守備なだけです。本質的にやりたい事は、素早くボールを奪いサイドを崩して攻撃する事で、ロティーナさんがヘディングゴーラーだった事もあり、いかにして良い状態でクロスを上げてゴールを奪うかを主体にして戦う設計をしています。

なので、シーズン開始から最近までは、守備を安定させるために3バックというか5バックを採用していましたが、本来は4バックをやりたいはずです。実際に前節はスタートから4バックを採用しています。この試合も4バックでしょう。

また、ロティーナ監督には優秀なコーチがいます。その名もイバン。タイトルに付けた名前。そう、本当に注意しなければならないのは彼なんです。とても優れた戦術眼と分析力を持っており、まだ39歳。マリノスに対しての対策を練ってくるのは彼です。ある意味、直前にルヴァンがあって良かったとさえ思います。戦術の落とし込み期間が短くなるからね。彼の話は夏のホーム戦に取っておこう。長くなるから。とにかく、イバンは良く相手を研究してきます。とても嫌らしくね。

という事で、特徴はこんなところにしましょう。同じポジショナルなチームでも、フィニッシュの形が違うマリノスとセレッソ。練習試合同様に、質の違いを見せて圧倒したいです。

2,【セレッソ大阪の守備】

さぁ、セレッソ大阪の守備ですが、前述のとおり5バックではなく、4バックを採用してくるはずです。上手くいかなかったり、先制したら5バックにするかもしれませんが、前節に上手くいったんだから、4バックでくるでしょう。これが外れたらプレビュー書く人としてはダメかもしれない。

そのため、私の2試合分の分析は5バックなのでほぼ無に帰しました。セレッソが前後分断で間延びするとか、もったいない守備とか、WBの戻りは笑うくらい速いとか、前プレ最初だけとか、都倉の裏が空くからそこを突くとボランチ出てきて今度はCBの前が空くよとか、ライン間・CB間・チャンネルが狙い目だよとか、もったいないから書いたけど全部意味はありません。

という事で、前節だけの分析だけです。

改めまして、守備はブロック型です。ラインはやや高め。コンパクト。

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ボール保持者にはちょい強めのチェイスが徹底されています。ボールの出しどころを押さえる守備です。他の選手は、ボールサイド密集型の守備をします。オーバーロード守備で、スライドと圧縮で実現します。

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この守備はちょっと厄介ですが、パススピードがあれば、得意の中央経由の逆サイドへのサイドチェンジで、充分サイドを崩せると思います。

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畠中に戻して、フィードしてもらうでも良いです。

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単純に意識すべきなのはこれだけです。自然とこちらも、オーバーロード気味になると思うので、そのまま押し切れるのであればそれで良いです。オーバーロード時のケイタはとても良いので、左サイドは今節も注目してみたいと思います。

セレッソ大阪の守備の癖としては、押し込まれるとPA内にみんな入る事。軽くパニック状態になります。これはポジトラのためのポジショニングがまだ出来てないためで、いつ治っても不思議ではないですが、参考までに書いておきます。

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3,【セレッソ大阪の攻撃】

続いて、セレッソ大阪の攻撃。攻める時は4132っぽくしていましたが、これは決まり事ではなく、相手の陣形を見ての対応だと思いますので、通常通り、442で考えて構いません。

相手陣でのビルドアップ時は2トップの片方が落ち、同サイドのSHが中に絞り、落ちたFWの位置に上がるケースが多いです。いなくなったSHのポジションにはSBが上がる図式ですね。

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どうやらSHとSB、落ちてきたFWを連動させて崩したいようです。とはいえ、まだ連動する数は少ないですし、質も高くはありません。

ビルドアップに困ったら、シンプルにロングボールとクロスを2トップ(特に都倉)目掛けて蹴り込みます。そのこぼれをSHやボランチが狙う形です。

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こういう上手く行かない時の形を用意しているのが、ロティーナ監督らしいです。

ゲームをマリノスが支配する事を考えると、こちらのケースの方が多いでしょうし、個人の力があるので嫌ですよね。マリノスは積極プレスでボールの出しどころを押さえて、いつもの様に、ロングボールの精度を低下させたいです。

4,【最後に】

スタメンです。

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マリノスは、前節出られなかった和田が復帰でしょう。ティーラトン良かったけどね。セレッソは前節から変わらずです。畠中はロティーナ監督に成長した姿を見せようと張り切っているでしょう。怪我しないでね。

今回は特徴に字数を割いています。すいません。前節に引き続き二週連続の慶事のため、私は現地にも行けないし、タイムリーに観戦する事も出来ません。大阪遠征される皆様、どうかよろしくお願いいたします。

ここまで読んでいただいた方、読後に何かのアクションを行っていただいた方に感謝いたします。

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