想起

ファンはアーティストをダメにしていく存在、でもある。

ニュアンスで、これは私がどこかで耳にし少し納得してしまった言葉だ。
私は様々なファンコミュニティに存在している。コミュニティによってファンの立ち位置というものが全く変わるのが面白い。

あるコミュニティのファンはアーティストにSNS上で賛否を投げつけ、またあるコミュニティのファンはアーティストに対して肯定的である。

ここでは後者のコミュニティを主として扱う。
新曲が配信されたときもSNSに溢れるファンの声は絶賛するコメント。
実際、共感するコメントばかりだ。

私はその行動に恐れてしまう。
「本当に良いと思っている」と思っていても、贔屓してしまっているのではないか。
このまま何でも良いと褒めていたらアーティストは最高の作品が作れなくなってしまうのではないか。
このまま肯定だけしていたらいつか消えていってしまうのではないか。
そう思う、たまに。

ただ彼らはそんなことには屈しない、
強い意志を持った人たちの集まりだと私は思っている(多分これには願望も含まれている)。
だから今日も彼らの楽曲からエネルギーをもらい、良いと思ったからSNSで賞賛のコメントを書く。
好きなものには心ゆくまで従順でありたい。

全てのものには限りがある。
劣化、老い、衰退、消滅。
特に私が好きなのは人間、命。いなくなる時が必ず来る。
出来るだけ永くいてほしいけれど、すぐいなくなるかもしれないし、何十年も後のことかもしれない。

ただ、限られたそんな人生でも、だからこそ。
喜びながらも、哀しみながらも、楽しみながらも進んでいこう。
それは自分と、すでに出会った貴方と、まだ会ったことのない誰かと一緒に。

これがDearを聴いて素直に真っ先に思い浮かんだこと。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?