ガソリンスタンドってどうなっているの

みなさんこんばんは。福岡県KGです。
私の仕事はガソリンスタンドの建設の施工管理や機器の納品ですのでスタンドの知られざる構造を書いていきたいと思います。

ガソリンスタンドと聞くとレギュラー・ハイオク・軽油・灯油の販売を行っているくらいしか知らないと思います。実際それが正しいです。笑
しかし、利用客が安全に給油できる設備にどのような工夫がされているのかは中々詳しく知ることはできないと思いますので是非最後まで読んでください!

①ガソリンスタンドの地下には大きなタンクが埋まっている

ガソリンスタンドの地下には大きなタンクが埋まっていることをご存知でしたか?
一般のガソリンスタンドは販売するためのガソリンを地下タンクに貯蔵しており、なんと大きさは横12m、直径2.5m、容量48KLです。敷地が広いスタンドだと2〜3本ほど埋まっています。

どれくらい深いところにうあmっているのか?それは大体地上から4m〜5mほどの場所に埋まっています。このタンクの深さにはガソリンの性質が大きく関わっているのです。

ガソリンは常温で気化してしまう性質があります。これは4m以上ガソリンを吸い上げた際に配管内で気化してしまい車に注油しようとした時にガソリンが出てこなくなってしまうのです。その性質を考慮した上で緻密な計算をしタンクの深さを決めます。(ガソリン揚程計算)

②計量機

ガソリン計量機と言われてピンとくる人はほとんどいないでしょう。笑
赤、黄、緑のホースがついていて車の給油口に入れるあれです。
しかし正確な油量を測り金額を表示するこの機械はガソリンスタンドにとって
欠かせない機械です。この機械にも様々な種類があり、3油種同時給油可能な
物、2油種のみ、1油種のみ、吐出量が高速、標準かなどメーカーでシェア率を争っています。
現在では給油中に発生したガソリンの可燃性蒸気を回収して再度燃料として再利用する環境に配慮した機種もあります。

③火災を広げない設備

・消火設備
セルフのガソリンスタンドでは計量機の下部に銀色のキャップがはめてあります。
これは万が一油が地面に流れ出て火災が発生した際にその穴から消火剤が噴射されるようになっており鎮火できるようになっています。
・防火屏
ガソリンスタンドの敷地境界にある壁は火災が起きても隣接する家屋等に広げない為に不燃材料で作られた特殊な壁です。高さは2m以上でなければならないと消防法で決められています。
・静電気除去パット
ガソリンを給油する際に音声アナウンスで『静電気除去シートに触れてから給油してください』なんて聞いたことありませんか?これもきちんと意味があり、給油中に静電気が発生した場合、簡単に火がつくガソリンは非常に危険なものになります。実際、静電気が原因で火災が発生した事例も数多くあり計量機の中にアース線(電気を流す線)が体に溜まった電気を地面に流してくれます。

④埋設配管は現在樹脂でできている!

地下にタンクが埋まっているのはご承知かと思いますがもう一つ忘れてはならない設備が埋設配管です。単純に地下タンクと計量機をつなぐ役目ですが現在は鉄ではなく樹脂を使用した配管がメインで使用しています。
地面に埋まっているとどうしても錆びて腐食が進み配管に穴が空いてしまうなんてこともあります。万が一ガソリンが漏洩した場合、近隣住民の飲み水に混入したり川、海の生態系を壊してしまう可能性もあります。そういった懸念から半永久的に腐食のしない樹脂配管が今のスタンドでは使用されているのです。

どうでしたでしょうか。普段何気なく利用するガソリンスタンドにこんな設備が導入されていることは中々スタンド関係の職業に携わらないとわからないことだと思います。緻密な計算のもとにスタンドは作られているのですね。
スタンドの近くを通った際は友達に教えてあげてくだい。笑

しかし現代はEVブーム到来で昔のようにガソリンスタンドが儲からない時代になってしまいましたね。エネルギー業界に新しい光がさすことを願っております。


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